聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

昭和歌謡

仕事のミスを帳消しにする歌

以前働いていた職場では、ある歌を歌うと仕事のミスが帳消しになりました。

それが、これ。細川たかし『心のこり』。




わたし馬鹿よね お馬鹿さんよね

という有名なフレーズで始まるこの歌は、ミスをして「おまえ、またやったのか」みたいな雰囲気のときに歌うと効果抜群です。しかしながら、もともと愛されてないと無理でしょうかね。これははっきり言って自慢ですが、その職場で私は愛されていました。だからこの歌を歌うと許してもらえたんですね。

というか、普通の職場では「職場で歌なんかご法度」らしいですね。歌ったらみんなが楽しくなるのに。

働き方改革はそういうところから手を付けるべきではないでしょうか。

あ、それから、この歌のタイトル『心のこり』ですが、もちろんこれは「心残り」と解釈するのが正しいのでしょうけど、職場でのミスということ考えて歌うときは「心の凝り」と捉えたほうがいいんじゃないかと。

心が凝っているからミスが生じる。その凝りをほぐすために歌を歌う。いかがでしょうか。


小柳ルミ子『お久しぶりね』



いまやサッカー解説者と化してしまった小柳ルミ子。何しろ年間2000試合も見るというんですからね。オフの日は日がな一日見てるとか。睡眠時間を削って見てるとか。アホか。いくら私でも睡眠時間を削って映画を見たりしない。とはいえ、そこまで熱狂できるものがあるのは逆にうらやましい気もする。

さて、そんな小柳ルミ子が歌手であることを知らない若い世代も増えていることでしょう。

ということで、この代表作を。『お久しぶりね』

いい歌というより、なんか「不思議な歌」なんです。





作詞・作曲:杉本真人

お久しぶりね あなたに会うなんて
あれから何年たったのかしら
少しは私も大人になったでしょう
あなたはいい人できたでしょうね

お茶だけのつもりが
時のたつのも忘れさせ
別れづらくなりそうで
何だかこわい

それじゃあさよなら元気でと
冷たく背中を向けたけど
いまでもほんとは好きなのと
つぶやいてみる

もう一度 もう一度
生まれ変わって
もう一度 もう一度
巡り会いたいね

お久しぶりね こんな真夜中に
あなたから電話をくれるなんて
おかしいくらい真面目な声で
私に迫るから眠気もさめた

もしもいまでも一人なら
映画みたいな恋をして
愛を育ててみたいねと
笑ってみせる

それじゃあさよならこれきりと
冷たく受話器を置いたけど
涙が知らずに溢れ出す
どうかしてるね

もう一度 もう一度
生まれ変わって
もう一度 もう一度
巡り会いたいね

もう一度 もう一度
生まれ変わって
もう一度 もう一度
巡り会いたいね


不思議じゃないですか? いまでも好きな人と再会したにもかかわらず素直になれずにまたも別れる羽目になる。という切ない内容の歌なのに、曲調がめちゃノリノリですよね。

ふつうこういう曲ならもっと気分が高揚するような歌詞を作るはずだし、逆にこういう歌詞にするならもっとしっとりした曲にしますよね。不可解。

でも、こういう不可解さがこの歌の魅力だし「切ないけどなぜか気分が高揚する、高揚するけどやっぱり切ない」というドラマを書きたい。と改めて思った次第。「面白うて、やがて悲しき……」というやつでしょうか。


KoyanagiRumiko

あんまりサッカーばかり見すぎないようにね。


中島みゆき最高傑作『南三条』

中島みゆきといえば、みなさんは何がお好きですか?

『時代』? 『地上の星』? 『ファイト』? 『慟哭』?(←最初に歌ったのは工藤静香ですが作詞・作曲は中島みゆきです)

もちろん私もそういうのは好きですが、一曲だけとなると、『南三条』ということになります。

『南三条』? 聞いたことないな。

という反応がいつも返ってきますが、これは大変な名曲なのです。とにかく歌詞がいい。

お聴きください。(といっても本人が歌っているのがなくてカバーですけど。でもとてもうまい)





地下鉄の海へ流れ込む人の流れに身をまかせ
今日も流れゆく 流れゆく心のぬけがら
互いに誰もがまるで人のいない砂漠をゆくように
うまくすりぬけてすりぬけて触れあわず流れゆく

突然袖引かれ見れば
息をきらしてる笑顔
何てなつかしい、と汗かいて
忘れたい忘れないあの日の女(ひと)
南三条泣きながら走った
胸の中であの雨はやまない
南三条よみがえる夏の日
あの街並はあとかたもないのに
流れてゆく人の流れ何ひとつも知らなくて
ただ二人は親しそうに見えるだろう

会いたかったわ会いたかったわと無邪気はあの日のまま
会いたくなんかなかったわ私は急ぐふり
どこまでゆくのと背中で眠る赤子を揺りあげながら
私ふけたでしょうあなたより年上みたいねと

何も気づいてないのね
いまもあの日と同じね
もしもあなたなんか来なければ
いまもまだ 私たち続いたのに
南三条泣きながら走った
胸の中であの雨はやまない
南三条よみがえる夏の日
あの街並はあとかたもないのに
ほんとは違うわかっているの私と切れて後のことだと
でも憎まずにはいられなかったの

この人なのよと呼び寄せた男に心当たりはなく
そんなはずはないあの人と幸せになったはず
戸惑う私に気づいて教える屈託のない声で
あなたの知ってるあの人とは間もなく切れたわと

そんなこと知らなかった
彼といると思ってた
ずっと憎んできた無駄な日々返してと
何を責めればいいの
南三条泣きながら走った
胸の中であの雨はやまない
南三条よみがえる夏の日
あの街並はあとかたもないのに
許せないのは許せなかったのは
あの日あいつを惚れさせるさえできなかった自分のことだった

ギャラリー
  • ETV特集『キャメラマンMIYAGAWAの奇跡』を見て痛感した「遊び心」の重要性
  • 『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(禍々しさと可笑しさと)
  • 『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(禍々しさと可笑しさと)
  • 許せない映画⑤『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
  • 許せない映画⑤『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
  • 黒澤明『天国と地獄』の疑問点
最新コメント
お問い合わせ
お問い合わせは、こちらまでお願いします。
LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード