ladyfirst

レディ・ファーストって「まず女性から」という言葉どおりの意味ではないんですって。

えーっ、ウッソーーーー!

というか、仮に言葉どおりの意味だとしても、「まず女性が準備して男性を迎える」「まず女性が先に食事を済ませて退出し、男性の会話に加わらない」という極めて男尊女卑的な言葉だったらしいんです。へぇ~~~、ってな感じですね。

女性が取るべき行動を表す言葉だったのに対し、いまは画像のように男性が女性に対してとるべき行動のような意味になっています。

ところが!!

そのさらに前、大元はぜんぜん違う意味だったらしいんですね。

これも、こないだ読んだ佐藤優さんの『学生を戦地に送るには』で知ったことなんですが……(あの本は講演を採録したものなので脱線が多いんです)



Logo-Lady-e-Lord


レディとはladyで、淑女と訳しますが、もともとはlord、つまり貴族の夫人という意味でした(『ロード・オブ・ザ・リング』の「ロード」ですね。支配者とか神、イエス・キリストという意味もあるとか)。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と5つの爵位があり、それぞれを表す言葉もありますが、その妻はすべてladyなんだとか。

レディ・ファーストのレディって、実はlordのことなんだそうです。lordの女性形がladyなので。

厳格な階級社会であるイギリスでは、下流階級のことをジェントリ(gentry)といいます。

このジェントリ(ジェントルマン)よりもロード(レディ)を優先せよ。つまりは、階級の上の者が先に決まってるだろ、という、きわめてイギリス的というか、階級社会イギリスを象徴する言葉なんだとか。

そういえば、もう15年ぐらい前、ベッカム・フィーバーが起こったとき、こんなことを言う評論家がいました。

「彼がいかに大金を稼ぐスターであっても、喋ったとたん労働者階級であることがわかる」

すごく嫌な物言いだなと思ったんですが、本国イギリスではもっとすごいんでしょうね。おそらくベッカムのような下流階級の人間を蔑む貴族階級の人たちってたくさんいそうです。

ladies&gentleman

という呼びかけがありますが、あれも、「淑女と紳士」ではなく、「上流階級と下流階級のみなさん」という意味なんだそうです。常に上流階級が先なんですね。

目からウロコ!!!





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