聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

テレビ

『奥様は、取り扱い注意』を見終えて

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毎週水曜日を楽しみにしていたのも昨日で終わりました。

単に綾瀬はるかが目当てで見始めたから、数回ももたずに見るのやめるんじゃないかと思ってましたが、最初に完走を確信する作品になるとは驚きでした。

ただ、最終回がねぇ・・・


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西島秀俊は最初から何となくキナ臭かったし、途中、警察に知り合いがいるという挿話があったので、おそらく公安の人間だろうとは思ってましたから夫婦でアクションを演じるのは予想通り。というか、そうでなくてはならない。

途中から「悪役のための悪役」として登場した玉山鉄二は、最初は「何でこんな役出すの?」と不可解でしたし、「つまんねえな。何か面白いことないかな」というセリフも、あの石原裕次郎の隠れた佳作『何か面白いことないか』の二番煎じみたいでちょっと鼻白んでしまいました。





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ところが、昨日の最終回では、玉山鉄二が綾瀬はるかに「あんたは結局こっち側の人間だ」と語りかけ、最終的にその言葉が証明されます。

なるほど、そのための役だったのか、と、綾瀬はるかがワンカットの見事なアクション(最後のほうはちょっと乱れて映像と効果音がずれてましたが)を見せたあとに「気持ちいい~~~!」と叫ぶ場面で合点がいき、物議を醸しているというラストシーンでも、「なるほど、そう来たか」と、連続11回を見てきてよかった、と思いました。

ラストシーンが物議を醸しているといっても、それは暗転したあとに銃声が鳴るから、綾瀬はるかが殺されたのか、それとも殺すふりをして二人で逃げたか、結局どうなったかわからない、スペシャル版と劇場版があるらしいが、それで明らかになるなんて本当の最終回じゃない! ということなのでしょう?

実際、私は金城一紀脚本作品はこれが初体験なので知りませんでしたが、金城さんのドラマはほとんどこういう終わり方をして次につなげる手法が多いらしいので。

しかしながら、私がこの最終回に疑問をもつのはそういうことではありません。ラストシーンのあとどうなるかわからないなどというのは、すべての物語に付き纏うものです。「物語は永遠に続かなくてはいけない」のが鉄則です。

私が疑問なのは、確かに第1話で、「主婦になって半年で主婦業に飽きてしまった」という綾瀬はるかの言葉がちゃんと伏線として機能しているから、あの「気持ちいい~~~!」は決して唐突なものではないわけですが、やはりそれでも、私たち視聴者に対してではなく、作中人物に対して失礼なセリフではないかと思うのです。

その作中人物とは、当然この人たち。





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広末も本田翼も、もう完全に綾瀬はるかがカタギの人間ではないことを知ってしまいました。暴力をふるうことに快感を覚える人間だということも、少なくとも本田翼は知ってしまった。

それでも、これまで困った人を助けていた言動すべてが「スリルを求めるためだった」ということを彼女たちが知ってしまったら、深く失望すると思うんですよね。

まさかそれを劇場版でやるということ?

さすがにそれはダメですね。結末より後のことは観客に委ねていいけど、それまでの問題はラストシーンまでに解決してしまわないと。




ワイドナショー「核シェルター特集」を見て思ったこと


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今日のワイドナショーでは、「核シェルター」が特集されていました。

何でも、スイスやイスラエルでは家や公共の施設に核シェルターを備え付けることが義務付けられていて、国民一人あたりの核シェルター保有率が100%。アメリカも80%台かそこらで、低いところでも30%~40%台だったかな。

しかし、日本は驚きの0.02%ということで、我らが大川総裁が日本人で核シェルターを設置しているお宅にお邪魔してきてくれました。


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まず、一般論として思うのは、「核シェルター」って意味があるの? ってことです。

だって、番組では「核爆弾が投下されたら1~2週間は外に出られない」と言ってましたが、それだけで外に出れるの!?と逆に驚きました。無理でしょう。

仮に2週間で外に出れたとして、国土は荒廃しているから作物は取れないし、作物が取れないから家畜も育てられないので肉も食べられない。もちろん海も汚染されまくってるから魚も食べられない。何も食べられないんですよ。

衣食住のうち衣と住は何とかなっても、食がダメならすべてダメでしょう。

それに、普通に考えて2週間で出られるはずがない。福島の人たちはまだ避難生活を強いられているのに。

便を固体化する特別なトイレがすごいと紹介されてましたが、確かに高熱で圧縮する技術はすごいと思うけれど、「2カ月は臭いが漏れない」って逆にそれは「2カ月たったら臭いが漏れる」ってことですよね。

狭いシェルターの中で、自分の便の臭いに悶絶しながら死んでいくなんて絶対いやです。

そして、もっといやな気持に駆られたのが、これ↓↓↓







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核シェルターを設置していることに「守秘義務」があるということ。
その理由は、有事の際に近隣の人間が殺到するから、とか。

いや、そりゃ殺到するでしょうが、じゃあ「自分だけ助かればいい」ってこと?

780万も出させて自分とその家族を守りなさいって、戦争で生きるか死ぬかも「自己責任」なんですか? その前に核攻撃されないよう外交努力すべきだし、どう考えても核シェルターをもってる人だけ助かればいいという考え方はおかしい。

近隣の人間が殺到するのはなぜかといえば、一部の家にしかシェルターがないからであって、番組でも誰かが言ってましたが、地下鉄の駅とかビルの地下とか、そういうところを核シェルターとして使えるようにすればいいじゃないですか。

予算の問題があるって、だからそれなら攻撃されないように政治家が何とかせよ。(そもそも北朝鮮の標的はアメリカであって日本じゃないのでは?)

核シェルター普及率100%なんてそっちのほうが異常だと認識すべきだと思うし、おそらく、シェルターを作る企業と政府は結託しているのでしょう。

まったくいやになります。


秋の新ドラマあれやこれや(現在4/6)

この10月期の連ドラは結構たくさん見ています。見始めた順に思ったことをつらつら綴ってみましょう。


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『奥様は、取り扱い注意』

これは面白くてもう4話目まで見ましたが、次が楽しみでしょうがありません。
ゲスト俳優がいろいろ問題を抱えていて、その問題を綾瀬はるか演じる某国の元特殊工作員にして現在ただの専業主婦が解決していくんですが・・・

事の顛末とかは予想通りに終わります。はっきりいってそこらへんは「つまらない」かも。

このドラマを傑作たらしめているのは脚本ではなく、ひとえに「綾瀬はるかが異様にカッコイイ」という一事に尽きるんじゃないでしょうか。

アクションを演じる女優は背が高くないと様にならないと改めて痛感しますね。立ち姿がカッコイイから何をやっても様になるし、決め台詞がちゃんと決まる。

西島秀俊演じる夫に何か秘密が隠されていそうで、そこにも興味が尽きません。




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『陸王』
これについては、『陸王』と『今からあなたを脅迫します』志が高いのはどっちだ!? を参照してください。私は昨日の第2話を見てリタイアを決意しました。

だって、「シルクレイ」という素材をどうしても使いたい役所広司と、その特許をもつ寺尾聰との葛藤劇でしたが、結局、敵失で、って拍子抜けしました。




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『今からあなたを脅迫します』

これも上記のリンクを見てもらえたらいいかと思うのですが、昨日の第2話では「主人公の心のあり方」が枷になってないなぁ、と不満だったんですよね。
だけど、ちゃんとラストに近藤正臣も出てくるし、武井咲のことを知ってるらしい袴田吉彦が出てくるし、主人公の心のあり方を枷にした本筋がいよいよ次週から始まりそうです。

ただ、脅迫屋の首領ディーン・フジオカがちょいとまぬけなのが玉に傷でしょうか。

あと、「考え事に耽るとおはぎをたくさん作ってしまう」というのが武井咲の大事なキャラクターのように描かれていますが、癖とか病気とかはキャラクターではありません。「キャラクター」というのは、何らかの出来事や相手のアクションに対し、どういうリアクションを返すか、ですから。



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『監獄のお姫さま』

この作品で一番気になるのは、「脚本:宮藤官九郎」というクレジットは当然としても、プロデューサーの磯山晶が「企画・構成」になってることなんですよね。企画はともかく構成って何を? 脚本構成? それならクドカンの仕事では? 確かに過去と現在が複雑に絡まり合う構成にはなっているけど、あれぐらいの構成は脚本家の領分でしょう。しかも書いてるのは天下のクドカンですよ。磯山晶が何を構成しているのか明らかにしてもらいたい。

ただ、構成に気を使っているぶん、クドカン作品にしてはキャラクターがあまり立ってない気がします。とはいえ、菅野美穂がこれほど魅力的に見えるのは初めてです。

満島ひかりの芝居が少しワンパターンに見えるのはどうしてかな。というか、いくら彼女でも小泉京子の前ではただのひよっ子でしかないということなのか。何てったってアイドルですから!




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『民衆の敵 ~世の中、おかしくないですか!?』

これは衆議院選挙に影響するから、としなくてもいい忖度をして一週遅らせた影響なのか、先週の第1話があまりに速足というか、当選するまでがあまりに簡単すぎませんかね? 「時給950円で働く労働者」が選挙に打って出て当選するのは胸がすくんですが、その過程を本当だと信じられない。

今日の第2話は逆になかなか話が前へ進まないし、不要な回想シーンがあったり、何よりカメラ目線での説明セリフに辟易しまくり、途中でリタイアを決意しました。



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『ぼくは麻理のなか』

池田エライザ主演というだけで見始めました。
男と女の体が入れ替わるというアイデアは手垢にまみれていて古臭いといってもいいものでしょうけど、「すぐばれる」というのが味噌ですね。そして、「実は入れ替わりじゃなかった」というのも。

関西ではやっとおとといの深夜に放映開始だったので、いまはまだ期待できる程度。それにつけても、池田エライザがかわいい。


というわけで、6本見始めたなかでいまのところ生き残っているのは、次の4本。

『奥様は、取り扱い注意』
『今からあなたを脅迫します』
『監獄のお姫さま』
『ぼくは麻理のなか』

これって偶然にも私の女優の好みといってもいいんですよね。いや、決してそういう邪な理由で残しているわけじゃないんですよ。
本当に偶然です!!!



『陸王』と『今からあなたを脅迫します』志が高いのはどっちだ⁉

昨日から始まった『陸王』と『今からあなたを脅迫します』を見て、『仁義なき戦い』などの脚本家・笠原和夫の言葉を思い出しました。


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「枷は、状況ではなく、主人公の心のあり方にこそ求めるもの」




枷とは手枷足枷のことで、主人公を困らせるもののことです。通常、枷が起爆剤となって主人公の行動を導きます。


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さて、『陸王』は、100年以上続いてきた老舗の足袋工場を営む役所広司が、倒産の憂き目に遭ってマラソンシューズの開発に乗り出すものの何の実績もない弱小企業にはほとんど勝ち目がない。勝ち目はないけど、リストラを迫る銀行の融資課長に「開発を続けます!」と宣言するのが第1話のクライマックス。


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一方で、『今からあなたを脅迫します』は、脅迫屋ディーン・フジオカからかかってきた間違い電話がきっかけである殺人事件にかかわることになった女子大生が、生来の天然気質で周りを振り回しながら、事件の謎が解けたあと卑劣な殺人犯に刃を向ける場面がクライマックスでした。

いったいどういう人間なのかよくわからない武井咲に加え、ディーン・フジオカとその一味はあまりに軽いし、足袋作りという斜陽の伝統産業から脱皮せんと奮闘する人情深い社長の喜怒哀楽を描く『陸王』のほうが格調高い。ように誰の目にも見える。のかもしれません。





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しかし私にはそうは思えません。

確かに『陸王』は面白い。でも、それは、足袋作りの実態だとか、フット・ミッド走法などの「情報」としての面白さが随所にあるからでしょう。「劇」としての面白さがあるかどうかは大いに疑問です。

なぜなら、役所広司の行動はすべて外的状況に依拠しているからです。

ミシンが壊れて大きな損害が出る、新規事業の提案を促される、マラソンシューズの実態を教えてもらう、足袋シューズを履いてほしいランナーがいる、でも履いてもらえない、銀行の支店長と融資課長からリストラしろと迫られる、リストラは嫌だと従業員から迫られる。

結果、「リストラはしない。開発を続ける」との宣言に至るわけですが、問題は「先代が足袋シューズを開発しようとして失敗した試作品が発見される」というエピソードの存在です。


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役所広司は阿川佐和子との会話で、「昔、親父がリストラしたとき最低だと思ったけど、いま思えばあのとき一番つらかったのは親父だったんだろうな。俺はそんな気持ちは味わいたくない」と言います。それなら、なぜその気持ちのまま「リストラはしない」という融資課長への宣言へと至らないのでしょう。


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「俺は親父のような気持ちを味わいたくない」という心を彼はすでにもっています。その心のあり方が枷となればいい。融資課長への宣言は感動的ですが、だからといって前途多難であることに変わりはありません。主人公の心のあり方が枷となるためには、「親父のような気持を味わいたくない」という気持ちを、従業員を誰一人クビにしたくないという気持ちを融資課長にぶつけなければいけなかったはず。

なのに、融資課長がやってくる直前に先代の試作品が見つかります。役所広司はそれを見、それを出汁にして「開発を続けます」という宣言に至る。しかしながら、ここで大事なのは「リストラはしない」と「開発を続ける」は、銀行にとっては同じ意味でも、役所広司にとって、ひいては視聴者にとってはまるで違うということです。

主人公は、先代もやっていたから、この100年間そうだったからという外的状況から「開発を続ける」と宣言します。でも、それでは彼は外的状況にいつまでも依拠した「子ども」です。己の心と向き合っていない。

心とは記憶であり、その人の過去のことです。彼は「親父のような気持を味わいたくない」と己の心とせっかく向き合ったにもかかわらず、クライマックスでそれを忘れ、「親父だって同じことをやっていた」ことを拠り所にしています。だから子どもなのです。

「開発を続けます」ではなく、「リストラはできない。できない以上は開発を続ける」と言いながらも何も策はない。勝ち目0%というところで幕切れを迎えないと「志の高いドラマ」とは思えません。実際の作品では、勝ち目は薄いとはいえ融資課長との決闘には勝った。勝ったのは爽快だったけれど、はたしてそれでいいのかどうか。



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逆に、出会うはずのなかった二人が出会ったことで話が転がる『今からあなたを脅迫します』は、武井咲の心のあり方が枷となってドラマを駆動します。

ラストで明らかになるのは、彼女は亡き母からいまわの際に「正しいことをしなさい」と言われ、それを金科玉条にして生きてきた。友達が二人しかいないのはなぜなんだろうと思っていたら、おそらくその正義感が災いしているのでしょう。正論ばかり言う人間は嫌われますから。

それでも正義を貫くことしか武井咲にはできない。なぜなら、母親との記憶が彼女を縛っているからです。心のあり方が見事に枷となっています。



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ディーン・フジオカは事件解決後、「あいつは偽善者にすぎない」と切り捨てようとしますが、カタギの商売が嫌いな感じの彼の心にも「優等生」の血が残っていたのでしょう。もう二度と会わないはずだった武井咲に会いに行き、彼らの関係は続くことになります。

ディーン・フジオカにどういう過去があるのかはまだわかりません。でも、おそらく彼は彼の心のあり方に縛られ、武井咲と関わらざるをえない仕掛けになっている。

だから、パッと見は格調高そうな『陸王』よりも世間からは軽く見られそうな『今からあなたを脅迫します』のほうが志が高い作品だと私は思うのです。


『30年目の真実・宮崎勤の肉声』には嘘がある!

昨日放送された『30年目の真実・宮崎勤の肉声』はなかなかの力作ドラマだと感じました。が、このドラマには嘘がある! と声を大にして言いたい。


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もし金子ノブアキ演じる刑事がいなかったら、宮崎勤は連続幼女誘拐殺害事件の犯人としては捕まらなかったんじゃないかと思えるほど、この刑事の勘が鋭かったようですが(というか、トランクから血が出てるのに車の色が違うからホシじゃないと決めつける同僚や係長のほうがどうかしてる気もしますが)とにかく、宮崎勤の肉声と、当時実際に放映された映像と、今回撮られた再現映像とを駆使してあの事件に迫るドラマとして見応えがありました。

が、やはり、このドラマには「嘘」があるんですよ。


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最終的に、
「宮崎勤は俺たちと同じただのちっぽけな人間だった」
そこに一番衝撃を受けた金子ノブアキ。そのラストシーンはなかなか見せるものでした。

だが、不満もあります。


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ダンカン演じる宮崎勤の父親。だいぶ息子とそりが合わなかったようで、あの部屋に入ろうとすると怒るから近寄らないようにしているとか、報道陣から部屋を見せてくださいと言われたときに、チラと息子の部屋のほうを見てから「いいですよ」と言うときの影のある顔など、もうちょっとこの父親と宮崎勤のことを突っ込んでくれてもよかったんじゃないかと。

ただ、私が本当に言いたいのはそういうことではなく、この人が事件から数年後に自殺したことを世の人はほとんど知らない、ということなんです。
このドラマでもその事実にはまったく触れていませんでした。

というか、この父親の自殺ってテレビはおそらくほとんど報じていません。新聞でも社会面の片隅にひっそり書かれていただけ。少なくとも私の友人・知人は誰もあの父親が自殺したことを知りません。

何かあったんじゃないか。宮崎勤の父親の自殺には公にできないある秘密がある。

と、自殺を報じた新聞記事をたまたま見たときからずっと思ってきましたが、このドラマを見てその思いを強くしましたね。

このドラマには「嘘」があるから。

その嘘というは、「自供書の書かせ方」です。

ドラマでは、宮崎勤の供述を金子ノブアキの同僚がずっと書き留めていましたが、最後の最後で金子ノブアキが、
「おまえのやったこと全部ここに書け!」
と白紙を差し出します。そして、同僚刑事が、日付、場所などちゃんと書けよ、みたいな命令をしていました。あれは絶対におかしい。

私はちょうど宮崎勤の父親が自殺した年に警察に捕まったことがあります。そのとき、私の供述したことを警察官が文章にまとめたものを読めと言われ、その紙を見てみると、「自供書」と書かれていました。自分で書いてないのになぜ自供書? と思ったら、うっすらと鉛筆で書いてあるんですね。

で、何度も読めと言われ、「それで間違いないか。本当に間違いないな?」と念を押されてから、
「よし、上からペンでなぞれ」
と、なぞらされるんですよ。あれは屈辱でした。

私が犯したのは軽犯罪法違反であり、殺人なんかに比べたらちっちゃなもの。書類送検のうえ不起訴処分になったはずですが、それぐらいちっぽけな事件でも、自供書というのは容疑者の自由には書かせないものなんです。なのに、白紙を渡して「やったことを書け」なんてありえない。

この『30年目の真実・宮崎勤の肉声』の冒頭、どれだけ人物の言動を忠実に再現しているか、まるで手柄のように提示されます。

なのに、自供書に書き方(書かせ方)ひとつにも嘘がある。

おそらく警察から自供書は本当は警察官が書いていることを知られたくないから現実どおりに表現しないでくれという要請があってああいう表現になったのでしょうが、そんなことすら隠す警察(とマスコミ)は、宮崎勤の父親の自殺についても何か隠しているんじゃないか、というのが私の見立てです。

宮崎勤事件が抱える闇はまだまだ大きいと断定せざるをえません。



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