聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

冬の新ドラマ第1回前半戦(『はぶらし/女友だち』が面白い)

先日の日記(こちら)で、今クールは7本も見なくちゃ、なんて書きましたが、実は10本になっちゃいました。

WOWOWの2本を忘れていたのと、片瀬那奈の顔はできるだけ見たくないから見ないといった『マネーの天使』が、やはり小藪千豊や竹中直人が見たいのと、何より内容が面白そうなのでね。金銭トラブルに見舞われたときの勉強としてもいいかな、と。

で、すでに6本の第1回を見終えたので、その感想をつらつらと。(見た順)

『はぶらし/女友だち』

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これは面白かったですね。まだ続くんで「面白かった」というのは語弊がありますが、かなり面白くなりそう。
人気脚本家の内田有紀のもとへ20年ぶりに同級生・池脇千鶴が一晩だけでいいから泊めてと訪ねてくる。子どもを連れてるし、仲のよかった友人だし、泊めちゃうんですね。内田有紀がいま書いてる脚本が池脇千鶴との思い出そのものを基にしているという引け目もあるに違いありませんが、物語は案の定というか、こちらの期待通りに一晩では終わらず、池脇千鶴がずっと居座りそうになることを暗示して第1話終了。主人公が困りに困るので見てるこちらは引きつけられます。
そして、何といってもタイトルが秀逸。『歯ブラシ/女友だち』では風情がありませんし、『はぶらし/女友達』では左右のバランスが悪い。『はぶらし/女友だち』という絶妙なブレンドが素晴らしい。

『マネーの天使』
片瀬那奈がうるさいんですが、結構面白かったです。葵わかなという女優さんがいいんです。かわいいとかじゃなくて(かわいいけど)ものすごく風格があってよろしい。まぁそういう役どころなんですが。でも目ヂカラのある役者さんってほとんどいなくなってしまったので貴重な存在になるんじゃないでしょうか。
雇用や給料未払いに関する法律知識も満載で勉強になります。

『逃げる女』
鎌田敏夫さんが脚本だから見ましたけど、これはもう見ません。
友人の嘘の証言で殺人犯として服役していた女が再審請求を認められて釈放されて…という設定が何かもう古臭くて。全体を覆う陰鬱な雰囲気も好きになれません。

『傘をもたない蟻たちは』
SFしか書いたことのない小説家が恋愛小説を依頼され、苦肉の策で一編ひねり出す、そのひねり出した物語がドラマのほとんどを占めるわけですが、面白くないわけじゃないけど、どうしても次見ようという気が湧いてこないんです。ものすごく安っぽいのが原因でしょうか。武田玲奈がまだ出てきてないのが気になりますが、もういいです。

『荒地の恋』
70年代中頃を舞台にした中年不倫もの。主人公・豊川悦司の妻・富田靖子が徐々に狂っていくさまが描かれるんですけど、少しも狂ってるように見えないんです。狂ってるふりをしてるだけのようで。『十三人の刺客』の稲垣吾郎みたいといえばわかってもらえるでしょうか。
もっと大きな問題は、家の内装にしても外の風景にしても、とても70年代中頃に見えないことですね。衣装とか髪型とかは昔の風情がありますけど、どうしてもこの物語が40年も昔の出来事だと信じることができません。なのでもう見ません。

『撃てない警官』

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これは面白くなりそうですね。
鬱病の警視庁警察官が本庁内で拳銃自殺する。田辺誠一演じる主人公にその責任が押しつけられ左遷が決まる。納得のいかない主人公は真相を調べ始める。するとあっけなく真相が判明するんですね。そして主人公は罠を仕掛けた上司・石黒賢に自分を本庁に呼び戻させようと決意する。
真相解明が目的でもなければ、悪を懲らしめることが目的でもない。ただ本庁の戻りたい、出世街道に戻りたい。そう、主人公も結構な悪人なのです。悪と悪のぶつかり合いがこのドラマの見どころかと。こりゃ次も見たいですわ。

というわけで、地上波の3本が個人的にはもう終了。BSはやっぱり強い。

今週来週から始まる残りの4本はどうなんでしょうか。



リーガ第19節 レアル5-0デポルティーボ(ジダン、初陣を飾ったものの…)

ベニテスを解任してクラブのレジェンド、ジダンを新監督に昇格させたレアル・マドリード。

デポルティーボとの第19節、つまり長いシーズンの前半戦最終戦は、ベイルのハットトリックにベンゼマの2点でマニータ圧勝劇でした。

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とにかく、よく走った。「走らない選手はいらない」とジダンは会見で言ってましたが、ベニテス時代の最後なんて、いつも相手チームのほうが走行距離も平均スピードも完全に上回っていて、それでも勝つことのほうが多いから個々の能力は高いんでしょうけど、もっとみんなが走ればもっと勝てるのに、と歯がゆい思いばかりしていたものです。

今日の試合でジダンは別に特段のことをやったとは思いません。ほぼすべてのメンバーがベニテスが嫌いだったから(そりゃ選手の悪口を言う監督なんて嫌われて当然)監督が変わって、みんなやる気を出したんでしょうな。

そりゃ、ジダンが何もしてないとは思いませんよ。偉大な選手だったからこそ「もっと走れ」との言葉に選手たちも奮起したんだろうし、クリスティアーノ・ロナウドがスライディングタックルでボールを奪うなんて珍しい場面まで見れたことに象徴されるように、メンバー全員がジダンの言葉に聞く耳をもっているということでしょう。

でもそれは、「偉大な監督」としてのジダンではなく、まだまだ「偉大な選手だった人」としてのジダンに対する態度だと思うんですよね。

今日のスタメンを見るかぎり、特段ベニテス時代と変わりありません。ヴァランを使うのかなと思ったけれど、このところ試合に出ているペペを使ったのはいい判断だと思うけれど、まぁ当たり前といえば当たり前。ハメスじゃなくてイスコというのは戦術としては納得できないけれど、「イスコ、おまえのことを俺は大事に思っているぞ」というメッセージなら理解できる。イスコに替わって入ったハメスのほうがやはり違いを生み出せる選手だと思ったし、これからこの二人をどう使い分けるのか、難しいところでしょう。

それにアンチェロッティ時代から続く4-3-3というフォーメーションも見ててハラハラするんですよね。クロースの両脇が空きすぎじゃ。前から言ってるように4-2-3-1でやってもらいたい。じゃないと同じ首のすげ替えが繰り返されるだけでは?

ベニテス時代と違うのは、実況アナや解説の播戸が言ってたように、細かい約束事を撤廃して、行くときは行く楽しむサッカーになったことですかね。うん、それは認めます。

デポルティーボとは敵地リアソールでならともかく、ホームではこれまでの戦績はレアルのほうが断然有利なので、今回の圧勝はあまり参考にならないと思います。そりゃ、負けたり引き分けたり、勝っても内容では負けてたとかよりはいいに決まってるけど、やっぱり今回最大の効果をもたらしたのは、ジダンの監督就任よりもベニテス解任だと思うんですよね。

誰でもよかったわけじゃけど、もっと強いチームと当ったときとか、あと15分で1点ないし2点ほしいというような逆境のときにどういう采配をするかを見ないと何とも言えません。

もしそこで下手な手を打ってしまったら、一気に選手の信頼を失ってしまう。ジダンはいくら何でも選手の悪口を言ったりするような人じゃないと思うからそれは心配してませんが、トップチームを率いるのが初めての新米監督がどこまで能力を発揮できるかはまだまだ未知数ですね。

一番評価したいのは、ダニーロじゃなくカルバハルを使ってくれたことですね。やっぱり右サイドは彼でないと!



相田みつをが嫌いな理由(無自覚なウソとは無縁でありたい)



「~~だっていいじゃないか、人間だもの」などの独特の文字で書かれた詩で有名な相田みつを。

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私はかねてからこの相田みつをの詩が大嫌いでして。何だか思い出しただけ恥ずかしくなるのです。

なぜ嫌いかというと、前は、

「最後に『人間だもの』をつければすべて許されてると思っている」
「それを究極まで推し進めれば『人を殺したっていいじゃないか、人間だもの』みたいなことも言えてしまう」

とかって思ってたんです。

いや、いまも思ってるんですが、この度それとはぜんぜん違う、もっと本質的なことに思い当たりましてね。

ふと「俺って言葉を信じてないなぁ」と思ったんですよ。なぜか急にふっと。

ずっと前、「あなたは言葉を生業にしているんだから言葉の力を強く信じているはず」みたいなこと言われたことあるんですが、そのときの違和感の正体がわかりました。

私は言葉の力など信じておりません。

いくら千言万言尽くそうとも、本当に大事なことは言葉じゃ言えんのです。言葉に力があれば言えちゃうはずでしょう?

だから私は言葉の力など信じていないのです。だから平気で心にもないことを言うし、大言壮語して周囲を混乱させることなど日常茶飯事です。

でも、おそらく相田みつをという人は言葉の力を信じているのですね。でなければ「つまづいたっていいじゃないか、人間だもの」みたいな言葉を本気で唱えられないと思うんですよ。

でも、「つまづいたっていいじゃないか、人間だもの」はたぶんウソです。間違ってるとは言いません。正しいのでしょうが、おそらく相田みつをは心の底からそう信じて唱えていたとは思えない。

言葉の力を信じているにもかかわらずその言葉で無意識にウソをついている。これが一番の理由じゃないか。

どうせウソをつくなら意識的につこう、というのが私のスタンス。無自覚なウソとは無縁でありたいと常に思っています。

続き
新・相田みつをが嫌いな理由(あれは「似非作品」なり!)


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