「~~だっていいじゃないか、人間だもの」などの独特の文字で書かれた詩で有名な相田みつを。

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私はかねてからこの相田みつをの詩が大嫌いでして。何だか思い出しただけ恥ずかしくなるのです。

なぜ嫌いかというと、前は、

「最後に『人間だもの』をつければすべて許されてると思っている」
「それを究極まで推し進めれば『人を殺したっていいじゃないか、人間だもの』みたいなことも言えてしまう」

とかって思ってたんです。

いや、いまも思ってるんですが、この度それとはぜんぜん違う、もっと本質的なことに思い当たりましてね。

ふと「俺って言葉を信じてないなぁ」と思ったんですよ。

ずっと前、「あなたは言葉を生業にしているんだから言葉の力を強く信じているはず」みたいなこと言われたことあるんですが、そのときの違和感の正体がわかりました。

私は言葉の力など信じておりません。

いくら千言万言尽くそうとも、本当に大事なことは言葉じゃ言えんのです。言葉に力があれば言えちゃうはずでしょう?

だから私は言葉の力など信じていないのです。だから平気で心にもないことを言うし、大言壮語して周囲を混乱させることなど日常茶飯事です。

でも、おそらく相田みつをという人は言葉の力を信じているのですね。でなければ「つまづいたっていいじゃないか、人間だもの」みたいな言葉を本気で唱えられないと思うんですよ。

でも、「つまづいたっていいじゃないか、人間だもの」はたぶんウソです。間違ってるとは言いません。正しいのでしょうが、おそらく相田みつをは心の底からそう信じて唱えていたとは思えない。

言葉の力を信じているにもかかわらずその言葉で無意識にウソをついている。これが一番の理由じゃないか。

どうせウソをつくなら意識的につこう、というのが私のスタンス。無自覚なウソとは無縁でありたいと常に思っています。

続きの記事
新・相田みつをが嫌いな理由(あれは「似非作品」なり!)


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