クドカンの最高傑作『ゆとりですがなにか』がついに昨日で終わってしまいました。

①問題作『ゆとりですがなにか』の問題とは何か
②怒涛の第8話を振り返って
③島崎遥香の役名を「ゆとり」にしたクドカンの熱き想い

これまでこのドラマについていろんなことをつらつら書いてきましたが、今回の最終回は8話、9話に比べるととても落ち着いたものでした。

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9話までで「ゆとり世代」に関するテーゼをしっかり打ち出したからでしょう。最終話はそのためにとっ散らかった人間関係を整理するための回でした。

といっても、そこはクドカン。いろいろ面白い趣向を見せてくれました。

わからなかったのは、冒頭で酒瓶を倒し、そこで吉野家で酒瓶を倒す岡田将生の姿がフラッシュフォワードで見せたこと。何度かあのカットはフラッシュフォワードされてましたが、いったい何のためだったんでしょう?

松坂桃李の性教育の翌日が結婚式で、二つのシーンを交互に見せていたのは、あれはフラッシュバックでもフラッシュフォワードでもなく、時間を超えたカットバックですよね。

思春期とは何か、から始まって、心は死ぬまで思春期です、と子どもたちに教える松坂桃李が、上司と一夜かぎりの関係になったことで破談になりそうな岡田将生と安藤サクラを温かく見守るいいカットバックでした。なるほど、童貞教師の性教育って単なる下ネタじゃなくてこういうふうに使うつもりだったのかと、クドカンの深謀遠慮にはまたしても唸らざるをえませんでした。

あそこは脚本の段階からああいう構成だったのは明白ですが、岡田将生が酒瓶を倒すフラッシュフォワードはもしかして撮影のあとの編集でああなったんでしょうか。気になります。いずれにしてもあまり効果がなかった気がするのでちょっと残念でした。

しかし、岡田将生と安藤サクラはめでたく結婚できたし、松坂桃李は童貞卒業&吉岡里帆と恋仲になったし、柳楽優弥の中国人妻は吉野家で見つかったうえに(吉野家はすべての中国人の味方です!)強制送還されずにすんだし、柳楽も植木屋として何とかやっていけそうだし、島崎遥香は旅行会社で何とか頑張ってるし、最初はどうしようもないゆとり野郎だった太賀は自分で自分のことを笑いのネタにできるようになったし、最後までダメなのは吉田鋼太郎演じるレンタルおじさんだけですかね。(笑)

とにかく、このドラマの主題は前回までで描き尽くされてるのでほぼすべて丸く収まったのならもう何も言うことはありません。




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