聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

単発ドラマ

2018テレビドラマベスト5!

いつもは映画のベストテンしか選ばないんですけど、珍しくテレビドラマのベストでも選んでみようかと思い。ただの気まぐれ。

といっても、私の場合、見始めるのは結構な数なんですが、この先面白くなりそうにないと直感で思ったら容赦なく途中で見るのやめるので、最後まで見たのはほんのわずか。単発ドラマもそれほど見ないので10本にはどうしても到達しないのでベスト5ということに。

では、その5本は以下の通り。(放送当時に感想を書いたものにはリンクを貼っています)


①弟の夫
dele/ディーリー
③フェイクニュース
④リーガルV ~元弁護士・小鳥遊翔子~
義母と娘のブルース



1本ずつコメントすると……

①弟の夫(脚本:戸田幸宏)
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今年はもうこれですよね。連ドラ(といっても3話しかないけど)をほとんど間をおかずに2回も見たなんて『王様のレストラン』以来かも。
弟とその夫を毛嫌いしていた佐藤隆太が変化する様子を丹念に描いて素晴らしい。しかしいくら変化して弟のことを理解できても、もう彼はこの世にいない。
「俺には弟がいた。リョウジが大好きだった」というモノローグが哀しく響く。


②dele/ディーリー(脚本:本多孝好、渡辺雄介、青島武、瀧本智行、金城一紀、徳永富彦)
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これも素晴らしかった。山田孝之の素晴らしさはもちろんのこと、菅田将暉がいいと思ったのは出世作『35歳の高校生』以来かも。
どの回が一番好きか、と訊かれたら……うーん、全部好きと答えたいけど、あえて高橋源一郎&余貴美子の3話と橋本愛&柴咲コウの5話かな。
どっしりした山田とちゃらんぽらんの菅田。いいコンビでした。


③フェイクニュース(脚本:野木亜紀子)
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『獣になれない私たち』にはついていけなくて2話でリタイアしましたが、これはキタって感じでしたね。フェイクニュースを追及していた主人公自身がフェイクニュースに踊らされていたというどんでん返しはかなり意外というか、見た人はみんな足元をすくわれたのでは? だからフェイクニュースは怖い。
「人間の目には自分の見たいものしか見えない」というアリストテレスの言葉が思い出されます。


④『リーガルV ~元弁護士・小鳥遊翔子~』(脚本:橋本裕志)
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これはちょっとシナリオに難ありかな、と思います。だって、結局、敵であったはずの向井理の裏切りによって勝つわけでしょ? 敵失で勝利というのは痛快ではあるけどつまらない。ではなぜここに挙げているかというと、なにより画像の6人が素晴らしいから。適材適所のキャスティング。役者で魅せる正攻法。
米倉涼子は『ドクターX』とどこが違うのかという批判もあるようですが、それを言ったら『35歳の高校生』も同じような芝居だった。別にいいんじゃないですか。ジョン・ウェインだってイーストウッドだってどの映画でも同じなんだし。そんなの批判の理由にならない。
ただ、私は米倉より林遣都こそ、この『リーガルV』の世界を根底から支えていた功労者だと信じていますが。


⑤義母と娘のブルース(脚本:森下佳子)
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リンク先の感想を見てもらえばわかりますが、私はこの作品を買っておりません。どうしても竹野内豊が死んでからがつまらないので。
ただ、彼が死ぬ5話までは破格の美しさでした。もし6話以降もあの味わいが続けば断トツのトップだったでしょう。
とにかく綾瀬はるかが素晴らしい。彼女でなければ出せない味でした。


というわけで、これが私の今年の5本。次点には中村アンの『ラブリラン』を。

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『30年目の真実・宮崎勤の肉声』には嘘がある!

昨日放送された『30年目の真実・宮崎勤の肉声』はなかなかの力作ドラマだと感じました。が、このドラマには嘘がある! と声を大にして言いたい。

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もし金子ノブアキ演じる刑事がいなかったら、宮崎勤は連続幼女誘拐殺害事件の犯人としては捕まらなかったんじゃないかと思えるほど、この刑事の勘が鋭かったようですが(というか、トランクから血が出てるのに車の色が違うからホシじゃないと決めつける同僚や係長のほうがどうかしてる気もしますが)とにかく、宮崎勤の肉声と、当時実際に放映された映像と、今回撮られた再現映像とを駆使してあの事件に迫るドラマとして見応えがありました。

が、やはり、このドラマには「嘘」があるんですよ。

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最終的に、
「宮崎勤は俺たちと同じただのちっぽけな人間だった」
そこに一番衝撃を受けた金子ノブアキ。そのラストシーンはなかなか見せるものでした。

だが、不満もあります。

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ダンカン演じる宮崎勤の父親。だいぶ息子とそりが合わなかったようで、あの部屋に入ろうとすると怒るから近寄らないようにしているとか、報道陣から部屋を見せてくださいと言われたときに、チラと息子の部屋のほうを見てから「いいですよ」と言うときの影のある顔など、もうちょっとこの父親と宮崎勤のことを突っ込んでくれてもよかったんじゃないかと。

ただ、私が本当に言いたいのはそういうことではなく、この人が事件から数年後に自殺したことを世間の人はほとんど知らない、ということなんです。
このドラマでもその事実にはまったく触れていませんでした。

というか、この父親の自殺ってテレビはおそらくほとんど報じていません。新聞でも社会面の片隅にひっそり書かれていただけ。少なくとも私の友人・知人は誰もあの父親が自殺したことを知りませんでした。

何かあったんじゃないか。宮崎勤の父親の自殺には公にできないある秘密がある。

と、自殺を報じた新聞記事をたまたま見たときからずっと思ってましたが、このドラマを見てその思いを強くしましたね。

このドラマには「嘘」があるから。

その嘘というは、「自供書の書かせ方」です。

ドラマでは、宮崎勤の供述を金子ノブアキの同僚がずっと書き留めていましたが、最後の最後で金子ノブアキが、
「おまえのやったこと全部ここに書け!」
と白紙を差し出します。そして、同僚刑事が、日付、場所などちゃんと書けよ、みたいな命令をしていました。あれは絶対におかしい。

以前、警察官を主人公にした脚本を書くためにいろいろ調べたんですが、自供書って警察官が書くんですよね。鉛筆で書いたものを何度も容疑者に読ませて間違いがないことを確認したうえでペンでなぞらせるそうです。だから白紙を渡して「やったことを書け」なんてありえない。

この『30年目の真実・宮崎勤の肉声』の冒頭、どれだけ人物の言動を忠実に再現しているか、まるで手柄のように提示されます。

なのに、自供書に書き方(書かせ方)ひとつにも嘘がある。

おそらく警察から自供書は本当は警察官が書いていることを知られたくないから現実どおりに表現しないでくれという要請があってああいう表現になったのでしょうが、そんなことすら隠す警察(とマスコミ)は、宮崎勤の父親の自殺についても何か隠しているんじゃないか、というのが私の見立てです。

宮崎勤事件が抱える闇はまだまだ大きいと断定せざるをえません。





『校閲ガール・河野悦子』の政治的正しさにノン!

『地味にスゴイ!DX 校閲ガール・河野悦子』
去年の連続シリーズのときからそうですが、石原さとみのありえないかわいさには全場面で卒倒を起こしそうでした。

お話は、突っ込みだしたらいくらでも突っ込めてしまう内容だからというわけではありませんが、何も言いません。別にそういうのを期待して見たわけじゃないし。

何を期待したかというと、


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そりゃもう、こういう笑顔を見たかったからでして。あはは。

いや、そんなことはどうでもよくて、今回のデラックスでも去年のシリーズのときも思った、このドラマの「政治的正しさ」を俎上に載せたいと思います。

それはこの人たちにまつわることです。


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右が校閲部に所属する人(名前忘れた)と、左が確か印刷会社勤務の人で、ドラマの中では、カップルなんですよね。そう、ゲイなのです。

で、これは連ドラだったときからそうなのですが、主人公コーエツも他の登場人物も、同性愛カップルということに対してものすごく理解があるというか、ごく普通のこととして受け容れているんですね。

これは、すごくいいことのようで、実は罪が深いと私は思います。

そりゃ、変に蔑視したり、変にいいことのように祭り上げたりするよりはずっといいかもしれない。

そういう意味では「政治的には正しい」。ポリティカリー・コレクトネスというやつですな。

でも、実際にLBGTというのはものすごい偏見で見られてるじゃないですか。その偏見を虚構の中でだけでも打ち破ろうという表現ならわかるんですが、現実にはありえない「理想郷」をただ平和的に描かれても、それって臭いものに蓋をしてるだけじゃないの? と。

現実と闘わない作者の怠慢を感じてしまうんです。




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