今日の「週刊リテラシー」ゲストは「炎上王」として知られる百田尚樹氏でした。

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いままで写真でしか見たことがなく、喋ってるところを初めて見ましたが、なかなか面白いオッサンですね。

しかし、いくら面白いといってもその思想は容認できないというか、論理的にかなりおかしいことを言っていました。

最初の半蔵門世論調査「18歳で成人に賛成ですか、反対ですか?」という問いに対しては、選挙、酒・たばこ、少年法とさまざまな事柄を全部一緒くたに論じるのはおかしい、それぞれ別個の問題として考えるべきではないか、との答えで、これには私も大賛成。上杉隆氏の「人それぞれ大人になる年齢は違う」というのにはもっと大賛成。

しかし、話が安保法制に移ると百田氏は馬脚を現すのでした。

①安保法制に反対する大がかりなデモが先週末あったことに対して「主催者発表の12万人を信用したとしても日本人全員のほんの0.1%。たったそれだけの人の意見で法案が覆るなんておかしい」との発言。

そりゃ確かにデモに集まった人の数は0.1%なんでしょうけど、デモに行った人間だけが安保法制に反対でそれ以外は全員賛成みたいに言うのは論理的におかしいです。私みたいに反対だけどデモに行かなかった、そもそも行きたくない人間だっているんですから。(私がデモに参加したくない理由は過去に書いてるので興味のある方は読んでみてください)

デモに行った人は、「何が何でも反対!」の人たちなんですよね。だから「そこまでじゃないけど猛反対」から「猛反対じゃないけど結構強く反対」とか「普通に反対」「どちらかといえば反対」までを入れると結構なパーセンテージになると思うんですが。

安保法制に反対してる人は一部のバカだけみたいなことは橋下徹も言ってましたけど、ああいうのを我田引水というんだろうな、と。

あと、何が何でも反対!の人たちのネット上での盛り上がりに乗ろうと「ファッション」としてデモに参加してる人もいたはずなんですよ。「デモに参加してる俺ってかっこいいでしょ」みたいな。そういう人たちは思想的には百田氏たちの考えるようなバカかもしれませんが、しかし、政治現象としてファッションになるまで反対意見が高まっているというのは、やはりかなりの人があの法案はおかしいと感じてる何よりの証左だと思うわけです。


②安倍総理が参議院での安保法制論議そっちのけで大阪まで「ミヤネ屋」に出演しに行ったことについて、参院特別委員会の委員長から「いかがなものか」と批判され、参議院の委員会での採決ができなくなるのではないか、そこまでしてミヤネ屋に出るべきだったのか、ミヤネ屋よりリテラシーに出てよ安倍総理!!と司会の田村淳が大声で叫ぶと、百田氏は「視聴率が違うから」と言っていました。

言っていることは正しいでしょう。でも、見てる人の層がぜんぜん違うじゃないですか。ミヤネ屋を見てるアホな主婦と、週刊リテラシーを見てる政治に興味津々の老若男女とはまったく違う。

視聴率が違うから、じゃなくて、ちゃんとリテラシーをもった人たちに向けて言葉を発したら危ないと直感してるんでしょ。アホな主婦向けならいくらでも喋れるし騙せるという計算もあったのでしょう。

だから「視聴率が違うから」という発言は間違いというよりそういう計算を含んだものだった、というところですかね。


最後のは一番ひどいです。


③安保法制について、解釈改憲をするぐらいなら堂々と憲法を改正すればいい、との発言。

これはこれで正論でしょう。

しかし、この発言の直前には「この法案ははっきり九条に違反しているから」と言ってました。違憲なのだから憲法を改正して合憲法案として堂々と国会を通せばいいと。

違憲?

確か番組の最初のほうでは、「安保法制は戦争をしないための法案」と言ってませんでしたっけ?

本当に戦争をしないための法案なら九条に違反しません。それを違憲とは、ついに本音がポロッと出てしまったようですね。やはり安保法制は「戦争するための法案」なのですよ。

ならば百田氏の言うとおりはっきり違憲なのだから、何が何でも成立させてはいけません!!!!!



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