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これは、私がかなり前に書いたシナリオ原稿の文字の部分だけ塗りつぶしたものです。

ある高名な脚本家によると、これだけでこのシナリオがよくないシナリオとわかるそうです。

では次に、数年前に絶賛されたある映画のシナリオを原稿用紙1枚分だけ書いて、その部分を塗りつぶしてみました。


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どうでしょうか。こちらは件の高名な脚本家によると、これだけでかなり読む気にさせるシナリオだとわかるそうです。そういえば、フジテレビのヤングシナリオ大賞を取っていまも大活躍中の別の高名な脚本家も同じことを言ってました。


どういうことかというと、


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ちょっと見えにくいですが、文末を赤ペンでたどってみました。ものすごくギザギザが大きいですよね。折れ線の角度が鋭角になっている。こういうのがいいシナリオの条件だそうです。


最初に見せた私の原稿を赤ペンでたどってみると、


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ほとんどギザギザがありません。これは非常に読みにくいし、読む者の気持ちを萎えさせるシナリオということになるそうです。

どうしてこういう原稿になってしまうかというと、自然にそうなるんじゃないんですよね。コンクールに出す場合には厳密な枚数制限がありますから、削るときに、一文字二文字だけで改行になっているところは、どうしても一文字二文字だけ削除したくなるわけです。

「~~らしいんだよ」
     ↓
「~~らしいよ」

とか、

「とにかく、~~」
    ↓
「兎に角、~~」

とか、

「ただ、それを言ったら~~」
    ↓
「ただそれを言ったら~~」

みたいな感じで強引に2行を1行にしてしまう。そうやっていろんなところを削除してたんですが、これをすると、どうしても画像のように、1行20文字を目いっぱい使ってしまうことになります。で、塗りつぶすと真っ黒になってしまう。

本を読んでいるとき、改行がほとんどないページって読むのしんどいでしょ。あれと同じです。

だから、カットできるところをカットするのは内容を煮詰めるのにとても大事なことですが、できるだけ大きなギザギザを残したまま削っていくことが重要です。

つまり、ひらがなを漢字にして2行を1行にするとか、語尾をちょっとだけ削るとか、読点を省略するとかそういうことじゃなくて、そのセリフそのものをカットできないか、そのシーンを丸ごとカットできないか、と大きな視野に立つことが重要なのです。

かつて、姑息な手で削る作業をしていたからこそ、大いなる自戒と後悔をこめて!!