聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

「大きな物語」は本当に失われたのか?

ポストモダンというものに疎いので見当違いのことを言うかもしれませんが、どうぞご容赦を。

さて、いまという時代を論じるときに「大きな物語が失われた時代」っていう決まり文句がありますよね。

あれって何かいつの間にかそれが当然みたいになってますけど、本当に大きな物語って失われたんでしょうか。

内田樹先生は、「決まり文句を容易に信じてはならない」と様々な本で語ってらっしゃいます。
「一度上げた生活レベルは下げられない」を代表として挙げてますが、「本当にそうなのか」という確認を怠ったまま、大多数の人間が同じことを言ってるから正しいと盲目的に信じて口にしているだけと内田先生は難じています。

「いまは大きな物語が失われた時代だ」というのも同じなんじゃないでしょうか。

戦争や革命などの大きな物語があった時代といまは大きく違うかもしれませんが、それでもやっぱりいつの時代でも、「人間は〝世界史″の中で生きている」のですからね。

確かに、大きな物語が失われたような気はします。だけど、それって主観的なものなんじゃないのかな、と。

「いまは大きな物語が失われた時代だ」と言う人は自分の視座からしかものを見てないんじゃないですかね? だから自分が歴史の大きなうねりの中にいることが見えない。

銀河系を真横から見た想像図がありますけれど、ああいうふうに超絶的なまでに客観的に自分の立ち位置を見つめないと、銀河系が回っていて、その中の太陽系も回っていて、地球はその太陽の周りを回っていて、自分はその渦中にいる、ということが見えないんじゃないかと。

「いま/ここ」にいながらにして、未来から「いま/ここ」を見る視座を獲得することが重要なんだと思います。

どんな時代でも「大きな物語」はありますよ。
「いま/ここ」の視座からは見えないだけで、後年になって「あぁ、あの頃はこうこうこういう大きな物語な中に自分はいたんだな」と誰しもが思うんじゃないでしょうか。


バチが当たったピケ スーペル・コパ2ndレグ バルサ1-1ビルバオ

スペイン・スーパーカップ第2戦。90分以内にバルサが4点以上取らないかぎりビルバオの優勝が決まるこの一戦。守りに入らないでくれと思っていたら、こちらの思惑どおり、ラインを高めに設定して前からプレスかけてましたね。よかった。

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それでもルイス・スアレスの胸パスからメッシが意地のゴールを決めたのはさすがでした。もしかして後半、怒涛のゴールラッシュで逆転されてしまうのか。そんなことになったらウルトラ大逆転ということで今週末から始まるリーガでもバルサが調子よくなってしまうではないか。何とかしのいでくれ、ビルバオ!!

と思っていたら、後半も前から激しいプレスでなかなかチャンスを作らせない。この状態を試合終了のホイッスルまで維持できれば優勝できる、と祈る気持ちでいたら、何とピケが副審への暴言で退場と。これで勝ったも同然。いやぁ~、ピケ様様ですよ。

ピケといえば、ちょっと前は紳士的発言で知られていたけど、最近変わったみたいで、CLで優勝したときとか、先日のUEFAスーパーカップを取ったときとか、「レアルの奴ら、いまごろ悔しがってることだろう」みたいな発言をツイッターでしたとかで、クラシコで勝ってそういうこと言うならわかるけどレアルと関係ないところでそういうこと言うのは許せない!

というわけで、バチが当たったんでしょうな。審判に何と言ったのかは不明ですが、ちょっとやそっとでは一発レッドなんて出ない。

しかもそのあとのルイス・エンリケの采配もわからなかった。

解説者が言ってたように、2枚替えしたことでトーンダウンしてしまったんですよね。
いったいどういう風に戦うのか、システムは何なのか、さっぱりわからない。メッシが下がってイニエスタとインテリオールなのはわかったけど、問題はブスケツですよね。センターバックに入って攻撃時はひとつ上がるのか、どうなのか。サイドバックのダニエウ・アウベスとマテューも何か中途半端な位置取り。入った若いFW2人にはまったくボールが入らないし。

と思っていたら、後方からのフィードでマテューが競ったこぼれ球がアドゥリスの足元に…。そこにバルサの選手は誰もいない。何というザル守備。いったんはキーパーが弾いたものの、押し込んだアドゥリスはこれで2試合合計バルサから4得点。間違いなく今大会のMVPでしょう。

何しろ敗因はやはり第1戦のスタメンを間違えたことでしょうね。あれじゃ勝てない。

いま知ったんですが、ビルバオとバルサは何とリーガの第1戦でも対戦するらしい。スーペル・コパで対決すると知っててこの組み合わせ。しかも舞台はサン・マメス・バリア! こりゃビルバオ絶対優位ですぜ。

このままバルサが沈んでくれるとマドリディスタの私としてはうれしくてしょうがないんですがね。ははははは。(その前に自分のチームがどうなのか、ですな。とりあえず、セルヒオ・ラモスと契約延長にこぎつけたのは朗報です)



『民王』第3章「政敵」(政治は義理と人情!)

先週はお休みだった『民王』の第3章「政敵」を見ました。

無題
うん、前回はちょっと肩透かしを食らっちゃうくらいつまらなかったけど、今回は面白かった。まさか、という展開に。

今回のキーワードは「義理と人情」。

ちょっと前の日記で「義理と人情の任侠映画は古いのか?」と題したものを書きましたけど、いや、やっぱり義理と人情は永遠に不滅ですよ!

体が入れ替わってしまった総理(座右の銘は「政治は義理と人情」)とそのバカ息子。何と二人とも奥歯にチップが埋め込まれており、何者かが遠隔操作で二人の脳内をいじっているらしいことがわかったのが前回のラストでした。

総理は、政敵である蔵本(草刈正雄)という野党代表が犯人だろうと決めつけます。蔵本は警察官僚上がりだから公安を動かせる、だからよけいに怪しいというわけですが、フィクションにおいてこういう推測は必ず外れるんですよね。だって当たったら面白くないから。

さて、その政敵・蔵本とのテレビ討論において、こっちも遠隔操作してやろうじゃないかとばかり、総理が息子のイヤホンにどう答弁すべきかすべて教えてやるからおまえはその通り話せばいい、と指示するんですね。

で、フィクションにおいてはこういう目論見は必ず失敗するんですよね。だって成功したら面白くないから。

案の定、総理秘書のパソコンがフリーズしたかと思えば、バカ息子はイヤホンを外してしまう。そこへ蔵本の質問、「総理、あなたは東京都の最低賃金がいくらかご存じですか?」と。

続けざまに「あなたはそのイヤホンで秘書に答弁を教えてもらわないと何も答えられないんじゃないんですか?」と攻めてくる。万事休すか!?

しかし、バカ息子は最低賃金を知っていたのです。しかも、この時代の若者の貧困が具体的にどんなものか蔵本に質問します。

「最低賃金で1日8時間、月25日働いて給料はいくらだと思います? そこから家賃、光熱費、学費を引いた1日の生活費はいくらだと思いますか。774円です。もし風邪を引いても病院にさえ行けないんですよ。そのまま休みがちになったら給料が減るうえにクビになる。そして大学を辞めざるをえなくなるんです」

おそらくバカ息子の周りにそういう若者が一人はいたのでしょう。こういう感覚は永田町界隈だけで生活していたのでは絶対わからない。

さらにバカ息子はこう続けます。

「もう足の引っ張り合いはやめませんか。みんなで力を合わせて弱い人を助けましょうよ。泣いてる人を笑顔にしましょう。夢をもった若者を応援していきましょう。だって政治は義理と人情ですから」

そうなんですよ。義理と人情が一番大事。だから任侠映画はもう古いんじゃないかとの言葉は撤回します。いまこそ任侠の精神が必要な時代なのです。

ドラマは拍手喝采ののち内閣支持率は急上昇で終わりかと思ったら、知英演じるバカ息子の同級生が総理に色仕掛けで迫ってくるんですよね。肉食系の総理は鼻血出しながら感激するんですが、何と、その女子大生、実は政敵・蔵本だったのです!

蔵本と知英の体が入れ替わってしまったのでした。何という衝撃の展開。

なるほど、だから本仮屋ユイカと知英というあまり意味のなさそうな配役が必要だったんですね。大納得。

ここから先はまったく予測不能。次回からも括目して見よう。

いやぁ~、『民王』って、ほんっとに素晴らしいですね!!



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