聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

リーガ第3節 首都マドリードvsカタルーニャ州都バルセロナの2試合

ちょっと前までなら1日に2試合も見る時間はなかったんですけど、もう時間を気にする必要はなくなったので、レアルの試合だけでなく、アトレティコvsバルサの試合も続けて見ました。


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レアルは「得点力不足」と批判されたのがはるか昔であるかのようなゴールラッシュ。
エース、クリスティアーノ・ロナウドが5ゴール1アシストの大車輪の活躍でだったし、ベイルのトップ下がようやく機能し始めてきたし、ベンゼマのポストプレーはやっぱり素晴らしいし、クロースがいなくても、カゼミーロ、モドリッチ、コバチッチのセンターハーフに少しも危なげがなく、6-0の圧勝。

しかし、後味が悪いのも事実。

後半、5-0で勝っていたとき、エスパニョールのクロスがマルセロの手に当たったんですよね。主審は充分見える位置にいたにもかかわらず、PKの笛を吹きませんでした。どう見てもあれはPKでしょう。

同じことがアトレティコvsバルサの試合でもありました。

ネイマールのシュートがアトレティコの選手の手に当たったのに主審はハンドの笛を吹かなかった。バルサの猛抗議にも「脇を締めてただろ」というようなジェスチャー。でもスローで見るとぜんぜん脇を締めてない。あれは明らかにハンド、PKでしょう。

この2試合、1試合は愛するレアル・マドリードの試合であり、もう1試合は強豪同士の対決ということで見たんですが、奇しくも、多民族国家スペイン王国の首都マドリードのチームvsカタルーニャ州の州都バルセロナのチームの対決だったんですね。

カタルーニャといえば、独立運動が盛んであることがよく報道されてますが、どうも今日の主審はカタルーニャ独立に反対の立場で、それがジャッジに影響を及ぼした感があります。というか絶対そうでしょう。マドリード中央政府に反旗を翻すとこうなるぞ、みたいな。

レアルが大勝したけど、あまり気分がよくないし、逆にバルサが勝ってよかったと思います。そりゃマドリディスタの私からすれば、引き分けかアトレティコが勝ってバルサが勝ち点0で終わってくれるほうが都合がよかったんですが、審判に試合を壊されるくらいなら実力通りバルサが勝つほうがずっといい。

ロナウドの圧巻5ゴールやフェルナンド・トーレスの先制弾にも燃えたし、ネイマールの劇的同点フリーキックもすごかったけど、主審の不可解な判定のあとのメッシの意地の勝ち越しゴールが今日の2試合通して一番感動した場面でした。

人間は政治的な動物だから、それぞれ政治的主張はあってかまいません。特に選手がそういう思いを胸に戦うのは相乗効果を生むと思いますが、審判が政治的立場から不公平な判定をするのは絶対に許してはなりません。

政治的主張をしたいなら試合中でなく、別のところでやってもらいたい。

と切に思います。



マジで面白い『振り込め詐欺』(階級闘争の果てに…)

先日WOWOWで放送された、貝原クリス亮監督『振り込め詐欺』を見ました。

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ろくでなしの男にウリをやらされている女が、もっと金が必要だということで、「振り込め詐欺研修会」みたいなところに送り込まれるんですね。

そこで、こんなに簡単に大金が手に入る、と振り込み詐欺の手口のイロハを教え込まれ、首尾よく騙せたら1割もらえるという仕組み。ほんとにこんな研修会があるのかどうかは定かじゃないですが、かなり高い確率であると思われます。現実の日本社会では史上最も詐欺師が多い時代じゃないかと思えるほど振り込め詐欺に手を染める人が多いですもんね。

で、その組織が振込口座をタレコミされてしばらく活動を凍結することを決めたのをきっかけに、主人公は一緒に研修会に入った女と組織には秘密で大金を騙し取っていくんですが、それが組織にばれてしまい…

という物語なんですが、この映画には一人も善人が出てきません。主人公だけは仕方なく、という感じでしたけど、後半は自分から率先して詐欺に手を染めるし、彼氏も殺しちゃうし。

現実に振り込め詐欺に被害に遭う人が多数いて、私自身は騙される奴のほうが悪いと思ってるんですが、それは抜きにしても、主人公に対する反発はありません。

なぜなら、研修会と称してはいるものの、おそらく暴力団の末端構成員とおぼしき男が、恫喝に恫喝を重ねて無理やり詐欺の手口を教えていくんですが、主人公は彼から9割も搾取されているわけで、だから、これはもう「プロレタリアートによるブルジョワジーへの反逆」なんですね。階級闘争。思わず応援したくなっちゃう。

とはいえ、研修員の男にも反感を感じないところがミソ。
彼は、「世の中カネだ、カネがすべてだ!」とわめくんですが、その言葉の是非はともかく、そこに彼の人生観・人間観が詰まっていると感じるからです。おそらく貧しい幼少時代を過ごし、金を騙し取られたこともあったのでしょう。金さえあれば、金さえあればこのクソみたいな人生を変えられる、そう信じて振り込め詐欺に血道を注いでいるのがわかるのです。

そうです。彼もまた階級闘争の下位に属する者なのです。何割かは知りませんが、組から搾取されているはず。

てことは、その上位にいる人間、金をたんまりもっていながら自分では何もせず人をこき使うだけの輩を出さないと片手落ちじゃないの? 主人公とその男が手を組んで暴力団に喧嘩を売るぐらいのことをやってほしい、と思いましたが、これはないものねだりかな。この映画の予算ではあまり大がかりな立ち回りとかできそうにないし。

でも、『真夜中のカーボーイ』みたいなエンディングにちょっと引いたのも事実。できれば、主人公には勝ってほしかった。金は得たけれど…という最後じゃなくて、金をゲットして超ハッピー! という能天気な映画を見たかった。

悪事に手を染めた主人公が何の裁きも受けずにハッピーエンド。それが正しい「階級闘争映画」のあり方じゃないかな、と。

とはいえ、何だかんだと考えさせてくれるこの『振り込め詐欺』はマジで面白かった。おすすめです。



百田尚樹が「週刊リテラシー」で口走った3つの間違い

今日の「週刊リテラシー」ゲストは「炎上王」として知られる百田尚樹氏でした。

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いままで写真でしか見たことがなく、喋ってるところを初めて見ましたが、なかなか面白いおっさんですね。

しかし、いくら面白いといってもその思想は容認できないというか、論理的にかなりおかしいことを言っていました。

最初の半蔵門世論調査「18歳で成人に賛成ですか、反対ですか?」という問いに対しては、選挙、酒・たばこ、少年法とさまざまな事柄を全部一緒くたに論じるのはおかしい、それぞれ別個の問題として考えるべきではないか、との答えで、これには私も大賛成。上杉隆氏の「人それぞれ大人になる年齢は違う」というのにはもっと大賛成。

しかし、話が安保法制に移ると百田氏は馬脚を現すのでした。

①安保法制に反対する大がかりなデモが先週末あったことに対して「主催者発表の12万人を信用したとしても日本人全員のほんの0.1%。たったそれだけの人の意見で法案が覆るなんておかしい」との発言。

そりゃ確かにデモに集まった人の数は0.1%なんでしょうけど、デモに行った人間だけが安保法制に反対でそれ以外は全員賛成みたいに言うのは論理的におかしいです。私みたいに反対だけどデモに行かなかった、そもそも行きたくない人間だっているんですから。(私がデモに参加したくない理由は過去に書いてるので興味のある方は読んでみてください)

デモに行った人は、「何が何でも反対!」の人たちなんですよね。だから「そこまでじゃないけど猛反対」から「猛反対じゃないけど結構強く反対」とか「普通に反対」「どちらかといえば反対」までを入れると結構なパーセンテージになると思うんですが。

安保法制に反対してる人は一部のバカだけみたいな言説は橋下徹も言ってましたけど、ああいうのを我田引水というんだろうな、と。

あと、何が何でも反対!の人たちのネット上での盛り上がりに乗ろうと「ファッション」としてデモに参加してる人もいたはずなんですよ。「デモに参加してる俺ってかっこいいでしょ」みたいな。そういう人たちは思想的には百田氏たちの考えるようなバカかもしれませんが、しかし、政治現象としてファッションになるまで反対意見が高まっているというのは、やはりかなりの人の数があの法案はおかしいと感じてる何よりの証左だと思うわけです。


②安倍総理が参議院での安保法制論議そっちのけで大阪まで「ミヤネ屋」に出演しに行ったことについて、参院特別委員会の委員長から「いかがなものか」と批判され、参議院の委員会での採決ができなくなるのではないか、そこまでしてミヤネ屋に出るべきだったのか、ミヤネ屋よりリテラシーに出てよ安倍総理!!と司会の田村淳が大声で叫ぶと、百田氏は「視聴率が違うから」と言っていました。

言っていることは正しいでしょう。でも、見てる人の層がぜんぜん違うじゃないですか。ミヤネ屋を見てるアホな主婦と、週刊リテラシーを見てる政治に興味津々の老若男女とはまったく違う。

視聴率が違うから、じゃなくて、ちゃんとリテラシーをもった人たちに向けて言葉を発したら危ないと直感してるんでしょ。アホな主婦向けならいくらでも喋れるし騙せるという計算もあったのでしょう。

だから「視聴率が違うから」という発言は間違いというよりそういう計算を含んだものだった、というところですかね。


最後のは一番ひどいです。


③安保法制について、解釈改憲をするぐらいなら堂々と憲法を改正すればいい、との発言。

これはこれで正論でしょう。

しかし、この発言の直前には「この法案ははっきり九条に違反してるから」と言ってました。違憲なのだから憲法を改正して合憲法案として堂々と国会を通せばいいと。

違憲?

確か番組の最初のほうでは、「安保法制は戦争をしないための法案」と言ってませんでしたっけ?

本当に戦争をしないための法案なら九条に違反していません。それを違憲とは、ついに本音がポロッと出てしまったようですね。やはり安保法制は「戦争法案」なのですよ。

ならば百田氏の言うとおりはっきり違憲なのだから、何が何でも成立させてはいけません!!!!!



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