2017年09月27日

世の中には「許せない映画」というものが存在します。
私にとって最も好きな映画といっても過言ではない『ダーティハリー』の続編とされる『ダーティハリー2』がその代表格です。

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世界一かっこいい男クリント・イーストウッドが再び大活躍するこの映画。何が許せないといって「主人公の強烈なキャラクターを薄めてしまった」ということに尽きます。


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この映画では、最初、脚や顔以外の部位はわからない白バイ警官が汚職政治家などを血祭りに上げていきます。我らが主人公ハリー・キャラハンはその謎の白バイ警官を追うわけですが、ハリーは「自分の影」を追っているわけです。


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結局、白バイ警官の正体は、優秀な若い警官たちの集団であることが判明し、その首領格の男が、「あんたも仲間に入れよ」とハリーを誘います。ハリーは断りますが、彼自身、第1作では「悪い奴を射殺して何が悪い」と開き直っていたじゃないですか。私たちはそこに喝采を送ったんじゃないですか。

第1作は大ヒットしましたが、非難の声も多数寄せられたそうです。「悪い奴を殺して何が悪い」なんて主人公は嫌だ、と。それはわからなくもない。

しかし、だからといって、その言い訳のように、ハリーその人の分身のような人を悪役として出して成敗する、という筋立てがいやなんです。


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問題は「ハリーの分身」にあるのではありません。彼らを「悪」に設定していることです。

彼らはみな同じ制服を身に纏い、サングラスをかけて「顔のない不気味な存在」として物語内を闊歩します。それを顔をさらした主人公がやっつける。勧善懲悪の形を取りながら、主人公と悪役の違いは「顔をさらしているか」「独りか集団か」ということだけです。職務に関する考え方についてはまったく同じ。

つまり、ハリーは自分と同じ価値観をもつ者たちと闘っている。どちらか一方を「悪」と決めつけずに葛藤を高めていったら、ハリー・キャラハンという稀代のキャラクターがより深まることになって、第1作を超える傑作になったかもしれないのに、と残念でならないのです。(当然、その場合ハリーの分身は一人でないといけません。ちゃんと顔もさらした普通の男として)

白バイ警官たちも悪なら、ハリー・キャラハンだって歪んだ正義感をもった悪として考察できたはず。そこを怠った、というか、ハリーに分身を処罰させることで、相対的にハリーを善人にした、ハリーの歪んだ正義感を薄めてしまったことがこの映画の最大の罪ではないか、私はそう思うのです。


関連記事
『ダーティハリー』の肝は「わからない」というセリフにこそある!
②『L.A.コンフィデンシャル』
③『グレイテスト・ショーマン』
④『ゴースト・ドッグ』
⑤『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
⑥『ダイ・ハード』
⑦『タイタニック』


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この記事へのコメント

1. Posted by ブレッソン   2017年09月27日 18:48
こんばんは。
ブレッソンさんは2が嫌いでしたか。
以前4を大絶賛している記事を見てでも4と2って矛盾しているよなと思っていたのですがこれを読んで納得しました。
2は単独の刑事映画としてみればまあ悪く無いと思いますよ。ただ4のラストシーンが2の全てを全否定してしまったと思います。
ここで私に提案があるんですが、2の敵は1でサソリに殺された女の子の父親辺りにしていればよかったんじゃないでしょうかね?
これなら前作からの正当な続編というような感じですし1でバッジを捨てたハリーが再び現場に戻ることに関しても説明がつきます。
あのスコルピオ事件の被害者遺族が復讐の鬼になっていると知ればハリーは黙っていられないでしょう。
そしたら相手の役はチャールズブロンソンがいいですね。まんまポールカージーみたいな雰囲気でハリーと戦ったら盛り上がると思うのですがこのシナリオ、どう思いますか?
2. Posted by 鳥無き里の名無しさん   2017年09月27日 18:49
ああすみません。
なんか名前が間違ってしまいました。
最初のコメントは私のものです。
3. Posted by ブレッソン   2017年09月27日 19:37
鳥無き里の名無しさん、お久しぶりです。

おおおお、『2』に違和感を感じている人がいて百人力ってな感じです。あれはほんと一本のアクション映画としては上出来なのでファンがものすごく多いんですからね。
「80年代アメリカ映画ベストテン」でしたか、『4』こそ『1』の正当な続編と書きましたが、まさしく、鳥無き里の名無しさんと同じ主張ですね。

復讐鬼を敵役に設定したのがまさに『4』ですから。
やっぱり私の見方は間違ってなかったのだ! 

ちなみに、私は『1』から『4』までのアメリカ版ブルーレイBOXをもっています。『5』はどうでもいいので。
だから「許せない映画」に選ぶ映画には、やはりそれなりの風格が必要なんですよね。

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