聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

舛添バッシングの陰で…(マスゴミなのはテレビだけ?)

最初はあまりのせこさにいくら叩かれても仕方なかろうと思っていた舛添要一ですが、その陰で目にすることのない可能性があったニュースを新聞から仕入れてきました。

とにかく、舛添バッシングがあまりに加熱しすぎで、ここまで来るともうほとんど弱い者いじめ。というか、甘利問題から国民の目をそらすために官邸から「舛添問題にできるだけ時間を割け」との指令がテレビ局幹部に出てるとしか思えなくなってきました。

他にいろいろニュースあるだろうに、と、さっき図書館で新聞を数日分読んできたのです。

まずはマクドナルド。

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あれは去年でしたかね、鶏肉偽装だけでも大問題なのに、カサノバとかいうすごい名前の社長の謝罪の仕方が悪いとかこれまたひどいバッシングの嵐で、大幅な減収減益に陥りました。

そういえば今年になってからどうなってるかぜんぜん情報に触れる機会がなかったんですが、何と5か月連続で増収増益になっているそうです。

知らなかった!

しかも、5月の増収率は前月同月比で20%を超えるとかで、いやぁ~、ほんと知りませんでした。

でも、これ、かなり小さい記事だったので、最初に増収に転じた月は結構大きなニュースだったんでしょうね。てことは私がニュース見るのを怠っていただけか。 



次は、マクドの隣にあったもう少し大きな記事で、明治のおいしい牛乳の話。

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私はいつも1本165円の超激安牛乳しか買えない人間なので、メーカー希望小売価格が270円~292円らしい明治のおいしい牛乳とはまったく無縁なんですが、これの何がニュースかというと、1リットル入りの容器が900mlに変わるらしく値段は変わらないので実質値上げだと。

しかし、明治の言い分はそうではなく、画像右側のいままでの容器から左側の新しい容器に替えるのはあくまでも「もちやすさ」「注ぎ口の工夫」らしいんですね。
カルシウムを取るべき年寄りや子どもにとって、左側の新容器のほうが幅が5ミリ細いために筋肉への負担が1割減ると。

でも、それじゃあ、細長くして容積は1リットルのままでいいのでは? と思うけれども、「ライフスタイルの変化により、開封してから飲みきるまでの時間が長くなってきている。容量を少なくしキャップ付きにすることで最後まで無駄なく衛生的に飲める」ということらしいんですが、まぁ普通に考えて値上げのための方便でしょう。

とは書いてませんけどね。これもほんと知らなかった。生乳の値上がりはよほど深刻なのか!?


次は、ニュースというよりコラムに書いてあったことなので、ニュースというには古い情報なんでしょうけど、鳥取情報。


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今度の参議院選挙で、鳥取と島根が併合されて、両県から合わせて一人しか選ばれなくなったというのは聞いたことあります(しかし、徳島と高知も、というのは知らなかった!)が過疎率は面積の大きい島根のほうが高いが人口の多い少ないだけを見れば鳥取のほうが少なく、というか全国最少とかで(ほんとに? 沖縄より少ないの? あ、でも沖縄は確かちょっとずつ人口増えてるんでしたよね)これからは鳥取県の代表を参議院に送り込めなくなると鳥取県人は気が気でないんだとか。

そこまでは言われなくてもわかるけど、へぇ~~~と驚いたのは、鳥取と島根の因縁浅からぬ関係というか歴史。

以下、ウィキペディアからのコピペです。

  • 1871年(明治4年)7月14日 (旧暦) - 廃藩置県により、旧因幡国の8郡(岩井郡邑美郡法美郡八上郡八東郡智頭郡高草郡気多郡)、旧伯耆国の6郡(河村郡久米郡八橋郡汗入郡会見郡日野郡)、旧播磨国の3郡(神東郡神西郡印南郡)の一部が鳥取県となる。

    11月15日 (旧暦) - 旧播磨国の領域が姫路県に編入される。
    12月27日 (旧暦) - 島根県より旧隠岐国が編入される。

  • 1872年(明治5年) - 1月、県下を112の区に分け、戸長・副戸長を任命する。7月、郵便取扱所を設置する。
  • 1873年(明治6年) - 6月、会見郡に徴兵制反対の一揆勃発する。12月、大区・小区制施行される。
  • 1874年(明治7年) - 8月、地租改正着手する
  • 1876年(明治9年)8月21日 - 鳥取県が島根県に併合される。鳥取に支庁を設置する。
  • 1881年(明治14年)9月12日 - 島根県のうち、旧因幡国の8郡、旧伯耆国の6郡が鳥取県として分立・再置される


  • つまりは、島根にいったん併合されて、すぐにまた復活するわけですが、結構な領地を島根に奪われたわけで、鳥取県人の島根に対する恨みつらみはかなりのものがあるそうな。ちなみに、なぜ島根に併合されたのか、そしてまた分割されたのか、はっきりした理由はわかっていないそうです。

    こういうこともテレビでやってくれたらいいのに。やってるの? 私が知らないだけですか?



    さて、最後は海の向こうのニュースです。

    Map_of_Switzerland_and_neighboring_countries


    スイスでベーシックインカムの導入をめぐる国民投票が行われたというのはうっすらと聞いた記憶があります。反対多数で否決されたとか。

    驚いたのは、ベーシックインカムの投票の前に、最低賃金を時給22スイスフランにするかしないか、という国民投票が行われたってことなんです。経済面を開いて確認すると、1スイスフランが約110円なんですね。てことは、22スイスフランは約2420円。

    何だ、ベーシックインカムを導入するかしないかという国の話だから5000円とかそれぐらいかと思ったら。

    でも、日本では東京ですら確か1000円超えてないですよね。それにスイスとは物価も違うだろうし、1時間2420円も稼げるならベーシックインカム並みの恩恵があるのかしら。

    さて、そのベーシックインカム導入を推進しようとした賛成派の人たちの言い分の第一が、

    「AIに仕事を奪われるから」

    だったというのにも驚き。

    確かに囲碁で人間に勝ってからのAIの進化/深化はすさまじいものがあります。

    と思ったら、ページをめくると投書欄。そこにある50代女性の文章が載っていました。

    「便利だからとここ数年はネットでばかり本を買っていました。それがクール=かっこいいことだと思っていました。でも、最近のAIの進化は恐るべきもので、私の購入履歴からAIが計算して弾き出したおすすめ本を買うことにためらいを感じるようになりました。やっぱり近所の本屋がなくなって困るのは私たち人間ですから。私はAIに薦めてもらうのではなく、本屋に足を運んで自分で選びたい。本好きの友人から薦めてもらいたい」

    というような意味のことが綴られていまして、何だかうまい具合に同じ日の同じ紙面に関連したことが載ってるなぁ、と。やはり日々のニュースもネットからばかりでなく、新聞や雑誌からも得なくては、と思った次第です。

    少なくとも、「マスゴミ」といっていいのはいまのところテレビだけですね。いくら何でも舛添バッシングだけでは来月10日の選挙までもたないでしょう。安倍官邸はいま誰を何を生贄にしようか考えているんでしょうね。

    少なくとも、今日の7時のNHKニュースでは甘利問題はまったく触れられませんでした。



    『ゆとりですがなにか』怒涛の第8話を振り返って(前言撤回!)

    クドカンの問題作『ゆとりですがなにか』が第8話まで終えてもうあとはラストスパートという頃合いになってきました。

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    そういえば、第6話までを見終えて、こんな日記を書いたんですよね。

    もっと上の世代から見た「ゆとり世代」を描かなくちゃいけないんじゃないの、とか、あまり知られてないゆとり世代の現実、つまり「ゆとりトリビア」みたいなものを織り交ぜてほしい、みたいなこと。

    あれはすべて撤回します。

    いやぁ~、この『ゆとりですがなにか』がここまで凄まじい破壊力をもつドラマだとは思ってもみませんでした。
    いえ、いまでも半信半疑なんです。それぐらい先日の第8話が凄まじかった。

    上司の手塚とおるとホテル街をさまよってた安藤サクラが本当にベッドインしてしまったり、そんなことになってるとは露とも知らない岡田将生はやっと営業に戻れることになったけれど、それをいい潮時に会社を辞めて安藤サクラと結婚して実家の造り酒屋を継ごうと考えていたり、


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    柳楽優弥は島崎遥香と別れたあとおっぱいパブを辞めて植木屋に転職し、しかもあろうことかせっかく11浪中だったのに受験生まで辞めてしまった。

    最初のほうでは、パワハラだなんだとうるさかった後輩までもが、仕事はできずバイトに馬鹿にされながらも何だかすご~く愛されキャラみたいになってきてるし、もうすべてがシッチャカメッチャカというか何というか。

    松坂桃李が担当した教育実習生の吉岡里帆は前回から岡田将生の店で働くことになったし、いろんな変化が目白押し。

    やっぱりね、アレですよ。ゆとり世代に特有の事象を織り交ぜてほしいなんて私の偉そうな言葉は妄言でした。

    だって、充分、ゆとりトリビアが満載ですもん、このドラマ。

    岡田将生は第2話で、妹で就活生の島崎遥香にいかにも上の世代的な説教をしてましたけど、その岡田将生が、実家の造り酒屋を兄貴と一緒にやっていこう、そのために会社を辞める、結婚して辞めると言い出すんですからね。何だかかんだ偉そうなことを言っても、岡田将生はゆとり世代なのです。せっかくエリアマネージャーに昇格したのにそれを捨てて退職すると言い出す。

    そのとき、取引先の社長・でんでんに言われます。「もっと上を目指そうとか思わないの?」と。

    「誰より上ですか?」

    逆にそう問われたでんでんは答えに窮します。岡田将生は競争を望まないというゆとり世代の申し子なのです。仕事で出世することよりも、私生活の充実のほうがよっぽど大事。それは連名で辞表を提出した安藤サクラも同じですね。

    それがいいとか悪いとかでなく、「彼らはそういう世代なんだよ」というクドカンの温かい目が感じられます。私が言ったような、「上の世代がゆとり世代はけしからんと言うようなドラマ」だったらただのお説教になっていたことでしょう。
    逆に、ゆとり第一世代の岡田将生が第二世代である妹・島崎遥香に説教し、同時に、もっと上の世代である母親・中田喜子から「いい潮時だから辞めるって何事か!」と説教される流れになっているため、ゆとり第一世代が中間管理職的な悲哀を帯びているようにさえ見えます。クドカンの腕が冴えまくってますね。


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    童貞教師・松坂桃李も同じ。あれだけ同僚の教師たちから「童貞なんだから性教育は無理ですよね」とバカにされても(そんな小学校ないでしょうけど・笑)それでも童貞卒業することを目指すんじゃなくて、童貞であることをひとつの個性として、「自分はそういう人間だからそういう人間として性教育をやっていくんだ」とは言いませんでしたが、これまでの松坂桃李の言動を思い返せばそう考えていることは明らかです。個性重視、競争否定のゆとり特有の事象がここにも!

    やはり、クドカンがゆとり世代のことを「わからない」と潔く認めているからこのような芸当ができるんじゃないでしょうか。「理解がある」んじゃなくて、そもそも理解なんてしようとしていない。そんな上から目線は邪魔になるだけ。ただ「わからないものをわからないものとして正直に描く」という方法論。それが先述の「温かい目」を生んでいると思います。

    単に展開が面白いだけのドラマじゃなかった。いまのいままで気づかなかった私はいったいどこを見ていたんでしょうか。

    とはいえ、ついこの間までこのドラマが「どこに向かっている物語なのかよくわからない」ものだったのは事実。

    それでも見続けてきたのは、ひとえに、この人のおかげです。




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    主役の岡田将生が実にいいんですよ。他の役者もいいんですが、特に彼がたまらなく素晴らしい。

    ドラマの屋台骨は俺が一人で支えてみせる! と言わんばかりの大熱演。背も高いし、もうちょっと精悍な顔つきになってサスペンス・アクション大作映画なんかに主演してほしいもんです。

    さて、『ゆとりですがなにか』は、柳楽優弥が警察に捕まり、岡田将生の実家の酒屋を継ぐという野望が絶たれ、でももう仕事は辞めてしまった、という予断を許さない展開ですが、いったいどこへ着地するのか。

    次の第9話は、初めて岡田将生目当てではなく、純粋に内容が目当てで見る回になりますが、楽しみでしょうがありません。

    上の世代の「これだからゆとりってやつは…」という言葉に愛情が混じり始めているだけに、期待はいやでも高まるばかりです!



    続きの記事
    第9話 島崎遙香の役名を「ゆとり」にしたクドカンの熱き想い
    総括「2010年代を代表する大傑作!」



    『悪魔の追跡』(無名女優のキャスティングが象徴するものとは…)

    もうかなり昔に見てすごく面白く、そして恐かった1975年アメリカ映画『悪魔の追跡』。おそらく25年ぶりくらいに再見しました。


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    ある友人同士の夫妻二組が、田舎を車で小旅行してるときに邪教集団の殺人現場を目撃してしまい、彼らに執拗に追われ、警察も実はグルで、いや、そもそも町の住人全員がグルで、そして…。という物語。

    このちょっと前に作られた『激突!』とか『ダーティメリー、クレイジーラリー』とかいろんなカーチェイス映画の大ヒット作にあやかったうえに、そのころ流行していたオカルト映画の味付けをしたら儲かるんじゃないかという商魂が見え見えの通俗映画なんですが、これがいま見てもやたら面白いんですね。

    考えられる理由としては、

    ①映像の力を信じた脚本
    ②ピーター・フォンダもウォーレン・オーツもこの手の通俗映画では手を抜きそうな俳優なのに、それをさせなかった監督の手腕

    など、いろいろあると思います。カッティングがうまいとか、本当にいろいろ。

    でも、そういうことほとんどどうでもいいんです。

    今回見直してみて一番引っかかったのは、主役二人ピーター・フォンダとウォーレン・オーツの妻役として配された無名女優二人なんですね。このキャスティングに私は「アメリカンニューシネマ以後の映画人の無意識」を見た気がするんです。


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    右がピーター・フォンダの妻役で、左がウォーレン・オーツの。

    見ておわかりのように、美女とブサイクなんですね。しかもブサイクなほうは豚のほうがまだましじゃないかというくらいのひどい顔。

    かつて誰かが「映画作りは映画の原理と世界の原理の覇権闘争の場だ」と言いました。

    「映画の原理」とは、「泥棒は泥棒する、殺し屋は殺す、恋人は恋をする」という、登場人物がその役柄だけに忠実な行動をするもので、反対に「世界の原理」とは、泥棒だって必ずしも泥棒ばかりするわけじゃないし、殺し屋だってそう簡単に殺すわけではない、躊躇もするだろうし真逆の行動をとるかもしれない、といういわば「リアリティ」のことですね。

    この『悪魔の追跡』は、アメリカンニューシネマが台頭した60年代後半から5年以上10年未満という微妙な時期に作られました。ニューシネマ以前はセット主体で、以後はロケ主体とおおざっぱに言っていいと思いますが、映画製作倫理規定=通称ヘイズ・コードが撤廃されて、現実に存在する様々な醜い事象を観客に見せてもいいという時代になったため、「絵空事はもういい。リアリティのある映画を見たい/見せたい」という気運が高まっていました。要は、「映画の原理よりも世界の原理が大事だという風潮」でした。だから映画の原理だけで作られたMGMミュージカルなどはアッという間に廃れてしまったわけですが、そのような気運のなかで作られたこの『悪魔の追跡』は、映画の原理と世界の原理がヒリヒリするほどせめぎ合う作りになっています。

    それが象徴的に表れたのが女優二人のキャスティング。
    ニューシネマ以前のアメリカ映画ならどちらにも美人女優を配するところでしょう。
    ニューシネマ以後の考え方なら二人ともブサイクな女優を配するでしょう。

    しかし、この映画では、片方を普通の美人に、もう片方をひどいブサイクにした。

    ここに「映画の原理と世界の原理のせめぎ合い」を感じるのです。

    アメリカの片田舎で邪教集団が密儀をやっていて人を殺している。というのは実際にあるらしいですが、その実際にはあるけど描写次第では陰惨になりかねない内容を、リアリティを失わない程度にフィクショナルに映画として提示したい。という製作者たちの無意識の欲求。

    それが女優二人のキャスティングに象徴されてると思うんです。ブサイクなほうが「これは現実に起こりうるお話ですよ」とその顔が言い、美女のほうが「いや、でもこれは映画ですから」とエクスキューズする。いいバランスが成り立っていると思いました。

    おそらく、作者たちはそんなこと何も考えてなかったはずです。たぶん、

    「一人をブサイクにするならもう一人は美女にしようよ」
    「そうだね」
    「やっぱり映画なんだから一人くらい美女見たいだろ」
    「そうに決まってるさ」

    という程度の軽い会話が交わされただけだったのでしょう。

    しかし、「映画の主要人物だから美女とはかぎらない」という世界の原理に従いながらも、「そうはいってもやっぱり映画なんだから美女を見たい/見せたい」という映画の原理が顔を出す。

    あの、戦慄しながら笑ってもしまう二律背反的な独特のラストシーン。あれは、70年代のB級ホラーやサスペンスに特有のものです。ネガティブな反応とポジティブな反応が同時に起こる。「面白いけどツッコミどころ満載」なんて惹句は70年代アメリカ映画に顕著な特徴だと思います。

    あれって、世界の原理を求める観客と、それでも映画の原理をもちこみたい映画人の無意識とのせめぎ合いが原因じゃないだろうか。

    というのが、いまのところの私の仮説です。



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