2020年12月20日

ちょいと前に三作目の小説に着手したと書きましたが、仕事を最優先にしているため(何せ最近は体調不良で休むことが多かったので)三日に一回くらいしかノートに向かっていませんが、それでもなかなか順調に進んでいます。


前回の記事
小説を書き始めました、三作目(女子高生の胸キュン?) 


こないだ、職場で前作を読んでくれた人に、実は先月の終わりごろから新しい作品に着手したのだ、でへへ、なんて話をしたら、「何系?」と聞かれたので、「胸キュン系」と答えたら、ケタケタケタと笑われてしまいました。おまえに書けるんかい、お手並み拝見しようじゃないのさ、みたいな感じで「楽しみにしております!」と言われた。くそぉ、バカにしやがって!!

でもね、「胸キュン」と聞いて普通の人が思い浮かべるのとはちょいと違うんですよね。まぁ胸キュンは胸キュンなんですけど。

蓮實重彦がかつて、

「映画とはつまるところ人と人が出逢うことだ」

と言っていました。

ロッキーはアポロと出逢う。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公は若き日の自分の両親と出逢う。
『ローマの休日』ではオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが出逢うし、『サイコ』ではノーマン・ベイツとジャネット・リーとの出逢いがすべての始まりでした。

え、『ロッキー』はロッキーとエイドリアンとの出逢いじゃないの? という声が聞こえてきそうですが、エイドリアンとはすでに出逢っているところから話が始まるし、あの物語は「ロッキーがアポロとの死闘を通して自分は負け犬じゃないと証明する」のが主眼ですから、やはりアポロとの出逢いが主軸でしょう。

話がそれましたが、映画とは、物語とは人と人が出逢うこと。

じゃあ、誰が誰に出逢うのか。主人公が女子高生なのは決まっていますが、出逢う相手は誰なのか。

実は、出逢う相手のほうも女子高生なんですね。

え、それじゃあレズの話? とかって思われそうですが、まったく違います。

16歳の女子高生と24歳の女子高生が出逢う物語なのです。それ以上は企業秘密。

でも考えているうちに、少しずつそれてきた感あり。このままそれさせて違う方向へ行ったほうがいいのか。それとも軌道修正したほうがいいのか。最初の勝負どころに差し掛かっています。

続きの記事
三作目の小説、その後(素人の意見に……)

創作の極意と掟 (講談社文庫)
筒井 康隆
講談社
2017-07-14







  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年12月16日

先日、発表された欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦の組み合わせ。

我がレアル・マドリードはアタランタが相手ということで、ホッとするのが半分、今季もここで敗退するのだろうかという不安半分な今日この頃。

私なりの予想を簡単に記します。

右側がグループステージ首位通過で、第2戦をホームで戦うアドバンテージがあります。


×ボルシア・メンヒェングラートバッハvsマンチェスター・シティ〇
×ラツィオvsバイエルン〇
〇アトレティコvsチェルシー×
〇ライプツィヒvsリバプール×
×ポルトvsユベントス〇
×バルセロナvsパリ・サンジェルマン〇
〇セビージャvsドルトムント×
×アタランタvsレアル・マドリード〇


バイエルンは世界一嫌いなクラブですが、まさかここでラツィオ相手に不覚を取るとはとても思えない。

不覚を取るといえば、リバプールがライプツィヒに不覚を取ると見ます。理由は特にありません。リバプールは好きなクラブだしクロップも好きなので勝ち上がってほしいですが、昨季、今季とブンデスリーガのチームは何かやりそうな気配がプンプンします。

普通ならいくら宿敵とはいえ、バルサがこのラウンドで敗退するとは予想しないんですが、今季だけはね。パリ・サンジェルマンはバイエルンの次に嫌いなクラブだし、パリが勝ち上がるくらいなバルサに残ってほしいけど、でもやっぱり今季はもう別のチーム。昨季までに大逆転負けや2-8の惨敗など負け癖がついてしまったし、また世界を魅了する日が来るのはずっと先のことかと。

そんなことを言っているマドリディスタの私は当然ながらアタランタ相手に勝ち残ると予想しますが、どうなるか。このところいい試合が続いていますが、まだまだ盤石とはいいがたいし、マルセロはともかくイスコを放出するのはいいとして、どういう選手を獲れるのかにもよるのかな、と。

コロナ禍で世界的に財政難のクラブばかりであまり移籍市場も活発化しない気もするし、世界はいったいどうなってしまうのでしょうか。






  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年12月14日

第8話で怒涛の転回を見せた『35歳の少女』は特に波乱のない第9話を経て最終回に至りましたが、がっかり拍子抜けというか、あまりに平凡な結末が残念極まりなかったというのが正直なところです。


前回までの記事
感想①主役は柴咲コウではなく鈴木保奈美なのか
感想②本音と建て前をめぐるドラマ


夢は素晴らしいというイデオロギー
35sainoshoujo2

一番いやだったのは、登場人物がみな自分の夢に向かうところですね。

柴咲コウはアナウンサーへの道が開ける。
橋本愛はグラフィックデザイナーの登竜門で優秀賞を受賞する。
田中哲司は若い頃からの夢だった一級建築士を目指す。
彼の息子は父親の前職ハウスメーカーへの就職を希望する。

柴咲コウがアナウンサーになれたのはたまたま披露宴で司会役を仰せつかったからで、単なる偶然です。橋本愛が受賞できたのは実力なんでしょうが、そんな実力をもっていたのになぜいままで営業職だったのでしょうか。
田中哲司が建築士の夢をもっていたなんて視聴者は最終回で初めて知るし、いきなりそんなこと言われても、と戸惑いました。

3年ほど前に『はじめてのボーイ・ミーツ・ガール』という映画がありました。「夢をもつことは素晴らしい」と無条件に信じている不快な映画でした。

そこに何の葛藤もないからです。

柴咲コウは唯一自分が夢に向かっていいのだろうかと葛藤しますが、坂口健太郎の甘い言葉に乗せられて北海道に行くことを決意する。葛藤はあってないに等しい。

しかもそこで母親の幻影と再会してもね。


都合よく退場した鈴木保奈美
suzukihonami

この母親が一番主人公のことを心配し、尽くしてきたのだから、幻影なんかではなく、現実で再会すべきではなかったでしょうか。

遊川和彦さんが前回、鈴木保奈美が死ぬ展開にした気持ちはよくわかります。

鈴木保奈美が生きていると、田中哲司は富田靖子の親子と気持ちよく再起することにはならなかっただろうし、橋本愛がデザイナーを目指すといっても「元カレの誘いを断るなんてやめなさい」と諭したでしょう。柴咲コウの北海道行きには反対しなかったかもですが、鈴木保奈美がいると何かと邪魔になるのは確か。だから死ぬことにした。

私もずっと以前に書いた脚本で、「この人物がいると何かと展開の邪魔なんだよな」と思ったとき、殺される展開にしました。するとあるプロの脚本家からえらく叱られました。

「君は自分がこうしたいという展開のためにこの人物が殺されて物語の舞台から都合よく退場するようにしている。こういうのをご都合主義という」

鈴木保奈美が死ぬのは完全にご都合主義だと思います。死なず、何かと邪魔だけれど、そこを乗り越えて、やはり「家族四人ですき焼きを食べる場面」を見たかった。

この『35歳の少女』は何より「すき焼き」がキーワードでしょう? それがいつの間にか忘れられ、「夢」というキーワードにすり替えられてしまいました。


ニートや引きこもりはダメな存在なのか
35sainoshoujo

どうしようもない引きこもり青年だった彼も、父親と同じハウスメーカーになると言います。その意気やよし。でも釈然としません。

昨年のちょうどいまごろ、生田斗真主演の『俺の話は長い』というドラマがありました。生田斗真はニートで、最終回でスーツを着て面接に行く彼の姿がハッピーエンドのように描かれていました。

働かないニートより、普通に働く人間のほうがよっぽど偉いし、そうあるべき。

というのは、あくまで「社会通念上」そうなだけで、「本当にそうだろうか?」と疑問を投げかけるのがフィクションの役目だと思うんですが、『俺の話は長い』も『35歳の少女』も社会通念に負けてしまっています。そんなありふれた価値観をぶち壊す独自の哲学を打ち出してほしかった。

哲学といえば、かつて長谷川和彦監督に自作脚本を読んでもらったとき、こんなことを言われました。

「君はシナリオとは物語だと思ってるんだろうが違うんだ。物語と哲学なんだよ」

『35歳の少女』第8話は、オリジナルな哲学にあふれてましたよね。それが最終回では世間的な価値観の前にひざまずいてしまった。

「私たちは英雄なんかじゃない。普通の人間だ。でも、人を愛することはできる。幸せを願うことはできる」
「もしかしたら、私たちはみんな、いつか胸を張ってこう言えるのを願いながら生きているのかもしれない。これがあたしだ」


みたいなナレーションで幕を閉じますが、この作品は結局「自分探しの物語」だったのでしょうか?

違いますよね。「時間」というモチーフはどこへ行ってしまったのでしょうか。

25年の眠りから目覚めた10歳の少女が、1年間いろんな経験を経たうえで達した人生哲学が上記のナレーションなんですかね? 

鈴木保奈美が生きていたらおそらくそんな呑気なことは言ってられなかったでしょう。

だからこそ、彼女は死ぬべきではなかった。


関連記事
『はじまりのボーイ・ミーツ・ガール』感想(「夢は素晴らしい」というイデオロギー) 


モモ (岩波少年文庫)
大島 かおり
岩波書店
2017-07-20




  • このエントリーをはてなブックマークに追加