再放送中の『機動戦士ガンダム』ももうあと2話で終わりです。第14話まで見たときに、ファーストガンダムの政治学①地球連邦軍の非情 と題した日記を書きましたが、今回久しぶりの更新です。

シャアがジオン広告を牛耳るザビ家への復讐に燃えており、まず甘ちゃんの末っ子ガルマを罠に陥れて死なせます。公式には「ガルマを守れなかった」ということで左遷されてしばらくシャアは出てきません。


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シャアがいない間に出てくる魅力的なキャラがランバ・ラルで、グフの最初のパイロットですが、このランバ・ラルは「ガルマ様」と言っているし、ガルマはドズルの直属の部下だったはずだから、ランバ・ラルもドズルの部下なのでしょう。

さて、ガルマ戦士時点でのザビ家の人間は、

父親 デギン
長男 ギレン
長女 キシリア
次男 ドズル 

の4人です。


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この3人の権力争いが面白いわけです。

例えばキシリア直属の部下マ・クベ大佐。


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2週間くらい前の回では、ギャンで出撃してすぐにアムロにやられます。子どもの頃ギャンは弱いとバカにしてましたが、マ・クベやギャンが弱いのではなく、アムロがニュータイプとして覚醒してしまったからなんですね。もしランバ・ラルと戦ったころのアムロだったらいい勝負になっていたでしょう。

それはともかく、マ・クベは地球にいたころ、中央アジアで金鉱を採掘する役目を負っていたんですね。そして大きな鉱脈を発見したことをキシリア派以外の人間(つまりランバ・ラル)に知られてはならぬと部下に厳命します。ここらへんのジオン軍内部での派閥争いが今回の再見で最も面白いところです。子どもの頃は「地球連邦軍vsジオン軍」という構図でしか見てませんでしたから。複雑な政治情勢など少しもわかっていなかった。

シャアもランバ・ラルと同じくドズルの直属の部下でしたが、左遷されたあとに少佐から大佐に昇進して戦列に復帰します。キシリアの直属の部下として大佐になっているという設定ですが、ならばキシリアがシャアを引き上げた理由とは何なのか。

すっかり忘れていたシーンを昨日の第41話で見ました。まさに目から鱗!!!


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キシリアはシャアが自分たち一族に復讐をもくろむ本名キャスバル・レム・ダイクンであることを知っていながら引き抜いたと。シャアがララァというニュータイプを育てていることを知り、復讐よりもニュータイプのほうに興味が向いていることを鑑みたキシリアの判断だったらしいのですが、ここでシャアは恥ずかしそうにうつむいているのでおそらく図星なのでしょう。シャアがあのような表情を見せるのはすごく珍しい。

キシリアの本当の狙いは何なのでしょう? 自分たちの寝首をかこうとしている男をどう利用しようというのでしょうか。



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ドズルはすでに数話前にアムロたちに殺されているし、デギンは昨日の回でギレンに殺されました。
連邦軍の最高司令官ネビル将軍のもとへ和平交渉に行ったデギンを「父上は年を取って弱気になられた」とソーラ・レイ・システムで殺すラストシーンでしたが、これは憶えていましたけど……え、ってことはネビル将軍も死んだということですよね。

このへんぜんぜん憶えてない。

というか、ネビル将軍といえば、地球連邦軍もジオン軍に負けず劣らずかなりえげつないんですよね。
軍人ではなく一般市民でしかなかったホワイトベースの連中をむりやり軍人にする。そうしないと軍法会議で死刑にするしかないからでしょう。シャアと互角に戦えるアムロや、アムロたちを統率できるブライトは自軍に引き入れておきたいという政治的思惑が透けて見えます。

とはいえ、ホワイトベースは地球連邦軍にとって「捨て石」にすぎないというところが非情というか、富野由悠季さんの厳しい世界観の顕れです。
昔は、ホワイトベースこそ地球連邦軍の中心だと思って見てましたが、ただの「囮」だったんですね。囮である以上は都合のいいときにやられてくれればいい、とネビル将軍が考えているということであって、中央幹部たちにとってホワイトベースというのはほとんどどうでもいい存在なのです。ジオンの目をそらせてくれさせすればそれでいい。

昨日のラストシーンで、ア・バオア・クー近くに陣取っていた連邦軍の艦隊が全滅したわけだから、ずっと囮として周縁部で戦っていたホワイトベースが、戦いの中心部ア・バオア・クーに乗り込んで最終戦争に至るわけですか。なるほど。

「戦争は血を流す政治であり、政治は血を流さない戦争である」という毛沢東の言葉を思い出すならば、あと2話は全面戦争ですから「血を流す政治」しか見られないのかな。「血を流さない戦争」のほうに興味津々の当方はもうあまり楽しめないのかも。ギレンやキシリアがどういう最期を迎えるかは憶えてるし。

でも、キシリアがシャアを利用しようとした本当の理由は気になる!

続き
③「戦後」を見据えるシャアの深謀遠慮