2019年07月29日

BSトゥエルビで絶賛放送中の『沿線地図』、今日が第7話・第8話。全15話なのでちょうど折り返し地点ですが、ちょっと中休みといった感じでしたかね。

前回までの記事
①まるで自画像のような
②両親たちのウロウロ
③父親の落とし穴


「間違ったことをしてみようと思った」という息子と彼をけしかけた女。そして彼らの両親のドラマがどのように展開/転回するかと期待した第7話でしたが、あっさりと二人の言うことにも一理あると引き下がってしまうところが意外というか何というか。

私としては、前回までがまるで自分のことが放送されているみたいで見ながら悶絶していましたが、今回は普通にテレビドラマファンとして見れましたね。山田太一さんの苦心惨憺した痕が見え隠れしていて、唸るところもあれば、ここは時間がなかったのかなぁ、と不満に思ってみたり。


北村和夫について
第7話では河原崎長一郎の兄・北村和夫が登場しますが、なるほどと思う気持ちもあるんですが、うーんと首をかしげてしまうところでもありました。

児玉清の父・笠智衆は最初から出ていてことあるごとに息子を叱っていました。が一方、河原崎長一郎と岸惠子の上位に位置する人間が出てこないのが気になっていたんですが、ついに登場となってうれしい反面、疑問も感じました。

笠智衆は児玉清の父親だから、同様に河原崎長一郎の父親を出すのはよろしくない。それはわかります。だから兄にした。しかし……


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 この男女はどちらも大人たちから叱られているわけだから、それと対比するためにも、岸惠子の兄にするべきではなかったでしょうか。確かに北村和夫に叱られた第一声に「親父には黙っててくれよな」という河原崎長一郎は『早春スケッチブック』と同じく小物の見本みたいな人物であることがよく出ていますが、男の広岡瞬を叱る父がその父から叱られるからには、女の真行寺君枝を叱る母・岸惠子の兄、いや母を出すべきではなかったでしょうか。どうしても兄弟でないといけないなら姉にするとか。

笠智衆も北村和夫も同じことを言うじゃないですか。ここがとてもつまらないと思いました。もし岸惠子の母か姉なら別のことを言ったと思うんですよね。「娘の好きにさせてあげよう」と言っていた岸惠子に「確かにそのとおりね」と同調するも、あまりに娘の肩をもつから「引きずってでも連れて帰ってくる!」と岸惠子が意固地になり、それがもとで再びすったもんだが展開されるのも一興だったかもしれません。


夫婦喧嘩一本で攻めてもよかったのでは?
広岡瞬の職場に、学歴がなく容姿もよくない、まるで広岡瞬の陰画のような係長・岡本信人が登場します。彼はことあるごとに彼を敵視して説教を垂れるんですが、うーん、親子ドラマに何でこんな新キャラを出すんだろうと戸惑ってしまいました。

ただ、両親が若者二人を理解するという展開にした以上、彼らと敵対する新しいキャラクターが必要だったのは理解できます。でないとドラマにならない。(ここでいう「ドラマ」は葛藤を軸にした「劇」のことです。テレビドラマという意味ではありません)

第8話のラストでは、児玉清が飲み屋で荒れて、こちらも新登場の岸田森と喧嘩になる。

これらがいい悪いという意味ではなく(いいか悪いかは現時点ではわかりようがありません)脚本家の苦労を感じてしまった次第。

ただ、広岡瞬と真行寺君枝がくだらないことで喧嘩してやばい雰囲気になりそうなところが今回一番面白かったので、そこ一点で攻めてもよかったんじゃないでしょうか。

とまぁ、これは見ているだけの人間の勝手な感想にすぎませんが。

私もいま書いてる脚本が突然暗礁に乗り上げたので頑張らねば。


続きの記事
⑤前面に出てきた笠智衆
⑥口紅はいらない
⑦仰天の笠智衆!



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