『ターミネーター/新起動(ジェネシス)』(2015、アメリカ)
脚本:レータ・カログリディス&パトリック・ルシエ
監督:アラン・テイラー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、エミリア・クラーク


前回までの記事
『ターミネーター』第1作(アクション映画の古典!)
『ターミネーター2』(ラストがいまだにわからない!)

楽しみにしていたシリーズ新作でしたが、これがとんでもない代物でした。(以下ネタバレあります)

無題











今日のこの日のために『1』と『2』を復習したんですけど、『1』も『2』もやっぱり物語の構造がかなりシンプルなんですよね。

『1』は、サラ・コナーを殺そうと未来からやってきたターミネーターから、サラの息子ジョンに遣わされたカイルが彼女を守る。

『2』は、ジョン・コナーを殺そうと未来からやってきたターミネーター=T-1000から、サラと未来のジョン自身が遣わしたT-800がジョンを守る。

で、この続編は、というと、カイルがジョンの命令で84年の世界に行くところまではいいんですよね。
しかも、すでにその世界には老いたT-800がいてすでにサラを守っている設定。そしてT-1000もすでにその世界に存在し、未来からやってきたカイルを殺そうとする。

なかなかいいと思いましたよ。アクションもキレがよくって、特にT-1000を演じるイ・ビョンホンが素晴らしい!

しかし、そのあと、時間軸がどうだこうだとか何だかんだとややこしい背景説明ばかりのあと、何と! ジョン・コナーがターミネーターとして両親であるサラとカイルを殺そうと刺客としてやってくるという最悪の展開に。

そりゃ、いろいろ過去を変えたから未来が変わるのはわかるけど、救世主になるはずだったジョンがターミネーターというのはいくら何でも「そりゃねーよ!」と言いたくなります。

それに、肝腎のシュワ演じるT-800はいったい誰の手で9歳のサラのもとへ送られたのか、何も説明がなかった。続編まで待てということか。そういうことやってるからアメリカ映画に客が入らなくなっちゃったんじゃないんですか!?

それに、ジョンはなぜ両親を殺そうとするのか。スカイネットが起動してターミネーター・ジョンが生まれたとか言ってたから、もうサラとカイルは両親じゃないのか。うーん、そのへんも複雑すぎてわからないん。もっとシンプルにしてくれないと。

ジョンをターミネーターにするんじゃなくて、スカイネットの開発者にしたらまだしもだったのでは、と思います。『ターミネーター2』の感想で「スカイネットの真の開発者は誰なのか」と書きましたが、結局、何も明らかになってませんよね。だから救世主になるはずだったジョンがスカイネットの開発者になってしまう皮肉ならまだ何とか受け入れられたと思うんですが、やっぱりターミネーターとして出てこられたのでは、これまでのすべてを台無しにしてるとしか思えません。


Terminator-Genisys-HD_s









とはいえ、シュワルツェネッガーは「映画スター」の顔をしているな、と改めて思いましたよ。シュワが出てくるとホッとしたんですよね。他に「映画の顔」がいないから。J・K・シモンズも映画の顔で良かったですが、出番少ないし。

サラを演じるエミリア・クラークという女優さんはまだしもですが、カイル役のジェイ・コートニーとかジョン役のジェイソン・クラークとか、ひどい顔でした。大画面でテレビドラマ見てるみたいでした。



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