聳え立つ地平線

ありえないものを発見すること、それを写し撮ること、そしてきちんと見せること。

仕事のミスを帳消しにする歌

以前働いていた職場では、ある歌を歌うと仕事のミスが帳消しになりました。

それが、これ。細川たかし『心のこり』。




わたし馬鹿よね お馬鹿さんよね

という有名なフレーズで始まるこの歌は、ミスをして「おまえ、またやったのか」みたいな雰囲気のときに歌うと効果抜群です。しかしながら、もともと愛されてないと無理でしょうかね。これははっきり言って自慢ですが、その職場で私は愛されていました。だからこの歌を歌うと許してもらえたんですね。

というか、普通の職場では「職場で歌なんかご法度」らしいですね。歌ったらみんなが楽しくなるのに。

働き方改革はそういうところから手を付けるべきではないでしょうか。

あ、それから、この歌のタイトル『心のこり』ですが、もちろんこれは「心残り」と解釈するのが正しいのでしょうけど、職場でのミスということ考えて歌うときは「心の凝り」と捉えたほうがいいんじゃないかと。

心が凝っているからミスが生じる。その凝りをほぐすために歌を歌う。いかがでしょうか。


松本人志「死んだら負け」を断固支持!(愛情と政治)

ダウンタウン松本が『ワイドナショー』で自殺したご当地アイドルの事件について、「死んだら負け」ということをもっと子どもたちに教えるべきではないかと発言して大炎上しました。というか現在もしているので我慢ならず筆を執りました。


MatsumotoHitoshi

松本は好きじゃない
まず、私はこの男が好きではありません。安倍晋三と会食したことをうれしそうに喋ったときは、アンチ安倍の私はテレビを蹴飛ばしそうになりました。
ワイドナショーを見ているのは裏番組に出てるテリー伊藤のほうがより嫌いなのと、乙武さんが好きだとか、最近古市がやたら笑えるとか、トラウデン直美という子が激カワだとかその程度の理由です。まったく見ないときもあるし、飛ばし見したり、ながら見することもしばしば。


好きじゃない松本の言葉に感動
そんな私が、このたびの「死んだら負け」という言葉には深く感動しました。

おそらくその理由は、松本も私も死のうとしたことがあるからでしょう。

松本が死のうとしたことがある? と言いたい向きもあるでしょうが、私はそう思います。それは次のような発言から明らかです。

「死ぬのって理由はひとつじゃないんですよ。いろんなことが複雑に絡まってしまって逃げられなくなってね」
「あふれそうだったコップの水が寝て起きたら半分になってることってあるから」

まさに私も同じ体験をしています。もうかなり前のことですけど、職場でひどい扱いを受けたことが一番の理由で手首を切りましたが蛮勇が足りず死ねませんでした。松本が言うように、職場以外にもいろいろ理由があって八方ふさがりだったんですね。というか正確には八方ふさがりだと思い込んでいただけだったんですがね。

あふれそうなコップの水が寝て起きたら半分になっていた経験もあります。だから松本も私と同じように死のうとした(かどうかはわからないが少なくとも死のうと思いつめた)ことがあると感じたわけです。

そのうえで「死んだら負け」と言われたら、これはもう感動するほかないわけです。私はあのとき遺書を書きましたが、職場の人のことを書きたかった。書きたかったけど自死を選ぶ以上それは許されないと思った。だから書きませんでした。今回自殺した子が遺書を残さなかったのもそういう葛藤があったからかもしれません。これはもう永久に推測の域を出ませんが。


誰に対して「死んだら負け」なのか
どうも松本の「死んだら負け」に対し「死者に鞭打つのはひどい」と言ってる人が多数見受けられますが、それは違うでしょう。松本はあくまでも「死んだら負けだともっと教えるべきではないか」つまり、生きている子に対して言ってるわけであってね。

それから、不登校児の面倒を見ている組織の人が松本の言葉には違和感を禁じえないと、ある自殺した子の例を挙げていました。
自殺したあとも机の上に「あばよ」みたいなことを英語で書かれ、さらに学校がいじめを目撃したかどうかアンケートを取ったら、ちゃんと「あの子はいじめられていた」と書かれたものはすべて処分され、「いじめはなかった」という報告がなされたとか。そういう「社会的に抹殺されたような子に対して死んだら負けというのは違和感がある」みたいなことを言っていましたが、そういうあまりにひどい境涯の子も「死んだら負け」と教えたら救えるとは、松本も思っていないと思います。


私のような心の弱い子に対して
なぜなら、ワイドナショーの2日後くらいに、「それでも自殺する子を少しでも減らすために俺は死んだら負けと言い続けるよ」とツイートしていましたから。「少しでも減らすために」ということは、すべての子を救えるとは思っていないということです。

では、どういう子なら救えるかといえば、私のような心の弱い子です。上記のような常軌を逸したいじめの場合はもともと心が強い子だって折れてしまうだろうから無理です。そういうひどい環境にいる子に「死んだら負け」と言ったって「はあ?」と返されて逆恨みされるだけでしょう。別のケアが必要だと思います。そういう場合は寝て起きたってコップの水は絶対に減らない。

「死んだら負け」と教えることで救えるのは、寝て起きたらコップの水が半分になる可能性のある子です。八方ふさがりじゃないのに八方ふさがりだと思い込んでいる子です。

私が死のうとしたときの気持ちを冷静に分析すると、「死んだらみんなが守ってくれる。悪い奴らを懲らしめてくれる」という気持ちに近かったと思います。そしてこれも推測にすぎませんが、そういう気持ちで死んでしまう子は結構な数いると思う。

松本の「死んだら負け」はあくまでもそういう子を救おうということでしょ。ごくごく当たり前のこと。それがこんなに大炎上するのはひとえに「政治」に尽きると思います。


PC=政治的な正しさ
最近は政治的に正しいことがまるで唯一絶対の正義のように罷り通っていますが、松本が「死んだらみんながかばうのがいや」というのは政治的に正しくない。というか政治的正しさ=PCへの異議申し立てでしょう。

弱者の味方をするのは政治的に正しい。それに異論はありませんが、自殺というきわめて個人的なことに関して政治的に正しいことを言うのはどうなんでしょうね。

私は幸い死ねませんでしたが、親と友人からめちゃくちゃ怒られました。目に涙をためて「おまえはいったい何を考えているのか」と難詰されました。それが「愛情」というものです。私はそのときは「この人たちひどいことを言うなぁ」と思ってました。それはたぶん「それって政治的に正しくないよ。だって俺は死のうとしたんだよ」ということだったと思います。甘えていたのです。でも、いまはあれぐらい叱ってくれた人たちに感謝しています。こういうときに大事なのはPCよりも愛情の深さであることは言うまでもありません。

今回の炎上で一番不満なのは、誰も自殺を自分の問題として語っていないことです。死のうとしたことがなくても、大切な人が死のうとしたら自分がどういう反応をするかくらいは想像力をめぐらせればわかるんじゃないですか?

あなたは大切な人が死のうとしたとき憐れみますかね。それとも怒りますか? 怒らないという人は偽善者だと思う。というか本当の意味でその人に愛情を抱いてない。


松本の政治的立場
ある人の文章を読むと、これまでの松本の発言をすべて読み返したそうです。調べるのはいいですが、安倍と会食したことを得々としゃべっていたのはけしからんとか、それをなぜ今回の批判文に織り交ぜるのか。それはやはりPCでしょう。

その人は私と同じアンチ安倍で、松本の「死んだらみんなでかばうのはよくない」という言葉は政治的に正しくない。だから自身の政治的正しさをアピールするために安倍云々というまったく関係ない政治的なことを織り交ぜていることは明らかです。


愛情と政治は別物
「死んだらかばうのはよくない」というのは確かにPC的にはアウトでしょう。
でも、あなたが死のうとしたら、周りはものすごい剣幕で襲いかかってきますよ。誰もかばってくれませんよ。かばってくれるのは、実はあなたのことをそれほど大事に思っていない人です。大事に思ってくれている人ほど厳しいことを言ってきます。

愛情と政治的な正しさはまったく別物です。松本はいま生きている子に対して愛情ある言葉を放ったと思います。それを非難する人は自分の政治的な正しさを保持しようとしているようにしか私には感じられません。


文芸社からの手紙、再び

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先週びっくりする電話がかかってきました。こないだ生まれて初めて小説を書いたと言いましたが、その小説が出版されるという話でした。

小説に関する過去記事はこちら
小説を書き始めました
文芸社からの手紙

何でも、5月に応募した「人生十人十色大賞」で落選したものの、落選者から「出版してほしい」という声が多数届いたそうで、それなら落選したものの中から10本選んで出版しよう、ということになり、私の『ヒロポン中毒』が選ばれたそうです。

へぇ~、そりゃうれしい、と思っていたら、出版には250万くらいかかるけど、そのうち100万負担してほしいと。100万なんて金はもってない。でも親兄弟は金持ちだから拝み倒せば何とかなる金額ではある。というわけで「考えさせてください」と言ったら、じゃお手紙書きます。詳細を書いて送りますから。ということでした。

その日は何か眠れませんでしたね。実際に出版されるかどうかはともかく、まったく相手にされてなかったと思っていた自分の作品が結構高い評価を受けていたとは、と。

しかし、100万というのが気にかかる。そもそも、私は「講評をお願いしたい」とは言ったけれど「出版してほしい」なんて一言も言ってないのに、向こうが勝手に選出して出版するから100万負担してっておかしくないですか?

で、今日その手紙が届いたらば、いろいろ耳に心地いいことが書いてありました。

いくつかの本屋で平積みにするとか、ISBNコードを付けるとか。あの裏表紙にあるバーコードですね。あれってただレジでピッとするだけで会計ができるだけのものかと思っていたら、あれがないとアマゾンなどネット通販とかできないらしいんですね。
ただ、調べてみるとISBNコードというのは別に個人でも申請すれば取得できるらしく、費用は2万ちょっと。何だ。

しかしもっと大きな問題が!!!

私の負担金は100万という話だったのに、なぜか文芸社の負担が100万で私は143万って話が違うじゃないですか。それに自費出版にまつわる詐欺ってちょくちょく聞くし。と思って調べてみたら、

「詐欺だと言ってる人の作品が劣悪だっただけでは?」

と書いてあるサイトがあって、なるほど、と。多額の費用を出して出版したもののまったく売れず、売れ残った本を着払いで引き取らないといけないとか、そういうのは「売れない本」だったのが悪いんですね。

じゃあ自費出版の本って売れるの? と調べてみたら「1冊も売れないと覚悟しておいたほうがいい」と書いてあって、そりゃまぁそうだろうな、と。売れるかどうかよりちゃんと本の形になって本屋に並ぶのがうれしいわけでしょ。売れたらちょっとばかり印税も入るようですが、これはやはりほとんど期待できない。

でも、文芸社からの自費出版で有名になった作家もいるらしく『リアル鬼ごっこ』とかそうなんですって。知らなかった。

何だか金の話ばかりしてますが、私が一番心配なのは金よりも「書き直せるのか」ということなんです。

過去記事を見てもらえばわかるように、『ヒロポン中毒』という小説は酸欠状態になりながら書いた作品です。とにかく、自分のダメぶりを徹底的に責め苛む作品で、今日届いた手紙の中に講評が載っていましたが、「情け容赦のない筆致」と評されていて、それはそれでうれしい。酸欠状態になって苦悶しながら書いた甲斐があったというもの。

しかしですね、こないだの電話の話では、20枚~30枚は増量しなければならず、その他、今日届いた「今後の流れ」みたいなのには、編集担当者が1か月後くらいに決定して打ち合わせ、みたいなことが書いてあって、もちろんそのときに厳しいダメ出しされるわけですよね。ダメ出し自体はいいけど、それを踏まえた改稿ができるのかという問題。

なぜって、書き直すには読み直さないといけないわけで、己を責め苛む小説なんかもう金輪際読み直したくない。実は、落選したときにハードディスクから消去しようとしたんです。でも、あの作品は「書きたかった」のではなく「書かねばならなかった」小説なので、落ちたからって消去はダメだろうと思い直したわけです。

しかしそれなら書いただけで満足するのはダメで、折に触れて読み直さないといけないのでは? とも思うわけです。書かねばならなかった小説で、かつ読まねばならない小説でもあるということに気づき、「しんどくても書き直して出版してもらおうか」という気にもなるわけです。千千に乱れていました。

とはいえ、そこで最初の問題である「143万もの金をどうするのか」ということを考えた場合、読まねばならないから、という理由だけでそんな大金を出してもらうなんていうのは甘えもいいところ。

だいたいあの小説は自分のそういう甘えた性分を徹底的に非難したものなのだから、そういう作品を世に出すために他からお金を出してもらうのは作品の精神に反する。作品に書いたことを実践しないんだったらいくらいい作品を書いても無意味。いったい何のために苦悶しながら書いたのかわからなくなってしまう。

別に、読み直したり、それこそ書き直してもっと自分を責め苛む内容にしたり、というのは別に出版しなくてもできるわけだから、やっぱり出版の話は断ろうと思います。

あ、念のために言っておきますが、どうもうちの両親は応募したとき「恥ずかしいことを書いた」と言ったら「そんなものが出版されたらどうなるの」とえらく気にしていましたが大丈夫! 恥ずかしいのは私だけで、あなた方は何にも心配することはありません。

おそらく、私のことをよく知っている人ほど「ここに書かれてることってほんとのことなの?」と必ず訊くでしょう。ほんとだよと答えてもおそらく誰も信じないでしょう。本当だと知ったら仰天するでしょう。
どうも脚本コンクールで受賞したのが下ネタ満載のコメディだったからか、「またあいつ下ネタみたいなのを書いたのか」と思われてるみたいですがぜんぜん違いますよ~。




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