2015年07月13日

『ターミネーター2』(1991、アメリカ)
脚本:ジェームズ・キャメロン&ウィリアム・ウィッシャー
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング


img_00

前回の記事
『ターミネーター』第1作(アクション映画の古典!)

今日は『ターミネーター2』の感想です。
あのつまらなかった『3』と『4』を「なかったこと」にして新作を作るという発想は本当に素晴らしいですね。『ターミネーター』の権利は2019年にキャメロンのもとに戻るらしく、今回もキャメロンはかなり監督たちにいろんなアドバイスしたという話ですが、おそらく『アバター』(あのシリーズには興味なしですが)の製作が終わったら『ターミネーター』の自身30年ぶりぐらいの新作を手掛けるつもりなのでしょうね。楽しみ楽しみ!

さて、今回、かなり久しぶりに見直した『2』ですが、いままで見たなかで一番面白かったですね。最初劇場で見たときはどうしても画期的な傑作だった『1』と比較してしまってがっかりしたんですが、見直すたびに面白くなる。なぜかはわかりません。

『1』は、最初、シュワルツェネッガーとマイケル・ビーンがほぼ同時に現代にタイムスリップしてきて、シュワが悪役なのはすぐわかりますが、「サラ・コナー」という名前の女性を次々に殺害していく理由がわからず、いったいこれはどういうことなのか、主人公サラ・コナーにいったいどんな秘密が隠されているのか、というサスペンスで引っ張ります。

で、この『2』では、シュワルツェネッガーとロバート・パトリックが『1』同様ほぼ同時に現代にタイムスリップ。二人ともサラの息子ジョンを探しているのは物語上明白なのですが、今度はどういうサスペンスで引っ張るかというと、シュワとパトリックのどちらが敵でどちらが味方なのか、ですね。まさか1作目と同じようにシュワが悪役ではないだろう、一躍スターダムにのし上がった彼をまた悪役で起用するとは考えにくい。しかし、裏の裏をかいてまたシュワが悪者なのでは? と思わせておいてやっぱりパトリックが悪役。うまい。

そして、シュワといえば、エドワード・ファーロングとのやりとりで笑わせてくれますが、これって『ツインズ』や『キンダガートン・コップ』などのコミカル路線があったから思いついたキャラクター描写なんですかね?

個人的にはそうなんだろうと思います。だってキャメロンのこの次の作品は同じシュワを使ったナンセンスなギャグ満載の『トゥルー・ライズ』ですから! 

一方、この映画では何と言っても「光」の捉え方が秀逸だと思います。

基本的に外光、つまり太陽光は青白い光=寒色として捉えられています。そして、それとは対照的に、火を噴く銃口や火炎や砂漠の砂埃や溶鉱炉など暖色を効果的に使っています。

『マッドマックス 怒りのデスロード』で、寒色と暖色がそれぞれまったく別個のシーンのテーマとして撮られていたのとは好対照で、『ターミネーター2』では寒色と暖色が同一ショットで同時に捉えられ、彩り豊かなハーモニーを奏でています。

ところで、このシリーズではタイムスリップが根底にありますからどうしてもタイムパラドックスが生じます。

スカイネットの開発者は『1』のT-800の残骸を入手して開発を進めていました。

てことは…?

『ドラえもん』で、連載マンガの続きを思いつかなくなった漫画家の代わりにドラえもんが未来に行って続きのマンガを入手してそのとおりに描き「いったいこのマンガの本当の作者は誰なの?」なんてオチの話がありましたが、この映画もそれと同じ構造ですね。スカイネット、そしてターミネーターの真の開発者は誰なのか。

もしかしたら新作の『新起動(ジェネシス)』でそれが明らかになっているのかもしれません。今回はまだそこまで踏み込まず、次回、キャメロンが答えを出してくれるのかもしれません。わかりません。

でも、いままで「スカイネットの真の開発者は誰なのか?」という疑問を語るファンって私は知りませんから(私自身、今回の鑑賞で初めて気づきました)もしかしたら最後まで答えは出ないのかも。タイムパラドックスを強引に解決してしまうとよけい矛盾が出てしまいますし。

それはそうと、この映画の最初の鑑賞から今回までずーっとわからないことがあります。

あの液体金属のターミネーター(T-1000でしたっけ?)は最後なぜやっつけられるんですか? それまでいくらショットガンで撃っても元に戻ってたのに、何ゆえに最後だけ再生せずに溶鉱炉の中に落ちていってしまったのか。

どなたかわかる方、ご教示ください。


続きの記事
この世界観に異議あり! 『ターミネーター:ニュー・フェイト』感想①
見せ方にも疑問 『ターミネーター:ニュー・フェイト』感想②









  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年07月12日

『ターミネーター』(1984、アメリカ)
脚本:ジェームズ・キャメロン&ゲイル・アン・ハード
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:リンダ・ハミルトン、マイケル・ビーン、アーノルド・シュワルツェネッガー


terminator

もはや「SFアクション映画の古典」といっても過言ではない『ターミネーター』第1作。

アクション・シークエンスがいま見ても斬新。30年以上たっても少しも古びてない。この2年前に製作された『ブレードランナー』にかなり似ている場面もあれば、ラストのしつこさはこの13年後の『ブレーキダウン』(もう誰もこのカート・ラッセル主演映画を語る人はいなくなってしまいましたが)にしっかりと受け継がれているなぁ、と思ったり。

この映画の何が素晴らしいといって、やはり‟映画全体を支える「神話」の構造”ですよね。

ヒーローになるべき人間がいて、彼女を抹殺しようとするターミネーターと、彼女を助けようとする援護者がいて。

この映画のリンダ・ハミルトンはヒーロー(というかヒロイン)になるにはまだまだ「恐れの門」に入りかけというか、援護者たるマイケル・ビーンが死んだとき初めてヒーローになるべく自ら悪漢を倒そうとします。そして見事そのミッションを成功させ、ヒーローとして次世代のヒーローを生むべく暗雲の漂う未来へ向かって車を走らせていく。

この映画はテレビの洋画劇場で初めて見たんですが、当時、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にはまっていた友人が、『ターミネーター』にはタイムパラドックスの面白さがないからつまらない! と言ってさんざんけなしていました。

でも、この映画はそういう映画じゃないですよね? あくまでもヒーローになるべき人間を助けるために、そのヒーローの父親が自己犠牲をし、その姿に主人公が触発されて完全無敵の悪役を倒すというところに最大の面白さがあるわけですから。


4988142490728_aplus_02

それにしてもリンダ・ハミルトンもマイケル・ビーンも、もちろんシュワルツェネッガーも若い! はたして新作『新起動/ジェネシス』には登場するのでしょうか?

これから『2』を見ます。

続きの記事
『ターミネーター2』(ラストがいまだにわからない!)
この世界観に異議あり! 『ターミネーター:ニュー・フェイト』感想①
見せ方にも疑問 『ターミネーター:ニュー・フェイト』感想②


『ターミネーター』解剖
ショーン フレンチ
扶桑社
2003-07-01







  • このエントリーをはてなブックマークに追加