聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

リーガ第22節 レアル6-0エスパニョール(躍動する中盤!)

前節ベティスに先制されながらも何とか試合は支配するも引き分けに終わったレアル・マドリード。今節はホームにエスパニョールを迎えての一戦。さて、気持ちを切り替えて再びショーを繰り広げられたのでしょうか。

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終わってみればクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックなどで6-0の圧勝。ホームでは3試合連続のマニータ。ジダン新体制になってこれで3勝1分け。17得点、2失点という上々の滑り出し。

もう「ベニテスがいなくなった」ご祝儀ではなく、完全にジダンの力ですね。

何より、イスコが生まれ変わったのが大きい。もともとジダン監督になってから貢献度は大きかったんですが、主に守備面でした。でも今日は攻守ともに大活躍。モドリッチ、クロースとともにレアルの要になっています。

確かにロナウドの2点目はすごかった。ダブルタッチから相手を二人かわしてのゴラッソ。

でもね、前線の3人全員が得点できたのは中盤の3人が躍動していたからですよ。ゴールを決めた選手ばかり取り上げられるのは納得がいきません。

ラ・デシマを達成した2季前、シャビ・アロンソ、モドリッチ、ディ・マリアという中盤3人が要になってましたが、そのときと同じような感じになってきました。アンチェロッティの右腕だったジダンだからこそ再現できた中盤の躍動ぶり。

ボールロスト後の奪い方が速いのも素晴らしいですが、今日の試合で目を引いたのは、サイドに散らしたときのサポートがめちゃくちゃ速かったこと。サイドバックがボールをもてばインサイドハーフがサポートに、インサイドハーフがボールをもてばウイングがサポートに、という感じで、ベニテス時代のようにサイドで孤立するシーンがほとんどありませんでした。

あとは、解説の宮本が言っていたように、ハメスが中へ切れ込んで相手DFがそれにつられたときにスパンとサイドへ散らしてそこからクロスというフリーランニングを多用した流れるような攻撃。ジダン就任当初から見られたショートパスを多用したポゼッションサッカーも板についてきました。

しかしながら、今日はワンツーがほとんどありませんでした。一応走ってはいるけど、エスパニョールより走行距離も平均スピードも劣っていたのはパス&ゴーがあまり実践されていなかったからではないでしょうか。

これまで選手交代で違いを見せられなかったジダンでしたが、今日は最初に入れたヘセが大活躍で彼のファンである私はうれしいかぎり。モドリッチとクロースを休ませられたのも収穫かと。ただ、前節みたいに苦しい状況をいまだ変えたことがないのが不安材料。

少し先にはアウェイでのマラガ戦、そしてCLーマ戦(これもアウェイ)、次がホームとはいえダービーと厳しい日程。ここを3連勝できるかどうか(ローマとは引き分けでも御の字ですがその代わり1点は取ってね)が鍵になるでしょう。

難癖ばかりつけてしまいましたが、ジダン・レアルが徐々に完成の域に達してる感じがします。

期待してますよ!



リーガ第22節 バルサ2-1アトレティコ(行けるぞレアル!)

今日はバルサとアトレティコの頂上決戦。
勝ち点で並んでるように見えますが、バルサはクラブワールドカップ出場のために消化が1試合少ないのであくまでも暫定で同点。アウェイとはいえヒホン相手にバルサが負けるとは思えないので実質アトレティコが2位での対決。

マドリディスタの私としては引き分けてくれるのがいいかな、いや、でもできるだけバルサが勝ち点落としてくれたほうが後々いいかな、などと、まぁどちらのファンでもないので純粋に試合を楽しもうと思って見たんですが、残念な試合になっちゃいましたね。

アトレティコが先制して「お!」となるも、メッシが同点弾。さすがメッシ。

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知らない人が見たら「何でこんな選手を先発させるの?」と思われてもしょうがないほど並み以下のプレーに終始してましたが一発で仕留めてしまった。ああいうところが「もってる人」と言われる所以なのでしょう。

そしてダニエウ・アウベスからのフィードに抜け出したルイス・スアレスがDFを振り切って泥臭いゴールで逆転。でもまだまだ前半。何がどうなるかわからない、面白い試合だ。

と思っていたら、フィリペ・ルイスが足の裏でメッシの足を削りに行ってしまい一発レッド。フィリペ・ルイスは最初から苛々したラフプレーを連発してたけど、何かあったの? 
ただここまではまだよかったんですよ。サッカーでは一人少ないほうが勝つことって少しも珍しくないから。逆に堅守速攻で点取れるかも。

と思っていたら、後半ゴディンが2枚目のイエローで退場。

何と11人対9人。

もう万事休すか。いくら何でも2人も少なくてしかもバルサ相手では同点すら不可能だろう、ここからティキタカ・ショーが始まる。

と思っていたら、バルサ、最後まで1点も取れなかった。逆にアトレティコのほうに何度かチャンスがありました。

これはレアルには朗報ですね。

アトレティコはこれでリーガ2試合続けて勝利なし。国王杯も含めると公式戦4試合連続で勝利なし。しかも2連敗。次節はフィリペ・ルイスとゴディンだけでなく、怪我で交代を余儀なくされたアウグスト・フェルナンデスも出られないだろうし、苦しい戦いを強いられます。

それよりマドリディスタとして希望が見えたのはバルサの戦いぶり。得点シーンはさすがの一言ですが、他に見るべき場面があまりなかった。

逆に、前半アウグスト・フェルナンデスがミドルシュートを打った場面なんか、なぜ誰も当たりに行かないのか不思議なくらいのいいかげんな守備。ルイス・エンリケ監督も激怒してました。

さらに、スタッツを見るとボール支配率が70対30。この数字は絶好調のバルサなら11人対11人でも簡単に記録できる数字。それを2人も少ない相手にこれですから。パスミスも200本近くあるし、バルサらしくない。

加えて、ゴールチャンスが5対4、枠内シュートも6対4って、試合を見てない人なら最後まで退場者が出なかった普通の試合と思うでしょう。

国王杯は見られないのでよく知りませんが、このところバルサはビルバオやエスパニョール、マラガといったチームとのアウェイ戦で「らしくない」戦い方をしているとか。それが今日はホームで出てしまった。退場者が出なかったら負けてた可能性のほうが高いのでは?

だから、実質7ポイント差とはいえ、レアルにもチャンスありですね。アトレティコはおそらくこのまま沈んでくれる。あとはバルサが勝ち点を少しずつ落として…そしてクラシコで仕留める!

というのが最上のシナリオでしょうか。



『マネーの天使』に見る詐欺問題の奥の奥の恐ろしさ

テレビ東京系で放送中の『マネーの天使』。昨日の第4話で約3分の1が終了したわけですが、いままで楽しんで見ていた反動なのか、何だか物足りないというか、詐欺という問題の奥の奥の恐ろしさを見る気がしました。

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第1話では当ドラマの主役である小籔千豊がブラック企業の社長から未払い分の給料を奪還する話が描かれました。

第2話では、とんでもないヒモ男に騙されて貢ぎ続けた女が、第3話では婚活マンション詐欺、第4話でははっきり自分の意見を言えない気の弱い女が意地悪なママ友に借りた金を踏み倒される姿が描かれました。

そして同時に、片瀬那奈扮する弁護士志望の女ではなく、彼女が経営する料理店で働く葵わかな演じる女子高生の豊富な法律知識で問題を解決する様も描かれました。

確かに騙していたほうは悪い。断罪されてしかるべきでしょう。

しかしながら、騙されていたほうの「問題」はどうなるのでしょうか。

誤解のないように断っておきますが、私は「責任」とは言ってませんよ。責任は騙した側だけにある。でも「問題」は騙したほうと騙されたほうの双方にあると考えなければなりません。

ヒモ男に騙されていた女は、片瀬那奈たちに相談しながらも、ヒモ男の甘言に再度騙されます。意地悪ママ友に騙されていた女も、「分割で払うから」という言葉を信じたために、「毎月500円ずつの支払い。完済するまで33年4か月」という地獄に叩き落されます。それ以前に、再三再四金を無心されながら一言も抗弁しなかったのは大いなる問題です。

騙されて、相談し、また騙されて、相談してやっと相手が悪いと知る、というのは、物語を面白くするための仕掛けだけの問題ではないと思います。騙される人間は簡単に相手の言うことを信じてしまいがちなのです。ああ、またこの人は騙されてしまうんだな、そういう顔してるもの、と見てるこちらは呑気に思ってしまいますが、そのような騙される人物の行動原理が物語を展開させるためだけに利用されてしまっている、というところに詐欺問題の大いなる問題が潜んでいると私は思うのですよ。

つまり、詐欺は加害者を断罪すればそれでおしまい、被害者も金が返ってくればそれでよし、という能天気さ。この能天気さはテレビで1時間夢物語を見て憂さ晴らしをしたい人には効果があるのかもしれませんが、まさにそこにこそ詐欺問題の奥の奥の恐ろしさがある。

被害者にも問題があるのにそれらすべて閑却してしまうのは片手落ちもいいところでしょう。しかし、その片手落ちをおそらく作り手も受け手である視聴者も片手落ちと感じていないことが恐ろしいのです。

これまでの4話で騙された人物はおそらくラストシーンのあとも再び新しい悪人の甘言に騙されて金を取られるはずです。問題は何も解決していない。それ以前に、彼らの問題を「問題」とは作り手も受け手も少しも考えていない。

希望はあります。

第1話の被害者は他でもない主人公です。だから、小籔千豊演じる彼が再び騙されることによって、「なぜ詐欺の被害者は騙されるのか」という究極の問題に取り組んでほしいのです。

そこを描かなければドラマじゃない。




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