聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

レアル・マドリーの新主将は?(カシージャス退団をめぐって)

数日前にこんな記事を見ました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00328288-soccerk-socc

レアル・マドリーの新しいキャプテンは? というものです。

20141002_kasijyas_getty大方の予想どおり、これまでラウールのあとをついで主将になったカシージャスをポルトへ売却しました。
このこと自体は私は別に悪いこととは思っていません。モウリーニョがカシージャスを冷遇したといわれてましたが、それは個人的な好き嫌いではなく、キーパーとしてカシージャスは優秀じゃなかったからです。その証拠に、反射神経においてはカシージャスには数段劣るけれども、ポジショニングが的確でセーブよりもシュートを打たせないキーパーたるディエゴ・ロペスを重用していました。カシージャスはずば抜けた反射神経でスーパーセーブを連発していましたが、シュートを打たせすぎ、前に出て相手のチャンスの芽を摘むより、下がってセーブすることを優先していました。そこがモウリーニョの逆鱗に触れてしまい、キーパーとして超一流ではないことが露見してしまいました。

昨年のチャンピオンズリーグ決勝での失点がそれを如実に物語っていると思います。

アトレティコのコーナーキックで、カシージャスは前に出るべきでないところで出てしまい、失点しました。「前に出ないキーパー」と批判されたために「前に出なくては」という意識が強くなってしまったのでしょう。本来のプレースタイルではないことをやろうとした結果、ああいうことになってしまった。

あのままセルヒオ・ラモスの劇的な同点弾がないままデシマ達成が成らなかったら、カシージャスは戦犯として放出されていたと思います。
今シーズンの彼もあまりよくなかった。さすがにもちまえの反射神経を活かしたスーパーセーブもあったけれど、シュートにまったく反応できなかった場面も少なくありませんでした。

生え抜きであろうと主将であろうとチームの象徴であろうと、もはや優秀でないキーパーを置いておく理由はありません。だからカシージャス放出を私は支持します。(でも、フロレンティーノ・ペレスは最初から記者会見に同席すべきだったと思いますが。26年もマドリディスタとして働いた人間に対して敬意がなさすぎます)

で、主将が去ったからには来季からは新しい主将が生まれます。普通に考えれば副将セルヒオ・ラモスがキャプテンマークを受け継ぐところなんですが…

news_113990_1
年俸に不満があるのにペレス会長は首を縦に振らないとか、前監督アンチェロッティを解任したことに激怒してるとか、とにかく遺跡の噂が絶えません。

守備の要なので残ってほしいけど、あのアホな会長はド素人なのでそんなことお構いなしに高く売れるなら売る、反旗を翻す奴は売る、ということなんでしょう。

昨日は「ラモスは売らない」と言ったらしいですけど、交渉を優位に進めるための方便としか思えません。(いつもすごい活躍してるんだから年俸上げてやったらどうなのか。儲かってるんだから)

では、誰が新主将になるのか。

昨季までの第3キャプテンはマルセロでした。だからセルヒオ・ラモスが移籍してしまうなら、マルセロが繰り上がって主将になるところです。在籍年数でもトップですしね。

だけど・・・





member_23296_1
んんんーーー、マルセロってこういう顔なんですよね。
かわいらしくてムードメーカーというのはわかりますが、何というか、カシージャスやセルヒオ・ラモスに比べると「主将」という風格に欠けるんですよね。

チームのまとめ役にはいいのかもしれないけれど、マルセロが檄を飛ばしてはたしてチームの士気が上がるのかしらん? と考えると、ちょっと不安です。

第4キャプテンはペペ。ペペならまぁいいかな、と思うけど、何か彼もちょっと違うような。

風格といえば、クリスティアーノ・ロナウドを主将にする案もあると上の記事では書かれてますが、私は反対。彼はいい意味でも悪い意味でもエゴイスティックだから。そういう選手がいてもいいけど、主将にはちょっとね。

うーん、やはり生え抜きをどんどん放出してきたツケが回ってきたかな、という感じですね。もう誰もいない。

というわけで、セルヒオ・ラモスがもし奇跡の残留を果たすなら、それは、「他に主将になるべき選手がいないから」という前代未聞の理由によってじゃないか、と思ってしまうのでした。

 

『ターミネーター/新起動(ジェニシス)』(がっかり拍子抜け!)

前回までの記事
『ターミネーター』第1作(古さを感じさせない活きの良さ)
『ターミネーター2』(最後がいまだにわからない!)

で、今日はTOHOシネマズデーということで、見てきましたよ、『ターミネーター/新起動(ジェニシス)』。

しかし、これがとんでもない代物で・・・(以下ネタバレあります)

無題今日のこの日のために1と2を復習したんですけど、1も2もやっぱり物語の構造がかなりシンプルなんですよね。

1は、サラ・コナーを殺そうと未来からやってきたターミネーターから、サラの息子ジョンに遣わされたカイルが彼女を守る。

2は、ジョン・コナーを殺そうと未来からやってきたターミネーター=T-1000から、サラと未来のジョン自身が遣わしたT-800がジョンを守る。


で、この続編は、というと、カイルがジョンの命令で84年の世界に行くところまではいいんですよね。
しかも、すでにその世界には老いたT-800がいてすでにサラを守っているという設定。そしてT-1000もすでにその世界に存在し、未来からやってきたカイルを殺そうとする。


なかなかいいと思いましたよ。アクションもキレがよくって、特にT-1000を演じるイ・ビョンホンが素晴らしい!

のだけど、そのあと、時間軸がどうだこうだとか何だかんだとややこしい背景説明ばかりのあと、何と! ジョン・コナーがターミネーターとして両親であるサラとカイルを殺そうと刺客としてやってくるという最悪の展開に。

そりゃ、いろいろ過去を変えたから未来が変わるのはわかるけど、救世主になるはずだったジョンがターミネーターというのはいくら何でも「そりゃねーよ!」と言いたくなります。

それに、肝腎のシュワ演じるT-800はいったい誰の手で9歳のサラのもとへ送られたのか、何も説明なかった気がするけど。続編まで待てということか。そういうことやってるからアメリカ映画に客が入らなくなっちゃったんじゃないんですか!?

それに、ジョンはなぜ両親を殺そうとするのか。スカイネットが起動してターミネーター・ジョンが生まれたとか言ってたから、もうサラとカイルは両親じゃないのか。うーん、そのへんも複雑すぎてわからないんですよ。もっとシンプルにしてくれないと。

ジョンをターミネーターにするんじゃなくて、スカイネットの開発者にしたらまだしもだったのでは、と思います。昨日、『ターミネーター2』の感想で「スカイネットの真の開発者は誰なのか」と書きましたが、結局、何も明らかになってませんよね。だから救世主になるはずだったジョンがスカイネットの開発者になってしまう皮肉ならまだ何とか受け入れられたと思うんですが、やっぱりターミネーターとして出てこられたのでは、これまでのすべてを台無しにしてるとしか思えません。


Terminator-Genisys-HD_sとはいえ、シュワルツェネッガーは「映画スター」の顔をしているな、と改めて思いましたよ。シュワが出てくるとホッとしたんですよね。他に「映画の顔」がいないから。J・K・シモンズも映画の顔で良かったですが、出番少ないし。

サラを演じるエミリア・クラークという女優さんはまだしもですが、カイル役のジェイ・コートニーとかジョン役のジェイソン・クラークとか、ひどい顔でした。大画面でテレビドラマ見てるみたいでした。

次の続編は絶対にDVDスルー! つまらない映画には不買運動で抵抗せねば。
でもキャメロンが撮るんだったら…(←見たいんかい!)


『怪奇大作戦』第16話「かまいたち」

昨日の『怪奇大作戦』は大名作「かまいたち」でした。

この作品は、人間のまわりを瞬時に真空状態にして、まるで鎌鼬に切られたかのように一人の人間が寸断される連続殺人事件をSRIが追うというもの。

例によって、トリックとかそういうことよりも「人間」や「時代」に重きを置いた脚本です。

20080119224411
何しろ、犯人には動機らしきものがない。あるんでしょうけど誰にもわからない。おそらく本人にもわかっていない。

そこが恐ろしい。

動機なき殺人という言葉が人口に膾炙して久しいですが、私が生まれる前からこういう恐怖は日本人みなが共有していたんですね。

上の画像はその動機なき殺人を犯した「ごく普通のおとなしい若者」の瞳です。

この茫洋とした目は、そういう事件を犯したと知って見るとそう見えるし、何かを決意した目だと聞いてみればそう見えるし。

クレショフ効果というやつですね。


岸田森演じる牧は犯行現場でうろついていたこの男の「あまりに普通な容貌」に逆に怪しいと思う。なぜそう思うのかは牧本人にすらわからない。

おそらく「本能」でしょうね。SRIという特殊部隊の人間としての本能じゃなくて、純粋に一人の人間としての本能。怪しくなさそうだから逆に怪しいという。説明はできない。頭では理解できないが体が叫んでいる。

この若者自身もなぜ自分が人間をバラバラにする犯行に及んだのかまったく説明できないでしょう。説明できないからこそ彼は真犯人なのです。

わからないがゆえにわかる。わかるがゆえにわからない。

人間心理の本質を衝いた大傑作ですね。若者を演じた俳優さんのキャスティングも素晴らしいの一語!

LINE読者登録QRコード
LINE読者登録QRコード
最新コメント
お問い合わせ
お問い合わせは、こちらまでお願いします。