音楽

2020年01月31日

相川七瀬といえば私にとっては何といっても『SWEET EMOTION』にトドメを刺します。

間違いなくリンドバーグの『今すぐkiss me』と並んでカラオケで一番歌った歌でしょう。

なぁんてこと言ったら、私がまるでカラオケ大好き人間で独りカラオケなる遊びにも興じているみたいですけど、さにあらず! 私ほどカラオケという遊びが嫌いな人間もいないと思う。だって、せっかく仲のいい友だち同士で集まっているのに、みんな自分が次に何歌うかばっかりで人のうたなんか聴いちゃいない。そんな遊びの何が楽しいの?

話がそれましたが、なぜ私がこの『SWEET EMOTION』が好きかはよくわからない。たぶんノリがいいからとかその程度の理由でしょう。

もうこの歌から20年以上たってるんですね。隔世の感。

友人の結婚式の二次会で、50人ぐらいの聴衆の前で熱唱したのが一番の想い出かな。いや、想い出とは言えない。何せ私はべろんべろんに酔っぱらってて記憶がない。友人たちだけの一群だけ盛り上がってて、あとは白けまくってたという話を伝え聞いて、それでそのときの一コマの映像が記憶として捏造されているんだと思う。いや、でももしかしたらあれは現実の風景だったのか。うーん、フィリップ・K・ディック!

というわけで聴いていただきましょう。

作詞:相川七瀬&織田哲郎
作曲・編曲:織田哲郎

歌:相川七瀬



【歌詞】
裸足で踊ろう Volume上げて
ポップコーンほうばり 朝まで戯れるの
眠らない街は まばゆいダイヤモンド
あくびなんかする 生意気な君だけど
そのしぐさ いまにも hoo-hoo-hoo
試してる? Hey Hey Hey  SWEET EMOTION

灼熱の恋にグラス合わせ
今宵二人どこまでも行こう
情熱のままに口づけを
朝が来るまで求めてる

灼熱の恋に素肌合わせ
不埒な心 重ねてみよう
無邪気なやさしさで傷つけて
甘く切なく SWEET EMOTION

ソファーに揺れてる きわどいtenderness
交わす視線は ほんの少しノイズ混じり
出遅れないでね けっこう微妙よ
フライングすれすれ そこらへんがいいみたい
その指輪 はずして hoo-hoo-hoo
もう何も Hey Hey Hey  SWEET EMOTION

灼熱の夜を抱きしめて
赤裸々な心で交われば
奇跡も起こせる君のため
醒めない夢を今夜あげる

灼熱の夜を抱きしめて
よこしまなストーリー重ねてみよう
お望みのままいまこの心
甘く危険な SWEET EMOTION

SWEET EMOTION
SWEET EMOTION

灼熱の恋にグラス合わせ
今宵二人どこまでも行こう
情熱のままに口づけを
朝が来るまで求めてる

灼熱の恋にチューナー合わせ
ふしだらなビートに溺れてみよう
限界ギリギリで漂えば
目も眩むほどに SWEET EMOTION



いやぁ、何度聴いてもいい歌かどうかはわからないが、若い頃、まだまだ尻が青かった頃を思い出すなぁ。ははは。

実は私、家にカラオケマシーンをもっております。これまで隣人から苦情を言われたことが44回、管理会社から出ていってほしいと言われたことが9回あります。10回目には強制退去とも。。。

ウソです。(カラオケ嫌いって言ったでしょ)







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2019年10月19日

TSUTAYAでイルカのベストアルバムを激安値で買い、久しぶりに『なごり雪』を聴きました。

あまり歌詞の意味を考えたことがなかったんですけど、今回初めて考えながら聴いてみました。よくよく聴いてみると、これもいままで感想を書いた歌と同じで何だか妙です。




作詞・作曲:伊勢正三

汽車を待つ君の横で僕は
時計を気にしてる
季節はずれの雪が降ってる
「東京で見る雪はこれが最後ね」と
淋しそうに君はつぶやく
なごり雪も降る時を知り
ふざけすぎた季節のあとで
いま春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった

動き始めた汽車の窓に顔をつけて
君は何か言おうとしている
君のくちびるが「さようなら」と動くことが
こわくて下を向いてた
時が行けば幼い君も
大人になると気づかないまま
いま春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった

君が去ったホームに残り
落ちてはとける雪を見ていた
いま春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった


状況は?
場所は東京ですよね。男は東京に残り、女はどこか地方へ行く。おそらく二度と東京へは戻ってこない。ふざけすぎるほど愛し合っていた二人がやんごとなき理由で別れなければならない悲恋の歌に聞こえます。

しかし、「時が行けば幼い君も大人になると気づかないまま」というところでは、え、これってどういうこと? と思いますよね。これは親が地方に嫁に行く娘を見送る歌なのか。それとも、男と女はかなり年齢差があって、女が成人したころ別れがやってきたのか。

よくわかりません。

というか、そもそも、この歌にそのような「具体的な状況」を考えるのはあまり意味がないことじゃないかと思うんです。


映画『なごり雪』
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2002年に大林宣彦監督によって映画化されましたが、映画では歌詞がそのままセリフになっているところがあります。サビの「いま春が来て君はきれいになった」も「君のくちびるがさようならと動くことが~」なんかも。

で、映画は想いあっているのに別れ別れになった男女の物語にしているんですが、これが決定的につまらない。というか、この歌は映画にしてはいけない、もっといえば映画にできない歌だと思う。ちあきなおみの『喝采』のように。(参照記事⇒ちあきなおみ『喝采』(この歌詞の本当の意味は?)


いま春が来て君はきれいになった
サビの部分はメロディの美しさとイルカの歌声が相まって独特の叙情を醸し出し、歌詞の意味なんかどうでもよくなってしまいます。だから今日までこの歌の意味など考えなかったのでしょう。

でもよく考えてみると「いま春が来て君はきれいになった。去年よりずっときれいになった」って何か変ですよね。

だって、春なんだから3月とか4月でしょ。去年はほんの少し前ですよ。ほんとに「ずっときれいになった」んですか?

違うと思う。恋人同士の別れだろうと親子の別れだろうと、少女が実際に数か月で「ずっときれいになる」なんてありえない。

「きれいになった君と別れる」んじゃなくて「別れるからきれいに見える」のが本当でしょう。

失われた大切な人や物の想い出がずっと美しいままなのは万人同じはず。いろいろいやなこともあったけど、それらはさっぱり思い出せなくて、きれいな想い出だけが残っている。もう永遠に手が届かないからこそ美しさはますます増していく。この歌はそういう人間の不思議な心理を歌っているんだと思います。

別れの場面そのものを描いているのではなく、別れたあとの「心の中に残っているもの」が本題でしょう。だから「なごり雪=春になっても残っている雪」なんじゃないでしょうか。

「列車を待つ」とか「君が去ったホームに残り」とか、そういう具体的な状況の部分は「口実」だと思います。抽象的な言葉だけで心の中を描くだけでは聴く人の心に響かないから、口実としてそれらしい状況を描いているだけ。

いまのJ-POPはあまり聴きませんが、直截的な表現が多いですよね。もしいまの作り手が歌詞を書いたら心の中を表す抽象的な言葉が氾濫していたんじゃないか。でも、それは「詩」ではありませんね。



イルカベスト
杉並児童合唱団
NIPPON CROWN CO,.LTD.(CR)(M)
2008-01-16





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2019年06月13日

新しく作った「平成歌謡」カテゴリの一発目は、ザ・ブルーハーツの『青空』。



初めて知ったんですが、この動画はブルーハーツが初めてNHKに出演したときのもので、問い合わせが殺到したそうです。甲本ヒロトが狂ったように引き攣って歌っているのでヤク中なのか、はたまた、身体障碍者を揶揄しているのか、みたいなことを言う人がいたのでしょう。わからんではない。でも笑える。

そんなことより、やはり『青空』を語るうえで外せないのはそんな情報より、やはり歌詞ですね。


(歌詞・真島昌利)

ブラウン管の向こう側
かっこつけた騎兵隊が
インディアンを撃ち倒した
ピカピカに光った銃で
できれば僕の憂鬱を
撃ち倒してくれればよかったのに

神様にワイロを贈り
天国へのパスポートを
ねだるなんて本気なのか?
誠実さのかけらもなく
笑っている奴がいるよ
隠しているその手を見せてみろよ

生まれたところや皮膚や目の色で
いったいこの僕の何がわかるというのだろう

運転手さん そのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先ならどこでもいい
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問い詰める
まぶしいほど青い空の真下で



世間的には、「生まれたところや皮膚や目の色で」というフレーズが一番心に刺さるという声が多いようですが、私は「神様にワイロを贈り、天国へのパスポートを~」というところが一番引っ掛かります。


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ハワード・ホークスの最高傑作『赤い河』の主人公ジョン・ウェインは神様にワイロを贈るわけじゃないけど、意に沿わない者を次々に殺し、埋葬して聖書の一節を読めばすべて終わり。再び旅を続けます。子分のモンゴメリー・クリフトは「なぜ神様とグルになるんだ」とウェインを責めます。

この「神様とグルになる」と「神様にワイロを贈る」というのはほとんど同じ状況を謳っているように聞こえます。

奇しくもこの『青空』の冒頭は、アメリカ合衆国の西部開拓時代を揶揄しています。

『赤い河』はインディアンと対決する話じゃなく白人同士の物語ですが、神様という後ろ盾を利用して殺人を犯しているのは同じです。

この歌が発表されたのは1989年、つまり平成元年ですが、まだベルリンの壁が崩壊する前。昭和天皇崩御、天安門事件と立て続けに大事件があった頃です。

こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問い詰める

これは、200年前のインディアン虐殺の時代より少しはましになったかと思ったら少しも変わらないじゃないか、という歴史からの問い詰めという意味なんでしょうか?

答える言葉がなくて、バスの運転手に行き先はどこでもいいから乗っけてくれ、と。


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1999年のアメリカ映画『ゴーストワールド』のラストシーン。封切時に一回見たきりなので詳しい内容は忘れましたが、確か廃線になったはずのバスが来て主人公がそれに乗ってここではないどこかへ旅立つエンディングでした。

『青空』も同じく逃亡の歌なんですね。

昨日の『ホンマでっか⁉ TV』では、「日本人は『逃げる』ということをとても否定的に捉える。立ち向かうことを是とする人が世界でもダントツに多い」と言ってましたが、ブルーハーツはそれに異議を唱える。

逃げるのが何が悪い。こんな世の中なら逃げたほうがましでは?

ちょっと眉をしかめられる内容の歌をふざけた調子で歌うブルーハーツよ、永遠なれ!


青空
Ariola Japan Inc.
2014-04-01









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