聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

アカデミー賞大予想!(願望含む)

さて、あさってはいよいよアカデミー賞の授賞式。
今年は大混戦で何が獲るのか、誰が獲るのかまさに混沌としてて実に面白い。

願望を込めた私の予想は以下の通り。


作品賞:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
監督賞:ジョージ・ミラー『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント 蘇えりし者』
主演女優賞:ブリー・ラーソン『ルーム』
助演男優賞:シルベスター・スタローン『クリード チャンプを継ぐ男』
助演女優賞:アリシア・ヴィキャンデル『リリーのすべて』
脚本賞:『スポットライト 世紀のスクープ』
脚色賞:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
撮影賞:『レヴェナント 蘇えりし者』
美術賞:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
作曲賞:『ヘイトフル・エイト』
編集賞:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
録音賞:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
音響効果賞:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
衣裳デザイン賞:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
視覚効果賞:『スター・ウォーズ フォースの覚醒』
主題歌賞:『007/スペクター』
メイキャップ&ヘアスタイリング賞:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
長編アニメーション映画賞:『インサイド・ヘッド』
外国語映画賞:『サウルの息子』
長編ドキュメンタリー賞:『Amy』

てな感じでしょうか。

スタローンさえ獲ってくれたらあとはどうでもいいと思ってましたが、どんどん混戦模様になる一方なので面白くなってきました。

イニャリトゥの2年連続監督賞はないと思いますね。ジョン・フォード、ジョゼフ・L・マンキーウィッツという巨匠に並ぶ快挙を許すのか。スコセッシもイーストウッドもスピルバーグも差し置いて? ありえない!

注目の作品賞は『レヴェナント』でも『スポットライト』でもなく『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の華麗なる大逆転に賭けます。不覚にもアダム・マッケイという監督さんの名前を忘れてたんですが、あの傑作『俺たちニュースキャスター』の人じゃないですか。新人さんと思い込んでたので気づかなかった。頑張れ!!!

撮影賞は『レヴェナント』が獲るべきと思いますが、おそらく『怒りのデス・ロード』でしょう。たぶん。でも願望を込めた予想にしないと熱くなれないのでね。

あとちょうど48時間後に始まります。楽しみ楽しみ!



東京マラソンのチャリティー枠における「悪循環」について

今日の『5時に夢中!』のゲストはホリエモンこと堀江貴文。
さすがはホリエモンですね。どういう話を振っても最後はカネのことに着地してしまう。

そのへんは司会のふかわりょうも同感のようで、司会者としていじりがいのあるおいしい奴という計算もあるんでしょうけど、おそらく腹の中ではホリエモンを嫌っているのでしょう。そのへんは、中尾ミエもミッツ・マングローブも同じだと思いますな。

で、そのホリエモンが東京マラソンに出るという話になって、一般枠は抽選じゃないんですか、と訊かれると、いや、チャリティー枠というのがあって10万払えば出れるんですよ、と。


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カネのある奴は羨ましいですね。

って、そういうことじゃなくてですね、え? チャリティー枠??? そんなものがあるの。

と調べてみたらば、公式HPにちゃんと書いてある。

慈善団体に寄付されるみたいだからチャリティーには違いない。でも私はこの制度は撤廃すべきだと思います。

だって、最終的に慈善団体にその金が渡るといっても、出す人はただマラソンに出たいから出すんでしょ。主催者の懐に入るわけじゃないから商売とは言いません。でも出すほうは出場するための対価として出すんだからそれは寄付とは言わんでしょう。

動機に純も不純もない。たとえ何かの対価であってもそれで恵まれない人が助かるのなら寄付ではないのか!?

うん、それはその通り。寄付ではないとの言葉は取り下げましょう。

でもね、じゃあなぜ10万という下限が設けられているの? 寄付なら1円でも100万円でも同じ寄付では?

「いや、下限を設けないと結局みんな抽選ということになるから」ということなんでしょう?

できるだけ金もってる奴から吸い上げたい、吸った分を恵まれない人に還元したい、その気持ちは理解できます。

でもね、10万も払えない一般大衆は抽選に当たらないと出れないんですよね? その人たちはいったいどうなるの?って話なんですよ。

カネさえあれば普通は出られないところに出ることができる。そういう制度がホリエモンみたいな拝金主義者を生んでいるという事実になぜ気づかないのか。

カネがないばかりに普通の生活ができない人たちがいる。だから募金してください。それはわかります。だから私も少額ながら毎月ある団体に寄付しています。10万なんて大金と比べたら笑っちゃうくらい少額ですけど。

でもね、もっともっと募金が必要だ、だからカネさえ出せば東京マラソンに出場できますよ、と言ってしまったら拝金主義者たちの思う壺というか、カネさえあれば何でもできるという誤った考え方が社会にさらに蔓延してしまい、金がないだけで普通の生活ができない恵まれない人たちを再生産することになってしまいます。

東京マラソンのチャリティー枠はそういう「悪循環」を生んでるだけだと思いますが、いかがでしょうか。

この悪循環が進めば、下限が20万になり、30万になり…ということになっていき…そうなるともう「商売」ですよね。チャリティーではない。というか、現時点ですでに商売でしょう。

本から正さなきゃ。カネさえあれば何でもできるという拝金主義そのものをなくすことを考えずに、金がほしいばっかりに新たな拝金主義者を生むのは馬鹿げています。寄付金を募集するのはいいですが、その先にあるべきは「寄付金がないと生きられない人間をなくすこと」のはず。

かつてホリエモンは、「金で買えないものはない」と豪語しましたが、東京マラソンの出場権ってそうなっちゃってませんか?

だから、東京マラソンのチャリティー枠は即刻廃止すべき!!!



岡潔の『春宵十話』など2冊を読んだが納得できなかった件について

『数学する身体』で引用されていた岡潔という数学者にとても興味をもったので、早速読んでみました。

『春宵十話』(光文社文庫)
『春風夏雨』(角川ソフィア文庫)




確かに、思わず膝を打つ名言が多々あって、心酔する人たちがたくさんいるのはよくわかります。

特に、「創造とは、科学的に何かを発明したり芸術的な作品を作ったりすることだけを言うのではない。一日一日をしっかり生きることが本当の創造なのだ」

みたいな意味の言葉が一番グッときましたね。こんなことを平然と言える岡潔という人はただものではないな、と。

それに、新しく読み始めた『心はすべて数学である』という本でも岡潔の名前がデカルト、スピノザ、カントなんかと一緒に挙がっていて、相当な影響を与えた人なんだなと、いままでほとんど知らなかったことを恥じました。

とはいえ、ことあるごとにもち出すのが「戦後、進駐軍は3つのSを巷間に流行らせようとした。セックス、スクリーン、スポーツである」

といっていて、この3つを蛇蝎のごとく嫌う発言が相次ぐんですが、やはり「スクリーン(映画、テレビ)」が人間にとっていけないものだ、という言説には納得できかねます。

テレビはまだわかりますが、それでも良質の番組もあるし(いまなら『新・映像の世紀」とか)映画にいたっては、それを否定されたら私の人生はすべてダメだったってことになっちゃうじゃないですか。

セックスなどは本能、岡さんの言葉でいえば「無明」だからダメなんですって。で、人間の顔に動物性が出てきたのがダメだとおっしゃる。

確かに、子どもたちの顔の無機質さというか、どれを見ても同じような顔というのは私も思います。それは岡潔の時代よりいまのほうがさらにひどいでしょう。岡さんが教育こそ大事だ、いまの教育がダメだから子どもたちの顔がダメになったんだ、という主張には同意します。

が、「動物性」がいけないというところに納得できないんですよ。

人間だって動物じゃないですか。

何か、この2冊を読んでいて強く感じたのは、「人間は他の動物とは違うんだ。他の動物は下等な生き物なんだ」という歪んだ自然観なんですよね。

無差別智とか無分別智とか、仏教用語のせいもあるんでしょうけど、ひとつひとつの言葉もいちいち抽象的で頭では納得できても腹に落ちてきません。最大のキーワードである「情緒」しかり。

一度は読むべき本であることは間違いないですが、この2冊で頭を熱くするより、『仁義なき戦い』でも見て血沸き肉躍らせるほうがよっぽど健全じゃないだろうか。 

と、強く思った次第です。



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