聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

テレビ

『アンナチュラル』(遺体に麻酔をする解剖医ドラマが見たい!)

解剖する際には遺体に麻酔注射を打つそうです。そうしないと痛みのあまり遺体が暴れ出すから。


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昨日始まった、『逃げ恥』『アイアムアヒーロー』の野木亜紀子さんの新作『アンナチュラル』を見始めて、「遺体に麻酔を打ってないなぁ」とガッカリしたのです。

以下は、解剖学者・養老孟司先生の話からの受け売りですが、
なぜ遺体が暴れ出すかというと、医者が死亡診断書を書いたからといって「その人はまだ死んでいない」からです。

心臓死、場合によっては脳死の時点で「この人は死んだ」と法律的には決められてしまいますが、実は死んではいないのです。死んでいるのなら暴れ出すはずがありません。

心臓が死んで血液を送られなくなっても、当の心臓だって組織として死んだだけであって心臓を構成している細胞がいっせいに死ぬわけではありません。体じゅうすべての細胞がそうです。少しずつ少しずつ死んでいくのです。だから解剖の際、生き残っている痛覚神経と筋細胞が連動して暴れ出すのです。

じゃあ、その人はいつ死んだと言えるのか。

それは人間には永久にわからないそうです。
死体を野ざらしにしておいて、野鳥がついばんだり、微生物が少しずつ分解していき、もう細胞なんか残ってないだろうという状態になったとしても「死んだ」とは言えないそうです。

心臓死などの概念は明治維新で欧米の法哲学が輸入されたときに日本に入ってきましたが、それ以前は「その人がいつ死んだかはわからない」のが常識だったとか。

だから、江戸時代の解剖学者・杉田玄白らが解剖するのを許されたのは処刑が言い渡された罪人だけだった。普通の死人だと死んでいるかどうかわからない。解剖した杉田玄白が殺したことになる可能性もある。それを避けるために死刑になった人だけ解剖を許された。どっちみち死ななければいけない人なのだから解剖してよろしいということだったそうです。

つまり、解剖を主題にするなら、「死」とは何ぞや、「命」とは何ぞや、というところに切り込んでほしいということです。このドラマでは、医師が死亡確認したときを「死」だと、まるで自明の理であるかのように扱っていますが、これまで3000体、1500体もの遺体を解剖してきた人間なら、「死とは何ぞや」という哲学的な問いと向き合わざるをえないと思うんです。

かつてそういう脚本を書こうとして頓挫した人間が言うのもおこがましいですが、あの野木亜紀子さんが解剖をテーマに、それもこれまでと違って原作のないオリジナルで、と聞いたときは、ついにそういうドラマが見れるのでは? と期待しました。しかし最初のシーンで麻酔が省略されていたのでガッカリ拍子抜けでした。

確かに、麻酔を打つ描写を入れただけで違う話になってしまうでしょう。本当の死因は何か、本当に悪いのは誰なのかという『アンナチュラル』の眼目は失われてしまうでしょう。

しかし、それでは殺人犯を追いかける刑事ドラマと何が違うのかわからない。調べる主体が刑事から解剖医に変わっただけという印象は否定できません。

石原さとみの秘密は一家心中事件の生き残りだったようで、刑事ドラマ的なものでした。
井浦新の秘密の課外活動は何でしょうか。「赤い金魚」とは何なのか。そこに私の期待するものがあるのかもしれません。

が、「遺体に麻酔」を省略している以上、あまり期待できそうにありません。


ベッキーへのタイキックで明らかになった「本ゲス」の正体

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『ガキの使いやあらへんで』で、ベッキーが「禊」と称してタイキックを見舞われたのが物議を醸しています。

かわいそう、いくら何でもやりすぎ、との声が上がっているそうで、それも当然でしょう。あれは集団リンチというよりほとんどレイプです。

しかしながら、いくら何でも「不倫した女なのだから何やってもいい」と考えていたわけではないと思います。

ベッキーが何も知らされていなかったとしたら犯罪ですが、それはないでしょう。

とすれば、問題は、あの場にいた芸人でも番組制作者でももちろんベッキーでもなく、ベッキー劇場を楽しんでいた人たちではないでしょうか。



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今回、ベッキー側に立って非難している人たちが、ゲス不倫騒動のときにどういう発言をしていたのかは正確にはわかりません。

ただ、普通に考えて、ゲス不倫騒動のときにベッキーを非難していた人たちが今回のタイキックを非難しているような気がしてならない。

つまり、彼らは「非難できるネタ」が見つかれば炎上騒ぎに加担して楽しむだけの「本当のゲス(以下「本ゲス」)なのです。

だって、あれだけ日本中がベッキーを非難していたのに、今度はベッキーを擁護するほうが圧倒的というのは、どう考えてもおかしい。自殺に追い込まれるんじゃないかとまで心配されたほどの非難があったわけだから、普通ならいまごろ、

「これでようやくベッキーも禊がすんだな」
「あれだけ痛い思いをしたんだから復帰してもいい」
「あれではまだまだ足りないと思う」

というような声があふれてないとおかしいでしょう?

番組製作者たちとベッキーは、非難の祭りに参加したい昨今の「本ゲス」たちの心理を逆手に取ったのだと思われます。

レイプにも見えかねない暴力をベッキーに振るえばベッキー擁護の声が高まるだろう、そうすればベッキーが本当にテレビに復帰できる。

逆にいえば、あんなひどいことを自分たちでやらないかぎりベッキーの真の復帰はない。

ベッキーを本当にレイプしたのは、つまり「本ゲス」は誰なのでしょうか?


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『人はなぜ不倫をするのか』(学校化するニッポン)


『ホンマでっかTV』モテ仕草に見るタテ社会ニッポンの実相

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昨日の『ホンマでっか!? TV』のモテ仕草コーナーに中島健人というジャニーズの人が出てきて、そのモテ仕草がすごいと大反響になっていましたが、モテ仕草そのものはどうでもよくって、最後の「母親の年齢は?」と訊かれて「いくら母親でも年齢は……」と答えなかったことがマツコなどタレントだけでなく、中野信子さんなど学者連にも絶賛されていたことにどうしようもなく違和感を覚えました。

2,3年前のあるテレビ番組で、日本人は「若く見える」というと異常に喜ぶが外国人は怒る、という特集をやっていました。


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実際、街角でどう見ても40代以上の女性に「ティーンエイジャーに見えますね」というと、相好を崩して照れまくるんですね。嘘とわかっていてもうれしいらしい。

逆に、外国人の27歳の女性に「ティーンエイジャーに見えますね」というと、それまで笑顔で挨拶していた彼女はとたんに激怒して「いったい何を言っているの、失礼ね!」と去って行きました。

外国人は歳相応に見られるのを良しとする、というのは聞いたことがあるけれど、あそこまで激怒するとは驚きでした。

日本人は若さに価値を置きすぎなんですよ。だから年齢を聞くのは失礼とか、聞かれても言わないのが美徳みたいなことになってしまう。

長く生きてるほうが偉いに決まってるじゃないかと思うんですけど、このような考え方も諸刃の剣のような気がします。



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日本は極端なタテ社会といわれます。
会社でもそうだし、学校の部活がそうですよね。何で一年早く生まれただけでそんなに偉そうなのかと、先輩の理不尽な物言いに一切聞く耳を貸さなかった私は「生意気だ」と嫌われまくってましたが、若さに価値を置く一方で、年長者に敬意を払えと。

でもこれはおそらく表裏一体なのでしょう。

若さに価値を置いているから、自分にはない若さをもっている後輩に嫉妬してガミガミ言うんじゃないの? 

部活で上下関係が激しいのも、文化系より体育会系のほうがより顕著なことに、なるほどとうなずいてしまいます。だって、スポーツでは本当に「若さに価値がある」から。

とはいえ、ほとんどのスポーツでは、「もう若くはないけど、いまの自分の強みは経験です」という選手は数多い。

歳を取ることは、何かを失い、同時に何かを得ること。と考えれば、若さだけに価値を置くことのナンセンスさが浮き彫りになるはず。

日本はいつになったら「歳相応」が当たり前の社会になるのでしょうか。

もしそれが実現したら、悪質な後輩いじめも同時になくなるのでは? と夢想するんですがね。

『奥様は、取り扱い注意』を見終えて

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毎週水曜日を楽しみにしていたのも昨日で終わりました。

単に綾瀬はるかが目当てで見始めたから、数回ももたずに見るのやめるんじゃないかと思ってましたが、最初に完走を確信する作品になるとは驚きでした。

ただ、最終回がねぇ・・・


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西島秀俊は最初から何となくキナ臭かったし、途中、警察に知り合いがいるという挿話があったので、おそらく公安の人間だろうとは思ってましたから夫婦でアクションを演じるのは予想通り。というか、そうでなくてはならない。

途中から「悪役のための悪役」として登場した玉山鉄二は、最初は「何でこんな役出すの?」と不可解でしたし、「つまんねえな。何か面白いことないかな」というセリフも、あの石原裕次郎の隠れた佳作『何か面白いことないか』の二番煎じみたいでちょっと鼻白んでしまいました。





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ところが、昨日の最終回では、玉山鉄二が綾瀬はるかに「あんたは結局こっち側の人間だ」と語りかけ、最終的にその言葉が証明されます。

なるほど、そのための役だったのか、と、綾瀬はるかがワンカットの見事なアクション(最後のほうはちょっと乱れて映像と効果音がずれてましたが)を見せたあとに「気持ちいい~~~!」と叫ぶ場面で合点がいき、物議を醸しているというラストシーンでも、「なるほど、そう来たか」と、連続11回を見てきてよかった、と思いました。

ラストシーンが物議を醸しているといっても、それは暗転したあとに銃声が鳴るから、綾瀬はるかが殺されたのか、それとも殺すふりをして二人で逃げたか、結局どうなったかわからない、スペシャル版と劇場版があるらしいが、それで明らかになるなんて本当の最終回じゃない! ということなのでしょう?

実際、私は金城一紀脚本作品はこれが初体験なので知りませんでしたが、金城さんのドラマはほとんどこういう終わり方をして次につなげる手法が多いらしいので。

しかしながら、私がこの最終回に疑問をもつのはそういうことではありません。ラストシーンのあとどうなるかわからないなどというのは、すべての物語に付き纏うものです。「物語は永遠に続かなくてはいけない」のが鉄則です。

私が疑問なのは、確かに第1話で、「主婦になって半年で主婦業に飽きてしまった」という綾瀬はるかの言葉がちゃんと伏線として機能しているから、あの「気持ちいい~~~!」は決して唐突なものではないわけですが、やはりそれでも、私たち視聴者に対してではなく、作中人物に対して失礼なセリフではないかと思うのです。

その作中人物とは、当然この人たち。





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広末も本田翼も、もう完全に綾瀬はるかがカタギの人間ではないことを知ってしまいました。暴力をふるうことに快感を覚える人間だということも、少なくとも本田翼は知ってしまった。

それでも、これまで困った人を助けていた言動すべてが「スリルを求めるためだった」ということを彼女たちが知ってしまったら、深く失望すると思うんですよね。

まさかそれを劇場版でやるということ?

さすがにそれはダメですね。結末より後のことは観客に委ねていいけど、それまでの問題はラストシーンまでに解決してしまわないと。




ワイドナショー「核シェルター特集」を見て思ったこと


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今日のワイドナショーでは、「核シェルター」が特集されていました。

何でも、スイスやイスラエルでは家や公共の施設に核シェルターを備え付けることが義務付けられていて、国民一人あたりの核シェルター保有率が100%。アメリカも80%台かそこらで、低いところでも30%~40%台だったかな。

しかし、日本は驚きの0.02%ということで、我らが大川総裁が日本人で核シェルターを設置しているお宅にお邪魔してきてくれました。


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まず、一般論として思うのは、「核シェルター」って意味があるの? ってことです。

だって、番組では「核爆弾が投下されたら1~2週間は外に出られない」と言ってましたが、それだけで外に出れるの!?と逆に驚きました。無理でしょう。

仮に2週間で外に出れたとして、国土は荒廃しているから作物は取れないし、作物が取れないから家畜も育てられないので肉も食べられない。もちろん海も汚染されまくってるから魚も食べられない。何も食べられないんですよ。

衣食住のうち衣と住は何とかなっても、食がダメならすべてダメでしょう。

それに、普通に考えて2週間で出られるはずがない。福島の人たちはまだ避難生活を強いられているのに。

便を固体化する特別なトイレがすごいと紹介されてましたが、確かに高熱で圧縮する技術はすごいと思うけれど、「2カ月は臭いが漏れない」って逆にそれは「2カ月たったら臭いが漏れる」ってことですよね。

狭いシェルターの中で、自分の便の臭いに悶絶しながら死んでいくなんて絶対いやです。

そして、もっといやな気持に駆られたのが、これ↓↓↓







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核シェルターを設置していることに「守秘義務」があるということ。
その理由は、有事の際に近隣の人間が殺到するから、とか。

いや、そりゃ殺到するでしょうが、じゃあ「自分だけ助かればいい」ってこと?

780万も出させて自分とその家族を守りなさいって、戦争で生きるか死ぬかも「自己責任」なんですか? その前に核攻撃されないよう外交努力すべきだし、どう考えても核シェルターをもってる人だけ助かればいいという考え方はおかしい。

近隣の人間が殺到するのはなぜかといえば、一部の家にしかシェルターがないからであって、番組でも誰かが言ってましたが、地下鉄の駅とかビルの地下とか、そういうところを核シェルターとして使えるようにすればいいじゃないですか。

予算の問題があるって、だからそれなら攻撃されないように政治家が何とかせよ。(そもそも北朝鮮の標的はアメリカであって日本じゃないのでは?)

核シェルター普及率100%なんてそっちのほうが異常だと認識すべきだと思うし、おそらく、シェルターを作る企業と政府は結託しているのでしょう。

まったくいやになります。


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