バラエティー

2019年06月02日

今日のワイドナショーで「禁欲ボックス」なるものが紹介されていて、やたら興味をもちました。


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何でも、お菓子やお酒、スマホや現金など、しばらく我慢したいときに入れておく箱だとか。最短1分から10日間までの幅広い時間設定をすることができ、設定した時間が来るまで絶対開かないとか。壊せば開けられることは開けられるけれども、スマホだと壊れる可能性があるし、何よりこの禁欲ボックスは価格が1万円もするとかで、せっかく大金出して買ったものを壊すことにためらいをもってしまい、禁欲完遂! ということが多くて大好評とか。

古市憲寿は大好物のチョコレートを入れて使っているそうです。放送中にスタッフに用意されたチョコレートを無意識に3個も食べていて、あそこまで好きならこういう箱を使ったほうがいいのかも。いくらチョコレートは健康にいいといっても、食べすぎはね。

調べてみると、この禁欲ボックス、商品名は「タイムロッキングコンテナ」というらしく、アマゾンで検索してみると、ほんとに1万円を超える価格設定で、ある芸人が紹介したところ、2,3か月で売れる量がたった3日で売れてしまったとかで、現在、常に品薄の状況だそうです。


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昔、ホテルの客室清掃をやっていたときのことですが、そのホテルには「ファスティング」というサービスがありまして、ファスティングとはfasting、つまり断食のこと。朝食を意味するbreakfastがfastをbreakする、つまり夜中の半日近い断食を破ること、というのは結構知られてますよね。

話を戻すと、ファスティングというサービスは、ダイエットしたい人や断食して健康になりたい人のために「お客さんを軟禁するサービス」なんです。一週間ぐらい自分から軟禁してくださいと大金を出して泊まりに来るんですよ。いくらかは知りませんが、スイートルームに置いてあるアメニティと同じもの、例えばロクシタンのスキンケア用品とかを常に用意せねばならないので結構な額だと思います。

ただ、我々清掃会社の人間はいつも言っていました。

「自分から軟禁してもらわないと断食できないんじゃ、ファスティングが終わって自分ちに帰ったらリバウンドで大変だろう」

「そもそも、軟禁といっても部屋から出ようと思えば出られるわけだから近くのコンビニで食べ物を買うことはできる。意味ないのでは?」

まぁ一番でかい声で言っていたのは私ですがね。だから当時の私がタイムロッキングコンテナの存在を知ったら「こんなものを大枚はたいて買う奴はバカ」とせせら笑っていたかもしれません。


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でもいまは違います。古市ほどじゃないけどお菓子が好きでね、買い置きというのができないんですよ。おかげでちょっと前の健康診断でまた肝臓の数値が悪く、軽い脂肪肝に戻ってしまったようです。昔は実家暮らしであんまりたくさん食べると文句言われてましたが、いまは一人だから食べようと思えばいくらでも食べてしまう。自分の欲望から逃げたくても逃げられない。

だから最近は脂肪をたくさん含んだお菓子は買わないようにしています。買ったらその日のうちに全部食べちゃうから。せんべいみたいな脂肪のほとんどないものでも食べすぎはよくないでしょ。だから、あまりおいしくないせんべいを買い置きしておくんですよ。それならいっぺんに全部食べずにすむから。でもやっぱりたまにはおいしいものを食べたくて買っちゃうんですよね。

そういうときに、、、

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こういう感じで12時間とか24時間後まで開かないと設定すると万事OK!

現金も入れておけばファスティングの客みたいに外へ買いに行くこともできない。突発的に金が必要になったら困りますが。

スマホみたいに自分のものが1個しかなく、他のもので代替できないもののほうが効果は高いのでしょう。受験生なんかはこういうのがあったほうがいいでしょうね。勉強させたい親は1万円でちゃんと勉強してくれるのなら安いもの、と買ってあげるでしょう。私は少しもスマホ中毒じゃないから必要なし。必要なのはやっぱりお菓子ですね。

ただ、貧乏な私の場合、1万円というのはかなり高価。壊せない価格設定というのはわかるけど、初期投資として1万は高すぎる。

というわけで、私はやっぱり買わず(買えず)「できるだけお菓子を買わない」というアナログな対処法しか無理なようですが、欲望が肥大しすぎた現代人に「禁欲ボックス」が必要であることは間違いないし、爆発的に売れているのも大納得です。






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2019年03月18日

コカイン使用と所持の疑いで逮捕されたピエール瀧について、昨日の『ワイドナショー』で松本人志が言っていた「ドーピング」について考えてみました。


松本の語る「ドーピング」
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こんなことを言ってましたね。

「作品に罪はないという人が多いけど、僕は罪がある場合もあると思う。もし瀧さんがコカインをやっていたおかげでああいうすごい演技やいい楽曲を作れていたとしたらドーピングじゃないですか」

なるほど、スポーツ選手がいい成績を出すために筋肉増強剤や興奮剤を打つのと同じだと。

私は「ピエール瀧の行為がドーピング」という主張に反対はしません。しかし、その前に「ドーピングとは何か」を考えてみましょう。


ラウール・ゴンサレスの「ドーピング」
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レアル・マドリードの元主将で「スペインの至宝」と謳われたラウール・ゴンサレスは、一時期「低酸素の部屋で寝ている」と話題になりました。

低酸素の部屋で寝ると、少しでも体の隅々まで酸素を行き渡らせるために赤血球の数が増加するそうです。そのおかげでバテにくくなるとか。

「それはドーピングではないか!?」という声も上がったそうですが、結局うやむやに終わり、ラウールがお咎めを受けることはありませんでした。つまりルール違反とは言われなかった。

ルール違反ではなかったけれど、私はラウールの行為は「ドーピング」だと思います。

なぜなら、プレーの質と量を向上させるためという目的を達成するために、自分の体を手段にしているからです。


カントの「定言命法」
カント哲学に定言命法というものがあります。

「汝の人格および他のあらゆる人の人格のうちにある人間性を、いつも同時に目的として扱い、決して単に手段としてのみ扱わないように注意せよ」

簡略化して「自己と他者を手段としてのみならず、同時に目的として扱え」と書いてある本もあります。

「ドーピング」というのは、だから、自分の体を手段としてのみ扱う行為だからダメだと思うんです。決して「それがルールだから」ではなく。コカインが合法の国があり、日本でもかつては覚醒剤を合法的に売買していたのだし、時代や国によってルールは変わります。殺人みたいにいつどこの国でも違法なのとはまったく違う。


もうひとつの「ドーピング」
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ピエール瀧の「ストレス解消のため」という理由(目的)のためにコカインを使用した、それが本当であれ嘘であれ(つまり松本の言うように「いい演技をするため」であれ)自分の体をそのための手段として痛めつけているのだから「ドーピング」と言って差し支えないと思います。

ここからが本題ですが、私が言いたいのは、「作品に罪がある場合もある」と、映画の公開自粛やDVDの販売中止もやむなし、ピエール瀧の作品はすべてこの世から駆逐されて当然、みたいな言説も同じように「ドーピング」だということです。

映画やドラマ製作に携わっている人たちは誰も自分たちの作品をお蔵入りになどしたくないでしょう。しかし、いみじくも松本自身が言ってましたよね。

「スポンサーにクレームを言う人がいて、それでスポンサーが逃げるんでしょうね」

スポンサーやその周辺の偉い人たちはピエール瀧を「手段」としてしか扱っていません。自分たちが非難を受けないようにピエール瀧にすべてをなすりつけて葬り去ろうとしている。

職場でこんな言葉を聞きました。

「この人、『陸王』で悪役やってたじゃないですか。ほんとに悪かったんだぁ」

薬物に手を出すのは「悪い」からじゃなくて「弱い」からですよね? 私も弱い人間だけど金がないからコカインなど買えません。でももし金があったらピエール瀧のようになっているかもしれない。その可能性は充分にあります。誰しもそういう可能性はある。

だから、少しは薬物に手を出す人間の弱さを慮ってもいいのではないか。ピエール瀧を「目的」として扱う、というのはそういうことでしょう。

でも、誰も彼もが「ピエール瀧は悪人として処分されるべき」としか言わない。みんな彼を「手段」としてのみ扱っている。そしてあろうことか、映画やドラマ、楽曲などの作品すべてを「手段」としてのみ扱っている。もし「目的」として扱うなら、簡単に葬り去るなどできるはずがありません。作品に対する「愛情」がない。

坂本龍一が言うように「音楽に罪はない」し、映画やテレビドラマにだって罪はない。

ピエール瀧の行為が「ドーピング」なら、彼を糾弾し、彼の作品すべてをこの世から抹殺しようとしている人たちもまた「ドーピング」に手を出していると私は思います。




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2018年12月14日

私ははっきり言って上沼恵美子という人が好きではありません。むしろ嫌いと言ってもいい。

M-1

でも、今回のM-1グランプリの直後にとろサーモン久保田とスーパーマラドーナ武智の二人が「酔ってるのを理由に言いますが」と前置きしたうえで、

「おまえ」
「おばはん」
「クソ」
「更年期障害」

とNGワードを4つも出してしまったと聞き、動画も見ましたが、あちゃー、言ってはいけないことを言ってしまったな、と。

世間の反応も同じようなものだろうと高をくくっていたら、あろうことか、久保田と武智を擁護するばかりか上沼を批判する人も現れたりで、こりゃ黙っちゃいられないと筆を執りました。


酒を言い訳にするな
私はM-1そのものを見ていないので伝聞情報になりますが、上沼の採点はかなり偏ったものだったらしい。だから「人の人生がかかってんだよ」「1点で人生変わるんだよ」という二人の言い分は痛いほどわかる。でもね、それを「酔ってるのを理由に言いますが」などと前置きしてから言うのでは完全にアウトです。

もし彼らがしらふで面と向かって「ちゃんと採点しろ!」と言ったのなら別にいいと思う。その後、彼らがどうなるかはわからないけど、そこまで捨て身の作戦に出たのなら私は彼らを擁護していたでしょう。

しかし、酔っているからと好き放題言ってそれをネットに上げるというのは愚の骨頂。最も卑劣なやり方じゃないですか。

酒の上の席なんだから許してあげたら、という意見も目にしましたが、ダメでしょう。専門学校時代のT先生のことが思い出されます。


小津安二郎と溝口健二
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T先生は大映の人で、溝口の『雨月物語』などに助監督として付いたことがあり、監督として一本立ちもしました。しかし、溝口をはじめ大映の巨匠たちが列席した酒の席で(なぜか松竹の小津もいたとか)酔っぱらった挙げ句、あろうことか、料亭の縁側から放尿してしまったそうです。

T先生はそれから劇場映画を撮る機会を完全に失ったそうです。小津や溝口の顔に放尿したんじゃないですよ。縁側から外に向けてやっただけ。それでも一生干された。
「君らも酒の席では充分注意するんだぞ」と言うT先生の顔は紅潮していて「あれさえなければ……」という無念さが滲み出ていました。

だから、上沼に向かって「おまえ」だの「おばはん」だのと言ってしまった二人は干されて当然だと思います。


女だから?
今回の件であまり語られていないように思うのは、

上沼恵美子が女だからあれだけ威勢のいいことが言えたんじゃないの?

ということです。はたしてダウンタウン松本やオール巨人が偏った採点をしていたとして、彼らは同じように「おまえ」「クソ」などと言えたのでしょうか?

ちょうどいま問題になっている、医学部の採点で女子受験生だけ一律減点してたというのと通底していると思う。差別以外の何物でもない。#MeToo運動元年の最後にふさわしい事件のようにも思えます。


2回売れてこそ本物
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上沼を審査員に招聘した松本人志が去年『ワイドナショー』でこんなことを言っていました。ベッキーがゲストのときだったはずですが、

「俺は昔、大阪の芸人は2回売れなアカンから損やって愚痴いうてたやん? 大阪で売れてさらに東京でも売れんとアカン。でも最近はすべての芸能人が2回売れなアカンのちゃうかって思うんですよ。ベッキーのように1回売れたけどスキャンダルで干される。でもこうやってセカンドチャンスをもらってテレビに出てる。これから2回目のブレイクを目指せばええんちゃう?」

久保田と武智の二人にも同じことが言えると思います。いまは謹慎みたいな感じで干されるのも致し方ない。でもセカンドチャンスを与えないというのはいかがなものかと思う。T先生のような人をもう出してほしくありません。

与えられたセカンドチャンスをものにできるかどうか、それは彼ら次第。






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