もう大晦日ですね。というわけで、今年の映画ベストテンの発表です。私の場合、見れなかった映画が数多いのであまり参考にならないかもしれません。

ちなみに、昨年、2016年のベストテンはこちらです。

去年と同じく「図太くて厳しくて哀しい映画」という基準で選びました。というか、私にとって「映画」とはそのようなものみたいです。感想を書いた作品にはリンクを貼っています。興味のある方はどうぞ。


①『LOGAN/ローガン』(ジェームズ・マンゴールド監督)
『ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル監督)
『アトミック・ブロンド』(デビッド・リーチ監督)
④『アウトレイジ 最終章』(北野武監督)
『キングコング 髑髏島の巨神』(ジョーダン・ヴォート・ロバーツ監督)
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(ヨン・サンホ監督)
『パーティで女の子に話しかけるには』(ジョン・キャメロン・ミッチェル監督)
⑧『散歩する侵略者』(黒沢清監督)
⑨『五島のトラさん』(大浦勝監督)
『ワンダーウーマン』(パティ・ジェンキンス監督)


以下、一言コメントです。

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①『LOGAN/ローガン』
完璧な一点透視図法で描かれた荘厳な絵画。すべての描線が「ローガンの死」という“バニシング・ポイント=消失点”に向かってまっすぐ伸びる。そのまっすぐさが「滅びの美学」を否が応にも盛り上げる。最後の30分が涙でスクリーンがかすむなんて、いったい何年ぶりの経験だったでしょうか。

②『ラ・ラ・ランド』
今年、『サウンド・オブ・ミュージック』とか、いろいろ過去の名作ミュージカルを見て、『ラ・ラ・ランド』ってあまり大したことなかったのでは? という疑念がもち上がりましたが、つい先日また見に行って傑作と確信しました。いろいろ雑なのはわかります。しかし、あばたもえくぼ。欠点も含めてこの映画が丸ごと好きです。

③『アトミック・ブロンド』
あの長回しとシャーリーズ姐さんの色気に尽きますな。三重スパイというオチも効いてる。

④『アウトレイジ 最終章』
とにかく、西田敏行がすごすぎ。たけしはほとんど演技指導しないそうなので(自分で言ってました。『バカ論』より)ほとんど西田敏行が自分で考えた芝居のようですが、いずれにしてもすごすぎ。おそらく北野組の現場は役者が芝居しやすい雰囲気なんでしょうね。でないとあそこまでの芝居は無理でしょう。そういう雰囲気を作れるかどうかが「監督の才能」なんだと思います。

⑤『キングコング 髑髏島の巨神』
これはもう、ジョーダン・ヴォート・ロバーツという「天然ボケ監督」の登場を寿ぐしかありませんね。怪獣パニック映画なのに爆笑させられるという稀有な体験でした。

⑥『新感染 ファイナル・エクスプレス』
あの焼肉屋の兄ちゃんみたいなおっさんがいまだに印象深いです。そういえば韓国映画を見に行ったのってえらく久しぶりな感じ。この勢いで『密偵』も行こうと思っていたら終わってしまいました。(泣)

⑦『パーティで女の子に話しかけるには』
最高に楽しいパンク映画。しかし邦題で損してますよね。原題直訳なんですが、「how to talk to girls at paties」というのは英語では何か別の意味のある慣用句なんでしょうか? イギリス人の英語ってほんと耳に心地よい。

⑧『散歩する侵略者』
あのとんでもない冒頭のカットから心を鷲づかみにされましたね。
細かいことですが、笹野高史が喫茶店で2000円を払うときの払い方にあのキャラクターのすべてが滲み出ている気がしました。ああいう細かいところに監督の演技指導の差が出ますね。この映画の直後に見たのが役者を殺しまくった『ダンケルク』だったので、よけいそう思いました。

⑨『五島のトラさん』
これはCSで見ました。私はビデオで見たものもベストに含めます。ビデオで見て面白かったのならスクリーンならもっと面白いはずだからかまわないでしょう。
この映画は、長崎・五島列島で暮らす、トラさんとその家族を20年だったか30年だったか、かなり長い年月追いかけた渾身の力作です。
しかし、ドキュメンタリーの監督さんってどうやって食べてるんでしょうね。この1本に30年…。そりゃま、合間合間に他の作品も撮ってるんでしょうけど、限度があるだろうし。私も食うには困らない程度には書いていきたいですが、どうなりますやら。

⑩『ワンダーウーマン』
これはリンク先の感想を見てもらえばすぐわかりますが、面白くなかった映画です。なぜあえてそんな作品を入れたのか。それはひとえに、ガル・ガドットという女優の名前が決定的になった2017年を記念してのこと。6年前に『ワイルド・スピード MEGA MAX』で見たときは添え物のお色気女優にすぎなかったのに、もうその名前で何億ドルも稼げる人になったというのは感慨深いものがあります。イスラエルとアメリカを行ったり来たりの生活が報われたんですね。よかった。


さて、気になるワーストですが、ベストとは逆に劇場で見たものしか選びません。途中退席したものは含みません。劇場で最初から最後まできっちり見たもののみから選びます。そうでないとフェアじゃないでしょ。

というわけで、2017年の栄えあるワースト映画は、










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『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(ジョン・リー・ハンコック監督) 

ホリエモンや村上世彰が企画に噛んでいるとしか思えない、イデオロギー的にまったく受容できない映画でした。このような映画をほめてはいけない。ポリティカリー・コレクトネスなんてクソ食らえ! と叫ぶ下品きわまりない男が合衆国大統領に当選して早くも一年がたちましたが、そのような国だからこそ、この映画のようなポリティカリーにインコレクトな映画が生まれたのでしょう。


参考までに、本格的に映画を見始めた1990年から昨年までのベストワン作品を列記しておきます。こいつとはいい友だちになれそうだ、思っていただけたら幸いです。

それではみなさん、よいお年を!


2016『ヒメアノ~ル』
2015(映画断ちしていたため選出なし)
2014(映画断ちしていたため選出なし)
2013『ゼロ・グラビティ』
2012『ドライヴ』
2011『ヘヴンズ・ストーリー』
2010『ライブテープ』
2009『グラン・トリノ』
2008『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
2007『長江哀歌』
2006『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
2005『ミリオンダラー・ベイビー』
2004『ミスティック・リバー』
2003『インファナル・アフェア』
2002『マルホランド・ドライブ』
2001『ザ・ミッション 非情の掟』
2000『トゥルークライム』
1999『のど自慢』
1998『スターシップ・トゥルーパーズ』
1997『CURE/キュア』
1996『新・居酒屋ゆうれい』
1995『シリアル・ママ』
1994『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』
1993『許されざる者』
1992『JFK』
1991『シェルタリング・スカイ』
1990『グッドフェローズ』