数日前の新聞に、「陸上自衛隊の幹部が隊員に遺書を書かせた」と否定的な論調で記事が載っていました。

jieitai-isho (1)

昨日、与党の強行採決で成立してしまった解釈改憲による集団的自衛権を認めた戦争法案に私は断固として反対ですが、自衛隊に所属する人間がいつ死んでもおかしくないようにしておくことが間違っているとは少しも思えないんですよね。

記事では、これから日本は戦争できる国になってしまう、それを踏まえたうえでの措置でまことに嘆かわしい、という論調でした。

戦争できる「普通の国」になってしまうのは本当に嘆かわしいことです。これまでの70年間はいったい何だったのかと虚しくなるばかりです。

でもね、集団的自衛権は昨日認められたばかりですが(私は認めませんが)個別的自衛権はもともともってるじゃないですか。

つまり、他国から攻撃を受けたら自衛隊のみなさんには防衛のために命を懸けて戦ってもらわなくてはならない。そのために私たちの税金から給料もらってるわけでしょう? だから「いつ死ぬかわからない」「いつ戦争に巻き込まれるかわからない」という意識は、集団的自衛権云々に関わらず自衛隊員である以上、常にもっていてもらわないといけないものです。

確かに、戦争法案を与党が強行採決にもっていこうとしているときにこういうことが明らかになったというタイミングの悪さはあるでしょう。でも、遺書を書かせること自体が悪いことだとは少しも思いません。

湾岸戦争やイラク戦争のときも、自衛隊員の奥さんにインタビューすると、「いつ死んでしまうか…」みたいな答えが返ってきて、マスメディアはそれを「あってはならないこと」とセンチメンタルに伝えてましたが、軍隊に属する人間がいつ死んでしまうかわからないなんて当たり前のことでしょう。それがいやなら自衛隊員と結婚なんかしなきゃよかったんですよ。

そして、あろうことか、当の自衛隊員までもが「困ったことになった」とか言っていて、アホかと思いました。

国を防衛する役目を担っている者が「いつ戦争に巻き込まれてもおかしくないからつらい」なんて、それこそ「あってはならないこと」です。自衛隊員が安定した「公務員」だから志願しただけなんじゃないの、と邪推してしまいました。

積極的平和主義とかまったく意味不明だし、そういう他国を侵略したり武力で干渉することはやめてほしいけれど、専守防衛までもがダメみたいな論調はやめてほしいもんです。



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