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前回、前々回と萎えちゃうほどにつまらなかった『ウチの夫は仕事ができない』。昨日は久々のスマッシュヒットでしたね!

前回までの記事
①まっとうで健康的な王道ドラマ!
②ジェンダー論に切り込んだ第2話
③タフとやさしさ
④主人公を甘やかしてはいけない
⑤堕落していく…



さて、今回は「喧嘩」がテーマ。
一度も喧嘩したことがないという浮世離れした主人公夫妻。妻は喧嘩しなきゃと強迫観念に取りつかれて家事を放棄するも、人のよさだけが売りのウチの夫はまったく怒らない。
でも、何より大切な粘菌を妻がダメにしてしまったのを見て初めて喧嘩しちゃうんですね。

さて、このサブプロットがどう夫の仕事とリンクするかがカギなのですが…


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今回はこの人がカギ。

経理部のルール第一主義者・袴田吉彦。彼は締日を過ぎた経費の請求は一切認めない、書き間違えも一切認めない堅物社員なんですが、そのせいで納期の遅れた下請け業者が倒産しかける。我らが錦戸亮はその業者さんのために袴田に喧嘩を売る、と。

袴田だって何も意地悪をしているわけではない。それぐらい厳しくしないと会社が成り立たないからやっている。錦戸は自分と同じような人のよい社長さんのために、そして何より自分の会社のために支払いをお願いする。

どちらも正しい。
この「どちらも正しい」というのは重要なポイントです。

ちょうど一年前に『HOPE ~期待ゼロの新入社員~』というドラマがありましたが、そのときに「善と善」の対立がドラマを豊かにする という感想を書きました。

第一制作部のみんなが言うように袴田の行動原理が妬みやっかみだったらただ錦戸のほうが正しいだけで少しも面白くない。
どちらも会社のためにやっている、そこでどうするか、と主人公を迷わせる。

ただ…

前回「堕落していく…」と題して、最初厳しい世界で頑張る主人公を描くこのドラマが主人公を甘やかしていると批判しましたが、今回もやっぱりそれは変わらないんですよね。

だって、袴田という新キャラを出してくるというのが何よりの証拠。

↓こいつはなぜか錦戸の姉と同棲して腑抜けになってしまったし……
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頼りになるべきこの二人も、もうダメですね。
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壇蜜も佐藤隆太も完全に錦戸の味方で、特に佐藤は彼を仕事ができる奴に育てようと必死です。

どうするべきか主人公に迷わせる、と言いましたが、周囲の状況がそうさせるのならいいんですが、昨日のお話ではもう完全に佐藤隆太が迷わせてますよね。自分で難題を出して自分で解決できるように導いていく。ほとんどマッチポンプ。

だから錦戸を締め付ける新キャラが必要になった、ということでしょう。

もっと状況を枷にしてほしい。主人公より上位に立つ者が当の主人公のために立ち回るなんてつまらない!

と文句をつけるのがセオリーなんでしょうが、このドラマの場合、どうしてもそういう気にならないんですね。

なぜか。

それはもうこれしかありません。



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妻が言うように、どこまでもかわいい夫。

主要人物がみな主人公のために動くというのは、普通はあってはならないことなんですが、この作品の場合は錦戸亮の顔が、声が、すべてが、「こいつのためなら、ま、いいか」と思えてしまうから不思議。

ただ、でもやっぱりまだあと4回か5回あるわけだから、さらなる試練を与えてやってほしいというのが偽らざる本音です。

続きの記事
⑦ジェンダー論のさらなる発展!?
⑧善意で勝利した主人公、そして…