聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

CL決勝 マドリー1-1アトレティコ(フロレンティーノ・ペレスの大罪)

2年前と同じ「マドリード・ダービー」となった欧州チャンピオンズリーグ決勝は、我がレアル・マドリードがアトレティコ・マドリードと延長戦の末に1-1の引き分けに終わりました。


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PK戦の末に優勝は勝ち取りましたが、前々から私は決勝だけは再試合とかちゃんとサッカーで決着をつけてほしいと願っている人間なので、別にうれしくないです。確かに11回目の優勝です。ビッグイヤーに「REAL MADRID」と彫られてましたし、ウンデシマ達成。ジダンは選手・監督両方で優勝した7人目の監督となりました。

が、今回は2年前と違い、もともとアトレティコ優勢で負ける確率が高いと思ってたんですよね。だってアトレティコは異様なまでに失点が少ない。今季はリーグ戦38試合で18失点だったかな。2試合で1点以下。しかも直接対決では1分け1敗。ここ3シーズンぐらいで見ても、勝ったのは2年前のCL決勝ぐらいですからね。国王杯でもスーペルコパでも負けるか引き分けだし。

というわけで、今日は負けて不貞寝するはめになるのかなぁ、と思ってたんですよ。あわよくば勝って1日ハイな最高な日になればいいなぁとも思ってましたが。



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しかし、優勝して不貞寝するはめになるとは思ってもみませんでした。

前半、開始早々から相手ゴールに迫る動きが多く面白かったですが、セットプレーからセルヒオ・ラモスのゴールが決まると(あれはオフサイドでしたね)アトレティコにボールをもたせてばかりで、せっかく奪っても速攻に行かず、わざわざ自分たちで遅攻にするという見てるファンのストレスを溜める戦術。

思うに、アトレティコがああいう引いてしっかり守って奪って速攻というサッカーをしたかったんですよね。バルサもバイエルンもその戦術にやられたわけで、ジダンはそれを警戒して、「カウンターを食らわない戦術」として、相手にボールをもたせてやりたいサッカーをやらせない手を選んだのでしょう。

でも本来、ジダンがこんなサッカーをしたかったとは思えません。なのになぜあんな自堕落なサッカーを展開したかといえば、フロレンティーノ・ペレスというアホ会長のせいです。


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昨季、選手からもサポーターからも信頼の厚かったアンチェロッティがいい仕事をしながらも無冠だったというただそれだけで解任されてしまい、それを弟子として間近で見ていたジダンは「タイトルを取らなければクビになる」という危機感から、もともとリーグ戦でやっていた(特に就任当初)スペクタクルなサッカーより「勝てるサッカー」にシフトチェンジしたんでしょう。ジダンが大好きな選手たちも彼がクビになるのは嫌だからその戦術に乗った。監督も選手もそうしなければアホ会長にチームがめちゃくちゃにされると思って、やりたくもない奪っても遅攻するつまらないサッカーを積極的にやっていました。

このまま1-0で勝っても少しも胸張れないではないか。

と思いましたよ。マジで。

後半開始早々、PK献上したときは、これで1-1になってくれればまた変わってくるのではないか、と期待しましたが、幸か不幸かグリーズマンのシュートはバー直撃。

で、ここからジダンの采配がおかしくなるんですよね。「勝利至上主義」はまだ理解できますが、采配がまったく理解できない。

カルバハルは怪我だからダニーロでしょうがないけど、2人目のイスコは72分にクロースと交代ってマジで??? クロースをそんなに早く下げていいの? しかもまだ1点差だよ。と思ったら、その5分後にはベンゼマに替えてルカス・バスケス投入っていくら何でも延長の可能性があるのに3枚の交代カードを使い切ってしまうなんてどうかしてる!!!

こういう打つべき手を打たず奇手を打ってしまうときって決まって相手に流れが行ってしまうんですよね。
直後の79分にフアンフランの素晴らしいクロスから途中交代のカラスコに決められ同点。カラスコについていってたのはルカス・バスケス。ダニーロはいったい何してたんだ! すぐそばでウロウロしてるだけ。カルバハルなら防げてたかも。

後半開始早々の同点劇なら面白くなってたでしょうが、あと10分ちょっとの同点劇は「悲劇の前兆」としか思えませんでした。(そういえば、あの同点シーンの直前ってレアルのビッグチャンスでしたよね。ベンゼマ、なぜロナウドにパスしなかった!?!?)

というわけで、アトレティコが交代カードを2枚残した状態で延長に突入。もう負けたと思いましたよ。

しかしながら、延長は面白かったんですよ。やはり両チームともPK戦での決着は嫌だったんでしょう。ビッグチャンスの多いオープンな30分でした。特にレアルのほうがチャンスは多かったですよね。フリーでパスを受けたルカス・バスケスがシュートを打たなかったなど不満はありますが、それでもなかなかスペクタクルなサッカーで面白かった。ああいう「がむしゃらサッカー」を最初の90分でもっと見たかった。そうしてくれていれば、少なくともPK戦で優勝が決まるなどという「不幸」はなかったと思います。

すべてはフロレンティーノ・ペレス、ミスターあほ会長のせいです。
ジダンのおかげでめちゃくちゃだったチーム状態が完全にもち直して決勝まで来れたんだから、その時点で契約延長しておけば、監督、選手ともにあんな「現実主義的サッカー」に邁進しなくてすんだのに。それを何ですか、今日の試合の結果如何ではウナイ・エメリにオファーするつもりだっとか。アホか。(そりゃエメリは優秀な監督だけど、ジダンを解任する理由がないではないか)

CLタイトルを取ったのだからジダンは安泰なんでしょうけど、過去に2度もリーグ優勝しながら「守備的でつまらない」という理由で2度とも解任されたカペッロの例もありますし。どうなるのか。

すべてはアホ会長が悪い。ジダンが後半の選手交代で迷走したのも「もし負けたら…」という恐怖でおかしくなったからでは? 

とにかく、PK戦での優勝は少しもうれしくありません。この試合はあくまでも引き分け。私の中では両チームとも優勝です。



問題作『ゆとりですがなにか』の問題とは何か

今クール最大の期待作だったクドカン最新作『ゆとりですがなにか』。

すでに半分以上の第6話まで見たというのに面白いのか面白くないのかいまだにわからないんですよね。

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主人公の岡田将生やその友だち(?)の松坂桃李や柳楽優弥はすべて29歳のいわゆる「ゆとり第一世代」で、見る前は彼らともっと上の世代との軋轢を描いているのかな、と思ってたんです。

ところが、実際は、岡田将生たちゆとり第一世代ともっと下のゆとり第二世代、第三世代との葛藤を描いてるんですね。

これが驚きでしたが、はたしてこれでいいんだろうか、という思いがずっと拭えませんで…。

確かに私の予想通りにゆとり世代ともっと上の世代との対立葛藤を描くとしたらものすごくありきたりなドラマになってたような気もしますが、「会社休む連絡をLINEですませるゆとり世代ってわからない」と嘆く大人たちにとってはそういうドラマこそ見たかったんじゃないか、とかって思うんですけど、でもそれじゃあただのお説教になっちゃうのかな、とも思うし。

松坂桃李が教育実習生と恋に落ちたり、その松坂が岡田将生の彼女・安藤サクラと友達以上恋人未満の関係になって岡田将生が悶絶したり、岡田将生の妹・島崎遥香(しかしなぜ役名が「ゆとり」なの?)が就活に嫌気が差して柳楽優弥が経営するガールズバーで働き始め、しかも子持ちとは知らずに柳楽とナニする関係になってまた岡田将生が悶絶したり、面白いエピソードに事欠かない。

いや、そもそも、このドラマの発端は岡田将生がゆとり第二世代か第三世代の後輩を叱っただけでパワハラだと訴えられるというところにあって、主人公・岡田将生を困らせる手練手管には驚嘆するんですが、あのパワハラの一件はどうなったの? というのが正直なところでして。

いや、そういう見方をする私が古いのかな。
ある問題があって、その問題をどう対処していくか、そこに主人公と環境との軋轢を見たいという見方。それが古いのか。それとも単に描写不足なだけなのか。



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先日、たまたま『したくなるテレビ』という番組を見ました。(↑この画像は何の関係もありません。しかし、ラップデビューするってほんとか、小西真奈美!?!?)

さて、『したくなるテレビ』というのは、「ぶりっ子」とか神田うのやダレノガレ明美という「嫌われ芸能人」に「ゆとり世代」「埼玉」などほとんどイメージのみで嫌われてる人たちを好きになってもらおう、という趣旨の番組で、面白いというか暇つぶしにはもってこいでしたが、それはともかく、この中でゆとり世代を扱ったコーナーが最も面白く、何でも尾木ママの説によれば「ゆとり世代は既成概念に囚われない発想の名人」らしいんですね。

実際、学校を卒業すると同時に起業して大成功している女性二人組がいるかと思えば、数学オリンピックで銀メダル(日本史上最高成績)とか、27歳にして人事のエキスパートをやってる女性がいたり、私と同じぐらいの世代の上司が、「彼らの発想力でうちの会社はもってる」と言い切ったり、見てるだけでゆとり世代ってすごいんだなぁ、と視聴者に思わせる内容になってるんですが、このVTRを見た劇団ひとりのコメントが秀逸でした。

「ゆとり世代ってものすごい『格差世代』なんじゃない? 頑張れる人はものすごく上のほうに行っちゃうけど、それができない人はどんどん落ちていく一方で、中間がなくてものすごい上のほうとものすごい下のほうに分かれちゃってる気がする」

と、さすが劇団ひとり。鋭い意見。

『ゆとりですがなにか』に欠けているのは、結局ゆとり世代って何なのよ? その実態ってどういうもんよ? という、ゆとり世代の内実に迫る視点ではないでしょうか。あれでは、ただ「ゆとり世代の人たちの右往左往」が描かれているだけで、それはそれで面白いんだけど、テーマの掘り下げに失敗してる感が否めないんです。

第6話では、松坂桃李がクラスの子どもたちに「ゆとり世代とは何か」と教え諭す場面が印象的でしたが、あれはゆとり世代本人が語るゆとり世代論であって、私が見たいのはもっと客観視されたゆとり世代論というかドラマなんですがね。

という私の見方が古いんですかね? んー、もうわからなくなってきた。

とりあえず、次の第7話はパワハラの一件がようやくヒートアップしそうで楽しみです。でも、ゆとり世代に関係があるエピソードなのかが心配ですが。



続きの記事
怒涛の第8話を振り返って
第9話 島崎遥香の役名を「ゆとり」にしたクドカンの熱き想い
総括「2010年代を代表する大傑作!」



コパ・デル・レイ決勝 バルサ2-0セビージャ(セビージャの慢心、バルサの意地)

イタリアカップやドイツカップの結果が出るなか、今日はスペイン国王杯。

リーガを制したバルサと、ELを制したセビージャ。どちらが勝っても2冠ですが、冷や汗ものでリーガ優勝を決めたバルサより、リバプールに逆転勝ちしてEL3連覇したセビージャに分があると思ってました。

実際、キックオフ直後はバルサに攻め込まれてましたけど、徐々に激しいプレスからボール奪取の場面が多くなってバルサに自由を与えてませんでしたよね。特にメッシを前半は完全に抑え込んでいた印象があります。イニエスタだけは全体を通して抑えられてませんでしたが。

37分にマスチェラーノが決定的チャンスを潰したということで一発退場。
しかも、あろうことか、エース、ルイス・スアレスが57分に怪我でラフィーニャと交代。

バルサにとっては痛すぎるほど痛い2つの事故で、こりゃもうセビージャの勝ちだろうとマドリディスタの私はワクワクしました。

ところが、セビージャの選手もそう思ってしまったらしく、それ以降、奪ってからの前への推進力がなくなってしまいました。スアレスもいないし相手は一人少ないし、そのうち先制点が決まって楽に勝てるだろう、みたいな緩い戦いぶり。

セビージャの敗因はそこに尽きると思います。

逆にバルサは緊急事態に加え、主審の判定がセビージャ寄りだと不満を募らせます。私の目には別にどちら寄りでもないと思いましたが、バルサの選手たちにはそう見えた。で、燃えたんですね。いくら主審がセビージャに贔屓してもスコアで上回ったら優勝だ! と。

バルサの勝因はそこでしょう。

結局、後半終了間際にバネガがこれまたネイマールの決定的チャンスを潰したとの判定で一発退場に。流れを引き寄せたバルサは延長前半に意地の一発で先制。浮足立ったセビージャもチャンスを何度か作りましたが、時すでに遅し。流れは完全にバルサでした。

最後は、メッシからの素晴らしいスルーパスからネイマールがさすがの一撃でジ・エンド。


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マドリディスタの私ですら今日のバルサの勝利には熱い思いを禁じえませんでした。

やはり、サッカーは気持ちでやるものだな、と。勝ったと思ったら負け、負けるかもと思ってるほうが勝つ。

不思議なものです。不思議ですけど、当然といえば当然なのかも。



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