ドキュメンタリー

2019年06月10日

おとといのETV特集『性犯罪をやめたい』を興味深く見ました。


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画像のような感じで、自分のやったことを白状してもらう趣向。司会の人(医者?)は、

「悪感情をもたないようにするのが目的ではなく、悪感情をもっても大丈夫でいられる自分を手に入れるのが目的です」

と言うんですが、これは考えてみれば当たり前。私たちのような性犯罪に手を染めたことがない者でも色っぽい女性やロシュの多い女性を見たら悪感情はもつのだから。


性犯罪は弱い者いじめ
覗きを常習的にやっている人が言います。覗きをした結果、どういう感情をもつかという質問に対し、

「達成感。勝ったという感じ」

なるほど。前々から「性犯罪は弱い者いじめ」と思っていた私は我が意を得たりという感じでした。

だって、腕力で劣る女性を組み伏せて強姦したり、声を上げられない女性が恥ずかしがる顔を見ながら触りまくるとか、弱い者いじめ以外の何ものでもない。


驚愕の痴漢理由
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ほとんどの人が最終的な目的として、「性的快楽」や「達成感」、はたまた「収集癖を満たせる(盗撮の常習者)」などを挙げるのに対し、ある男性の告白には仰天しました。

その人は、痴漢の常習者なんですが、きっかけは離婚というのにまず驚き、さらに、元妻と同じ肌を探す、と。女性なら誰でもいいとか、色っぽい人なら、触れそうなら誰でも、とかそういうのではなく、奥さんと同じような肌でないとダメらしい。さらにそういう肌を触って得られる結果としての感情は、

「安心感」

と言うんですね。これには仰天しました。

失った家庭の安らぎを追い求めて痴漢をしている男がこの世にいるんだということを初めて知りました。おそらくこの番組を見なかったら死ぬまで知らなかったことでしょう。性的快感を得るためでもなく、弱い者いじめでもない痴漢が存在するという事実。


笑ってしまった人間模様
犯行に及ぶ前に、自分自身にどういう言い訳をするか、という質問に対して、

「ばれなきゃいいだろう」
「淋しい」
「目の前に立つ女性が悪い」
「これを最後にしよう」

という声が上がります。最後の一人が全員の意見に対し、「淋しいのはわかります。でもそれ以外は全部歪んでるなぁ、と」と答えるんですが、お前も充分歪んでるだろう! と思わず突っ込んでしまいました。


ご先祖様へのうしろめたさ
この治療プログラムをまっとうすることで得られるいいことは何か。という質問に対し、

「墓参りのときにうしろめたさを感じなくて済む」

と答えた男性がいて、他の人が全員深くうなずいていました。みんなやってはいけないとわかっていながらやってしまうんですね。

というか、いま生きている肉親に合わせる顔がない、とか、また怒られる、とかでなく、もう死んでしまった親や祖父母に対するうしろめたさというのが興味深かった。

「宗教心のない人間などいない」というのが私の持論ですが、これまた我が意を得たり! という感じでした。

性犯罪と一口にいっても千差万別なのが興味深く、もっと幅広く見られるべき良質な番組と感じました。ただ、どうあがいても深夜でしか放送できない内容だと思うので、そのへんの配慮は必要でしょうけど。




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2019年06月05日

NHKスペシャルの『彼女は安楽死を選んだ』。本放送はまったく情報がなく、ツイッターで知り再放送リクエストをしたところ、ものすごく早くやってくれました。かなりのリクエストがあったようですね。

安楽死といえば、というか、自殺といえばいつも思い出すのが、長谷川和彦監督の言葉。

「生まれてくるのは選べないけど、死ぬのはてめえで選べるからな。俺はずっとそう思って生きている」

『太陽を盗んだ男』の主人公は、原爆を作って何がしたいのかわからいまま悶々とするんですが、最後に菅原文太刑事から「おまえが殺したがっているのはおまえ自身だ!」と言い当てられます。

「俺はずっとこいつが何をしたいのかぜんぜんわからなかったんだが、あ、こいつ死にたいんだ、とわかったとき、グッと自分に引き付けられた気がしたよ」

とも言ってましたっけ。


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ミナさんという多系統萎縮症という重い病気を患った方は、苦しみ続けるだけの生活に終止符を打つべく、姉二人に同行してもらって安楽死が合法化されているスイスへ死出の旅に出ます。

姉二人は本人の意思を尊重しようと考えています。でもミナさんには妹が一人いて、その妹さんはミナさんの決断を受け容れません。お姉さん二人にしても、連れて帰りたいけど、連れて帰ったところでまた自殺を図るんじゃないか、それならいっそここで死なせてやったほうが……という消極的な賛成でしかない。

そりゃそうですよね。いくら本人が「それでいい」と思っていても周りは簡単には受け容れられない。

私の祖父は19世紀委末から21世紀初頭まで3世紀をまたにかけた長寿をまっとうしましたが、晩年は寝たきりで褥瘡がひどかった。食べるために起きようとすると激痛でうめき、横になるときもうめく。こんなに苦しんだ状態で生きていて何の意味があるのだろう、楽にさせてあげたいと何度も思いました。本人も死にたかったんじゃないか。いや、それは私が一方的に思っていただけなのか。もう答えはわからない。

でも仮に祖父が自分から「安楽死してもらうためにスイスに行く」と言ったらどうだったか。はたして賛成できたか、どうか。

長谷川監督の「てめえの勝手」というのは間違いとは思わないけれど、周りの人のことを考えるとそこまで言えない気がする。

わからない。

はっきりしているのは、死ぬ瞬間のミナさんは、やっと死ねるという安堵の表情にも見えたけれど、なぜこんな末路をという無念の表情にも見えたということ。

安楽死は是か非か。
この番組は1回の再放送で終わらせず、何度も定期的に放送すべきと思います。




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2019年05月27日

MBSの映像’19『壊憲 ~この国の憲法は、どこへ~』をとても興味深く見ました。

安倍自民党が推し進める改憲運動を「壊憲」と断じる慶応大学名誉教授・小林節さんを主軸にしたドキュメンタリー。やはり「映像’19」は力のある番組が多いですね。


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憲法遵守義務は誰にある?
小林節さんは恥ずかしながら何となく名前を聞いたことがある程度でしたが、なかなか骨のある人だと思いました。もともと改憲派だったらしいですが、自民党の改憲草案を見て護憲派に鞍替え。転向のそしりを恐れない。

知らない人が多いですが、「自白に証拠にならない」ことは憲法に明記されています。なぜ刑事訴訟法とかでなく憲法なのか。それは憲法と法律が権力者と一般大衆のどちらに軸足を置いているかが違うからです。

憲法は何よりも権力者の暴走を防ぐのが目的で制定され、一般大衆を守るのがその役目。
対して、その憲法の枠組みの中で権力者が一般大衆を縛るのが個々の法律(何々の罪を犯したら刑務所に入らねばならないなど)。

なので「自白は証拠にならない」(現実の司法はそうなっていませんが)というのは、だから憲法に明記されていないとおかしいわけです。

小林節さんが護憲派に鞍替えしたのは、自民党の改憲草案が「国民に憲法遵守義務を謳っている」から。権力者の暴走を防ぐのが憲法なのだから本来は政治家や官僚に憲法遵守義務があるのに、国民にその義務を負わせる。それはおかしいだろう、と。


国民投票時はCM規制なし⁉
これも恥ずかしながら知らなかったんですが、選挙のときは規制があるCMが、国民投票ではまったく制限なしだそうです。

だから、改憲派が物量作戦でCMなどを投下するのは目に見えている。立憲民主党の枝野幹事長も危機感を抱いているらしく、昨日こんな記事がすでに出ているそうです。いま知りました。⇒枝野氏「CM規制優先を!」

番組では、例えばAKB48などの人気グループが「古い時代よ、さようなら。新しい時代の風が吹く」みたいな歌詞を歌えば改憲派に風が吹く。憲法とか改憲とか9条とかそんな言葉を出さなくとも自分たちに有利な風を吹かせることができることに危機感を滲ませていました。


アダルトビデオ製作者たちへの講習会
小林節さんがとても素晴らしいと思ったのは、アダルトビデオ製作者たちを招いて表現規制と闘おうという集会を開いていることですね。

「国民の自由を規制するには、まずエロ規制というのが一番やりやすい。エロ規制から始まって、いつの間にかすべてを規制されるんです」

確かに、エロ規制となると大っぴらに反対しにくい。そういうところから入ってくるだろうから先手を打ってAV製作者たちに講習会を開くというのは蒙を啓かれるというか、なるほど、本当に偉い学者というのはそういうところもちゃんとケアするんだなと感心しきりでした。

とにかく、改憲そのものは否定しませんが、やはり憲法遵守義務を国民に負わせる安倍自民党憲法草案には真っ向から反対せねば、と決意を新たにした次第です。





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