いよいよ年の瀬。まだ大掃除も満足にできていませんが、ちょっと合間に遊んでみようと。

今年もいろんな本を読みましたが、選りぬきの10作品をご紹介しましょう。(感想を書いたものにはリンクを貼ってますので、よろしければどうぞ)


中動態の世界(國分功一郎)
②戻り川心中(連城三紀彦)
地球星人(村田沙耶香)
うしろめたさの人類学(松村圭一郎)
ワイルドマウンテン(本秀康)
⑥人工知能の哲学(松田雄馬)
⑦悪魔の神話学(高橋義人)
小説禁止令に賛同する(いとうせいこう)
ブラックボックス(伊藤詩織)
今日の人生(益田ミリ)



一冊一冊の感想はめんどくさいからやめておきます。

とにかく今年は『中動態の世界』の衝撃が一番でした。新しい世界観を得ることができました。


『人工知能の哲学』にも教えられること多でした。いまAI自動運転のための法整備が進んでいますが、果たしてAI(著者の言葉によれば、いまAIと呼ばれているものは真のAIではなく「AI技術」にすぎないらしいですが)に車の運転が可能なのか。そのへんのことについては『AI vs.教科書が読めない子どもたち』『AI原論』などもひっくるめて「AI自動運転社会は永久にやってこないと思う件」という記事を書いています。どうなりますか。


小説ではやはり村田沙耶香さんを知ったのが一番大きかったかな。ちょっと前までブックオフでも村田さんのコーナーってなかったのに昨日行ったら新しくできてました。うれしいようでもあり、ちょいと淋しいようでもある。『コンビニ人間』の衝撃もすごかったですが、『地球星人』の衝撃はもっと大きかった。


昨日読み終えたばかりの『悪魔の神話学』もすごかったですね。
堕天使という嘘、原罪という嘘、処女降誕という嘘、魔女狩りという嘘、などなどラディカルにキリスト教を原初の姿から解き明かし、最終的にはハンナ・アーレントのアイヒマン分析で終幕。
何か問題が起こったときに誰かを「悪」と決めつけて事足れりとする現在の風潮に一石を投じます。ここがこの本の素晴らしいところ。宗教論でもあり哲学論でもあるけれど、実社会を撃つための武器になっている。社会との関わりを失った宗教も哲学も無意味という著者の信条を感じます。
炎上だ何だと他者を非難することに血道を上げている人々は、アイヒマンを非難した人たちと同じ「悪の陳腐」に陥っている、それは魔女狩りに熱狂した人たちと同じであるという過激な提言でした。


マンガでは史群アル仙の『今日の漫画』『臆病の穴』もよかったけど、やはり『ワイルドマウンテン』の大どんでん返しと『今日の人生』のささやかなどんでん返しが気持ちよかった。


『戻り川心中』で恥ずかしながら初めて連城三紀彦を読みました。これからももっと読んでいこうと思います。

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戻り川心中 (光文社文庫)
連城 三紀彦
光文社
2006-01-01